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お化けが「うらめしや〜」って言うの、よく考えたらおかしくない?

 僕はスピリチュアルな事にはあまり興味がない、興味はないけど宗教には抵抗がない、抵抗はなけいど無宗教という人。
 無宗教の人間が言っても説得力はないけど、人間には宗教が必要なのではないかと密かに思っている。
 ただ、この話は(書くのが)かなり面倒くさいので、そのうち気が向いたら書こうかな。
 今日は、それとは違うゆるい話を僕なりに真剣に考察してみた。


 「神様が存在するか否かは分からない」誠実に答えるなら、そう言うしかない。幽霊に関しても同じだ。
 よく「幽霊がいる」と主張する人達に対し「非科学的だ」と反論をする人達がいるけど、幽霊の話題はそもそも科学のテーマになり得ない。
 昔、心理学を学んでいた時に先生が言っていた。
 科学には「実証性」「再現性」「客観性」が必要だ。

 実証性とは、対象が何かしらの方法で観察可能であり、検証可能性が保証されていること。
 再現性とは、同一条件であれば同じ現象が再現できること。
 客観性とは、得られた結果が客観的に妥当性が認められること。
 (だったと思う)

 だから心理学が科学としての地位を確立するまでには大変な歴史があった。そういう意味でもフロイトの功績は本当に大きいんだけど、まぁそれは置いといて、お化けの話。

 幽霊はそもそも見えないし、触れないし、実験もできない。つまり実証性がない。
 観察できないのだから、これはもうどうしようもない。
 実証性がない以上、再現性も客観性もへったくれもない。
 これが、幽霊の話は科学のテーマになり得ない理由。
 「幽霊なんて非科学的だ」と言って幽霊の存在を否定しようとする人がいたら、その人も同じくらい非科学的な人だ。
 幽霊はいると答えても、いないと答えても、どちらも非科学的な態度だということだね。


 ということで、今から非科学的な話をする。
 僕の友人に結構そういう系の話が好きな子がいる。もちろん「幽霊はいる」派。
 その子と話をしていて気になった事があった。

 脳を損傷すると、その部位が関わる機能に影響がでる。
 運動野を損傷すれば運動機能に影響がでる。視覚野であれば視覚。その他の部位でも同じ。
 気になる人は「ペンフィールドの地図」とかで検索してみてね。

 「心は脳の機能だ」というと抵抗がある人もいるかもしれない。
 しかし、そうでなければ抗うつ剤などの精神薬は意味をなさないはずだ。

 僕は「幽霊がいるかどうかは分からない」派なんだけど、存在するとするならば、ここが引っかかるポイント。
 幽霊はたぶん魂とかそういう存在だろう。
 肉体を持っていないんだから、彼らは脳と繋がっていない。にも関わらず何故「うらめしや〜」と思えるのか。やっぱりどうもおかしい。

 恨めしく思うためには、まず恨めしい出来事の記憶があるはずだ。そして、その出来事に対して恨めしいという感情が機能している。
 もし、そうでないのであれば、この上ない迷惑な話でしょ。
 ただでさえ出てこられたらそれなりに迷惑なのに、恨めしくもないのに「うらめしや〜」と言われたこっちは、たまったもんじゃない。
 まぁ「うらめしや〜」と言うからには、やはり恨めしいのだろうが、脳がないのにどうやって?そんなの無理だろと僕は思うわけだ。

 「幽霊はいる」派の人は「いやそうじゃない。魂の側に感情も記憶もある」と言うかもしれない。
 だとしたら、脳がその機能を持つことがおかしいくない?
 人間は相対脳重が大きい。ここまで脳が大きくなるように進化はしたが、感情や記憶の処理を脳にさせる必要なんてなかったはずだ。
 しかも脳が損傷を受けたら、最悪の場合、その機能は失われることだってある。あまりにリスキーだし不合理だ。
 進化論的に考えても、肉体と魂で分業がなされるようになっている方が理に適っているんじゃないかな。そっちの方が弱点が少なくなるんだから。

 とはいえ、ペンフィールド先生は晩年に魂の存在をほのめかしていたとかいないとか。
 それが研究の結果なのか、宗教観によるものなのかは分からない。


 お化けがいるかどうかは、やっぱり僕には分からない。決定打と言えるものがないからね。
 だけど、もし存在するとしてもホラー映画に出てくるような、明らかに脳の機能に依存した意識作用はないんじゃないだろうか。
 夏はとっくに通り過ぎて行ったのに、こんなことを考える夜だった。


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