足跡

2本の線が引かれていた。真っ直ぐ平行に、赤と青の線が白い平地にどこまでも伸びていた。果てがあるのかは分からない。僕はその平行線の間に立っていた。赤にも青にも触れずに。

後ろを振り返ると、赤にも青にも触れないゆらゆらとした足跡の曲線が伸びていた。ずっと疑問だったこと。その平行線を越えたらどうなるのか。赤と青の間は10m程で、赤と青同時に越えることは出来なかった。まずは赤の方に向かった。

あと一歩のところで体が180度回転し、回れ右をした。気づいたら青の方に向かっていた。同様に青を越えることはなかった。こうやって長い年月、生まれてから死ぬまで外に出ることは出来ないと悟った。

平行線の外側を見ることは出来た。そこには白い平地が広がり、無数の赤と青の線が等間隔で並んでいた。足跡のある道もあれば、無い道もあった。誰かいるのかしら、と見回したが誰もいなかった。なるほど、多分僕は誰にも触れたことがない。そしてこれからも触れることはないだろう。

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