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番傘をさしたことはありますか?

長いことそんなものをさして歩いている人を見かけていないですね。前見たのは、あれはパリでしたか、外国でのことだったと思います。とってもおしゃれに見えました。あれは絶対に日本の傘だと思いました。

私の記憶の中では、その人は日本人ではなかったにもかかわらず番傘を指し着物を着ていたように覚えています。本当は洋装だったのですが。

中学校の時、番傘が規定の傘で、私としては重いのを我慢してさしていたのを思い出します。それが置き傘だったのです。

しかも、それにはそれぞれの生徒の名前が筆で大きく書かれ、教室の背面の壁寧順序良くかけられていました。ちょっとした「美」でした。

あんな高い所にかけてある傘をどのようにして取っていたんでしょうか。今、考えると、学校って今と違って絶対的なものがたくさんあったような気がします。誰も文句を言う人がいなかったってことですよね。一律にあんな重いものをもって通学しなければならなかったなんて・・・。

傘をさしながらの自転車ですよ、よくも、まあ、と今さらに思います。家から学校まで30分かかっていました。まるで芸当ではないですか。今より腕の力がなかったころの話ですし。

一度、雨の中、たんぼのなかにじてんしゃごとひっくりかえったことがあるのを思い出しました。傘は破れなかったのでしょうか(傘の心配?)。覚えていません。まだ、そんなに交通量がなかった時代でしょうか。

日本人て小降りでも傘がないと・・・思いますよね。でも、これはただの日本人の考えなんでしょうか。

海外では、皆平気で雨の中を歩き回ります。ハワイなんてどうせ長くは降らないスコール、ということもあるのでしょう。傘なんて持ち合わせていない、という人も多いようです。

さて、随分前のことですが、オランダ、ハーグの友人を訪ねていた時のことです。彼女、それに彼女の子供たちと町の中に観光に行きました。一日、あいにくの雨。でも、彼らは傘を持ち歩かない、濡れっぱなしでした。子供のうち一人は女の子だったのですが、長い髪がべとべとに濡れてしまいました。それでも親も何も言わなくて、帰ってからもお風呂にも入らなかったようです。

お風呂に入らないということは西洋人としては別に不思議なことではないのですが。

そうそう、中学校で番傘が支給される前、幼稚園時代に私は番傘が欲しくてたまらなかったことがありました。番傘と言っても、幼稚園の学芸会で使った傘で、くるくる回すと渦巻きができる・・・あの傘です。学芸会で手にして以来、雨の日にはその傘で、と母におねだりしたのですが、とうとうだめでした。かさ屋さんの前で母の服を握りしめその場から立ち去ろうとしなかったのを覚えています。

とにかく出かけるとかさ屋さんを見つけ、同じことをしていました。あれほど欲しかったもの、後にも先にもあの傘だけです。

皆さんはそんな思い出ありますか?



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