チューリップチューリップ
トルコはトルココーヒーで有名なのに、お茶の方がよく飲まれているそうです。チャイと呼ばれます。
コーヒーは高価だったので庶民は飲めなかった、それではと、アタチュルク初大統領がお茶を育てることを推奨した・・・それが始まりだそうです。
トルコでチャイを供されるとかわいい形のグラスに入れられて出てきます。これはチューリップの形を模してデザインされたものなのだそうです。そんな風に見えますか?
チューリップの原種は現在のような丸っこい形ではなく、ユリのような花弁の先がとがっていたのだそうです。トルコの宮殿やモスクを彩る多くのタイルにはそのチューリップのモチーフが使われています。
チューリップという名前はトルコ語由来で、トルコ共和国の前身であるオスマン帝国に来た隣国の大使がチューリップの花をさして「あの名前は何ですか}と尋ねた際に、その方向にたまたまターバンを巻いた使用人がいたために、聞かれたのはターバンのことかと勘違いし「チュルバン(ラテン語ではチューリパンとも言うそうです)と言います」と答えたそうです。聞きなれない名前だったため、チュルバンをチューリップと聞き間違え、それがそのままチューリップと言う花の名前になったとされています。本来トルコ語でチューリップはラーレ laleだそうです。
この言葉を反対から読むとイスラムのシンボルである三日月「ヒラル hilal」と似た単語にもなるのです。こじつけのような言葉遊びですが、トルコ人はチューリップに対して、このような神聖な意味も込めて大事に扱っていることがうかがえます。
チューリップの原産国はトルコなんだそうです。トルコの内陸部からオランダに渡り、そこから大きく世界へと広まったチューリップ。世界中で愛されているチューリップですが、トルコの人々にとってチューリップは単なる農産品ではなく、世界に誇るべき文化だと考えられているようです。トルコの人々にとって特別なものである象徴として、チューリップ博物館が今なお存在しています。
春・・・チューリップ祭りが開催されます。街のいたるところにチューリップが植えられていますが、特に注目したいのは公園です。多くの公園でありとあらゆる種類のチューリップがびっしりと敷き詰められ、週末になると大勢の人々が講演にピクニックにやってきます。
加えて、祭りの期間中には世界一の大きさを誇るという「花のじゅうたん」がお目見えするそうです。その大きさは1,400平方メートル以上、チューリップの数は56万以上。場所は旧市街世界遺産歴史地区のど真ん中、アヤソフィアの前です。
モスクとチューリップ・・・春になるとイスタンブールは今までにも増して世界中からの観光客を魅了するのでしょう。
チューリップは高値で取引されていたようで、17世紀半ばの最高値はたった一つの球根で家一軒がたつほどだったと言われています。この取引に関しては一部の投資家やお金持ちではなく、品種改良で一旗揚げようとする一般庶民も多く、そのおかげで当時の先物取引が発展していったということです。
チューリップは花から球根を作るため、新種を作るのに7~12年ほどかかりますが、現物(球根)がない中でも先を見越して予約をするという現代の先物取引の枠組みが作られていったということです。
花は春に咲くのですが、球根の取引は秋~冬にかけて行われたため、手形による先物取引が発達していったとされます。上のチューリップは2色だけですが、色だけではなく様々な形のチューリップを目にしますよね。花びらがグラディエーションになっていてギザギザだったり、本当かわいいだけでなく品のいいチューリップもあります。今やチューリップの品種は5,000を超えるとされ、そのうち1,000種ほどが市場に出回り、世界中で育てられているということです。
ところで、チューリップの原産国はトルコ、と書きましたが、隣国でもその名乗りを上げているようで、数年前に知人が渦ぺ期スタンでしたかへチューリップの原産地を見に行ってきました。話によるとそのチューリップはほんの2,30㎝の丈しかなく小さな花だったようです。