泡ぼこぼこの皿洗い
海外に旅し、あるいは滞在し、カルチャーショックなるものを経験されたことはありますか?
海外に住んでいると、カルチャーショックと言うものは次々にあるものです。これから書こうとしていることはそのうちでも一番だったものかもしれません。
上のイラストですが泡ぼこぼこの水あるいはお湯の中で食器を洗っているところです。さて、この作業をしている人物は次に何をするでしょうか?
日本だったら、これはとんでもない愚問だと思います。もちろん、次はその食器をすすぐに決まっている…。それが常識です。
しかし、それはヨーロッパの常識ではありませんでした。オランダでも、スイスでも、ドイツでも、もちろんノルウェーでもそうでした。私はパーティの後、あるいはホームステイ中に皿洗いやらのお手伝いをしたのですが、彼らの洗い方はたっぷりの洗剤をお湯に中に入れ、洗う。洗い方はスポンジにつけてではなく、お湯の中にたっぷり洗剤を入れるのです。当然、お湯の中は山のような泡ぼこぼこ・・・洗っても、引き揚げたお皿には、かなりな泡ぼこぼこがついたままです。しかし、そのお皿をひきあげたらすすぎもせず、すぐに布巾で拭くのです。
この洗剤は粉状のものの時もあります。粉が十分溶けてしまっているのだろうか、と私は危ぶんだりしていました。
お義母さんのところではすすいではいましたが、流れっぱなしのお湯ではなくため込んだお湯にさっと食器を入れるだけなので、そのすすぎ水はだんだんに泡が増えてきます。それでも彼らは平気です。
口に入れてもいい洗剤ではありませんよ。日本のものと同じです。
一度一番上のお姉さんのところでお手伝いをした時に、日本は完ぺきにすすいでしまう、体に良くないから、と言ったのですが、お姉さんはなるたけ泡が残らないようにしている、との返事だけで、何か気まずくなりました。
私がノルウェーに住みだしたころ、テレビなんて1局しかなくてコマーシャルは入らないし、日本みたいに私たちが日常的に使う製品の宣伝もない・・・と言うことはその使用法も十分紹介されていないのか、と思ってしまいました。
他の国の友人たちのところでお手伝いした時には、何かそんなことを言ってはいけないような気がして黙っていましたが…。あるスイスの友人宅ではちゃんとすすいでいると話していました。彼女の家にはお手伝いさんがいて(アジアの人)その人からちゃんとすすがなければならないことを教わったと話していました。
ノルウェー人だけでなくヨーロッパの人たち、シャワーだけで済ます人が多いです。浴槽を使うとバブルバスにしたりして、体に泡をいっぱいつけて平気で出てきます。泡ぼこぼこで…お皿とかと一緒だね、と冗談を言ったことがありました。
もっとも、最近は食洗器も普及していて以前とは違うようですが。要するに完全に洗剤成分は食器からすすがれて無くなっているだろうということです。