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今年80歳の父の食事変遷(自炊からパンへ)

年末年始に帰省している人も多いだろう。うちは母がすでに他界し、今年80歳になった父が一人暮らししている。と言っても徒歩5分の所に兄家族が住んでいるので、ある意味"適切な距離感"を保ってくれている。

"適切な距離感"はとても大事で、一緒に住んで日々の面倒を見ることになると見る側の負担も大変だ。兄家族には中学生の子供もいるので食生活や生活パターンも違うので、それぞれが独立した生活を続けることは大切だと思う。

僕自身が食いしん坊なこともあり、普段の食事をどうしているか気になるところだけど、年に数回しか帰って来ない自分自身にできることには限りがあるので、最近は気にしないことにしたが、母が他界して7-8年間の父の食事変遷を振り返ってみる。

自炊の時代

それまで全く台所に立ったことがなかった父だったので、果たしてどうなることやらと心配した周囲をよそに、なんと三食作り始めた。
ご飯を炊き、みそ汁を作り、おかずを作る。
おかずは鮭を焼くとか、何かを炒める程度なので数える程度のレパートリーだが、凄いと思った。時にはテレビで紹介していた料理などをメモしていて「これの作り方を教えてくれ」ということも。

宅配の時代

やがて包丁を持たなくなった。ネギでさえもスーパーで刻んであるものを買ってくるのを見て、「そういう風になるんだな」とちょっと残念に思いつつ、納得した。
老人社会なので宅配の選択肢は以前からあり、ついに宅配に進んだ。

最初は、料理を作るセットが届くもの。全て計量されていて、皮を剥いたりちょっと切ったりして指示通りにやれば料理が完成するというもの。ところがこれは全くダメだったようだ。

これを見て思った。
年を取ってから、料理のレパートリーは広がらない。
食べてきたもの、食べたことのあるものしか。作れない。

次に、冷凍おかずの宅配。
ご飯は自分で炊くことにして、週に何回か冷凍のおかずが届き、チンして食べるというもの。これも早々にダメ出し。まずい、味がしない、とのこと。
老人のわがままだろうと思いながら僕も食べてみたら、食べられるものではなかった。作ってくれた人には本当に申し訳ないのだけど。。

次に、毎月届く冷凍魚料理。
三陸から届くもので、1パックを湯煎すれば食べられるというもの。これはなかなか気に入ったようで1年くらい続けていた。しかしさすがに魚料理の幅にも限界があり同じような味付けが出てくるのはやむを得ず、また、食べたことがないものは食べないので、冷凍庫にどんどん溜まり、兄家族が回収することに。

パンとコンビニの時代(今)

たまにはご飯を炊いてみそ汁を作ることもあるようなのだけど、基本的にはすぐに食べられるものを買ってきているようだ。すぐに食べられるものとは、パンと惣菜。
パンにマーガリンを塗って食べていると聞くと、毒に毒を塗って食べていると思ってしまうが僕だが、、、我慢。
パンにジャムを塗っていると聞くと、「認知症になりたいの?」と思ってしまう僕だが、今のところ認知のかけらもないので、、、我慢。

自分のために覚えておきたいこと

年を取ると食のバリエーションは細くなり、食べたことがあるものしか食べなくなる。だったら今のうちからじゃんじゃん幅を広げておこう。
今僕自身は三食を自分で作ることに勝る楽しさは無い状態なのだけど、興味関心や好奇心は必ず薄れてくるようなので、今以上に食の幅を広げよう。誰かに作る機会をもっともっと増やしてもいいかもしれない。
釣りと料理も続けよう。ゲーム性のある釣りで刺激を受け続け、料理の幅を広げ、人に喜んでもらうことは良さそうだ。

父を見ていて、男性も当たり前に家事・料理をする社会を作るために何かを始めようと思う2021年末だ。

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