ヘラヘラ小唄

プシュっと音を立てた500mlの缶ビールは、一口目で三分の一も無くなってしまった。金曜日の午後3時、猛暑日で汗が滲む帰り道で涙まで滲む。「今週もお疲れ様。」と細やかに自分を労う。「本当によく頑張ったなー、生きたぞ今週も。」短くもあり長くもあった一週間がビールに溶けていく。二口目以降は昼に食べすぎたせいもあり、あまり進まなかった。

頑張ったのは仕事じゃなくて、勉強でもなくて、それは何度も自分自身と葛藤し続けたということ。劣等感や焦り、不安はすっかり僕の中で肥大してしまって、僕にのしかかって来る。人と喋る時にチラチラこちらを見てくるものだから言葉が出て来なくなる。このままじゃいけないと思い打開策を考える。弱い自分を受け入れる?他人と比べない?そんなことない、と踏ん張る?いっそ弱い自分を曝け出せる人にしか話さないようにするか?酒を飲んで分からなくなっちゃおうか?気にする暇を与えずに忙しくしてみるか?・・・

どれも効果がない訳じゃない。でも完璧じゃない。僕に革命は起きない。そんなもどかしい一週間を何度も繰り返してきた。お陰で一週間のうち、四日くらい眠れない日もあった。翌朝目を覚ますと12時なんてこともざらだった。こんな不安定な僕を魅力的に好きになるように捉えようとすると、せいぜい「心の動きに繊細な人」、「自惚れない人」、「深く考える人」くらいなもんだろう。心の動きに繊細なんだろうか。少なくとも自分の心に湧き上がってくる不安等に敏感にはなっているが、他人の心に踏み込んで理解に近づくことは得意ではない気がする。自惚れない人と捉えるのも、捉え方の次元で変わってくる話にもなってくるだろう。そもそも僕は自惚れているから、「こんな自分じゃだめだ」なんて頑張っているのではないか。弱い自分を認めないのは自惚れだと思う。深く考える人、果たしてそれも上手くはまっている表現なのかも分からない。

畢竟僕は面倒くさいやつなのである。こんなことに時間を割くのはもったいないと思っている。もっと自分が好きなままの、高校生ぐらいのままの僕で在りたかったとも思う。でも自分が自分と向き合える人間でよかったとも思う。自分の感じるような痛みを他人に与えようとはしないから。まあこれも運ゲー要素が入ってくると思う。いじめられっ子が、後々いじめっ子になるのか、いじめは決してしない人間になるのかはコイントスのようなものだろう。

話がなかなかまとまらないのだが、思ったことを書き殴ってみた。ビールの一口目最高だったなぁ。

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