「気づかなかったことに気づくこと」
コーヒーを作っていて思うのは、いかに先入観が多く、それによって味わいが左右されるかということ。
先入観、例えば、ドリップをする際に蒸らしをしなければいけない。
でも、しなくても適正なコーヒーは抽出できます。
蒸らしがなかったとしても、他の要素で抽出を促進するわけですね。
温度を上げたり、投数を増やしたり。
BUNNというブリューワーがありますが、このマシンをみたときに蒸らしがなくても適正なコーヒーをいれられるとわかりました。
ブリューワーでももちろん適正なコーヒーはいれられます。
なにを言いたいかというと、抽出プロセスには理由があるので、現状を把握し、味わいをもとにプロセスに反映すれば、適正なコーヒーを抽出するのはそんなに難しいことではないということです。
また、そのプロセスを決めつけていることが多いので、その先入観を排除できたらもっとおもしろいことができるのではないかと思っています。
そのためにもその味わいの訓練が必要です。
それはもしかすると、好きとか嫌いの味わいの評価ではなく、いいところはどこなのか、よくないところはどこなのか、ということを知ることかもしれません。
よくない味わいをプロセスにおいて、どうすればいいのかを考え、故意的にプロセスを変えることで、味わいは大きく変化します。
簡単にいうと、なんとなく、適当にいれて、曖昧に評価していると結果はでないということですね。
測れるものは測る。
数字にできることは数字にする。
もちろん全てが信じられるものではないですが、一つの客観的な目安とします。
あとは、阻害要素がどのプロセスにおいて起こっているのか、仮説をたてて、何回か検証をすることで、良くない部分の原因がわかり、排除に至ります。
例えば、浅煎りのコーヒーをいれる際にみなさんはどんないれ方をしますか?
私は、
コーヒー1:注湯量16
中粗挽き
湯温86度
抽出時間2:30
でいれることが多いです。
豆によっても変えますが、一度このレシピでざっくりいれてみます。
浅煎りは、抽出効率が悪く、渋さが多いときが多いです。
成分をしっかりとひきだせていない可能性があるんですね。
そのため、未抽出による渋さを感じたりします。
そのときは、投数を増やしたり、時間を長くしたり、湯温をあげたりして、修正します。
その組み合わせによって適性を探すわけです。
豆によっては、蒸らしを1分とったり、攪拌したりとアプローチや仮説はいくつもあると思います。
そのときの状態や環境によって変えればいいのではといつも思います。
コーヒーはあくまで味わいが正義です。
プロセスを固定した場合、味わいが変化する可能性があります。
それは、コーヒーのエージングやコーヒーの焙煎によって素材が常に変化しているからです。
だからこそ、その変化に対応するべく、プロセスを変えることで、味わいを適正なものに修正できるのです。
コーヒーの味わいと向き合って、わからないをわかるに変えていく作業は、本当に難しいですが、感覚を言葉にすることでそれは解消されるかもしれません。
適正にいれたコーヒーには、必ずいい理由があります。
自分の先入観や自分のプロセスにこだわることなく、様々な方法を分析していくことで、おいしいコーヒーに一歩ずつ近づけるのではと思っています。
自分が考えもしなかったことを学び、知ることで、さらに発展、発達させ、おいしいコーヒーを生み出せるのではないかと考えています。
そんなことをお伝えしたワークショップを町田の @lattegraphic さんでさせていただきました。
わからないことを質問してもらいながら、一緒においしいコーヒーを作っていけたら嬉しいです。
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