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スタートアップ経営企画の振り返り

こんにちは。ビビッドガーデンのゆたく(@yutak824)です。
前回下記noteで経理領域について振り返りましたが、年末なので経営企画の領域も振り返ってみます。

経営企画の領域は、かなり試行錯誤しながら他社のCFOや経営企画の方のアドバイスや情報発信を参考にしながらやってきました。
あまり赤裸々に書けない部分もありますし、やりたいことはまだまだ道半ばですが、自分と同じように経営企画業務を試行錯誤しながら行っている方の参考に少しでもなればと思い、今回noteを書いています。


(参考)「経営企画」とは

「経営企画とは、、、」なんて見出しを書いてしまいましたが、これを話し始めるとまとまらないので簡単に参考情報だけ載せます(笑)。

そもそも「経営企画」と聞いてどのような業務をイメージされるでしょうか。
事業計画の策定と予実管理、ファイナンス、M&A、IR、IPOなどのプロジェクト推進、といった業務をイメージされるだろうし、私もこれらが基本的なミッションなのかなと思います。

会社やフェーズによって役割は様々ですし正解がない領域ですが、株式会社ベーシックの角田さんによる下記noteが良く整理されていて指針になりやすいと感じ参考にさせてもらいながら業務を行いました。

「経営企画」として主にやったこと

私が「経営企画」を意識して行ったこととして今回は下記を紹介します。

  • 共通の数字を見る(ダッシュボードの構築)

  • 共通の数字を追う(事業計画の構造リバイス)

共通の数字を見る(ダッシュボードの構築)

背景と目的

会社が成長し、チームが増えると、各チームで異なるミッションやKPIが設定され、数字の見方に違いが出てきます。これにより、データの解像度や集計基準に差異が生じ、全社で統一された理解が難しくなります。
ただし、過度に足並みを揃えようとしたり、コーポレート部門を兼ねている経営企画が主導になりすぎると効率が落ちるので、各チームにKPI管理を任せつつ、全社共通の重要な数字に関しては、モニタリングダッシュボードを用いて一元的に管理することにしました。
モニタリングダッシュボードの目的は、主要KPIを確認し事業のコンディションを素早く診断することです。
数十人規模の会社であれば、主要なKPIは数字を見たときに順調なのかどうかパッとみんながわかるくらい認識を合わせたいと思ってます。昨日の売上はいくらで、どのカテゴリがどのくらい売れて、通常時より良いか悪いかは感覚的にわかっておくべきです。
また定点の報告だけだと事業が上向いているのかどうかわかりづらいので、トレンドがわかるようにグラフなどで解像度を高めていきます。

SQLの習得とダッシュボードの作成

経営企画におけるスキルセットには多岐にわたる要素がありますが、個人的には「必要なデータを自力で引き出す能力」が重要だと考えています。
あるメガベンチャーの代表が経営企画向けセミナーで「数十人の規模までは、SQLが書けることを採用要件にしていた」と述べていました。
それだけデータを自分で引き出せることは大事です。特にスタートアップのような環境では、きれいなレポートが上がってくるようなことはなく、自分で見たい数字は自分で引き出せるようになっていることに越したことはないです。

とはいえ、私もSQLの書き方を身につけたのは、最近になってからのことです。
基幹システムやドライブからデータを探して引き出すというアクションはもともと一定できる方だったのですが、実際にコードを書くという経験はそれまで全くありませんでした。
2022年後半に社内のPdMが開催したSQL勉強会に参加したのが最初のきっかけで、SQLの基本的な仕組みやBIツールの使い方を学ぶことができました。
その後、2023年にChatGPTが登場し、さらに学びの機会を得ました。ChatGPTを利用して、クエリの書き方を学び、実際に様々なパターンを試してみることで、徐々にSQLの書き方に慣れてきました。

SQLを習得する過程は、まさに書き続けて慣れるというプロセスでした。未経験で要領の悪い私は慣れるまで休日もずっとSQLを書いて習得していきました。

そんなこんなでSQLを一定レベルで扱えるようになり、次第にBIツールを駆使してモニタリングダッシュボードの構築にも取り組むことができました。MTGなどでダッシュボードに触れて数字の確認を行い、数字に関する質問を受けた際はココ見ればわかるよとダッシュボードを紹介してみたりします。
まだまだですが少しずつ数字に関する共通認識は図れてきたかと思います。

共通の数字を追う(事業計画の構造リバイス)

背景と目的

ダッシュボード構築に関する先の議論と若干重複する部分がありますが、企業が成長するにつれて、経営層と現場、さらには各チーム間で、数字に関する理解の深さや追跡方法、集計基準に差異が生じ始めます。このような状況では、事業計画の達成可能性や、その未達の原因が不透明になりがちです。そこで、事業計画におけるKPIの構造を見直し、認識の差をなるべく縮めることを目指しました。このプロセスでは、特に以下の二つの点に重点を置きました。

  • 現場との整合性の確保

  • 可能なレベルで数字の分解

役割分担

少しだけ会社の体制について触れると、事業計画策定業務を私が一人で全部やっているわけではないです。
事業計画の策定は、一定の規模になると一人で全てを作ることは不可能ですし、それが前提となっておりません。実現可能かつ効果的な計画を立てるための一般的なプロセスは様々な書籍で紹介してるので今回は省略しますが、会社でのざっくりした役割分担は、元々はCOOがトップラインを私がボトムラインを、というような大枠を分担でやっていたところから、現在は経理財務メンバーや事業部も加わり複数名で連携するような形に少しずつ変形してきました。

現場との整合性の確保

事業計画を策定する際には、現場のチームが日々使っている集計基準と計画の数字が一致するようにすることが非常に重要だと思います。事業計画の数字の粒度や集計基準が現場のチームが設定しているものと乖離がある計画は、実効性を欠きます。
事業計画に基づいて事業部と話し合うとき、もし双方の集計基準が異なると、MTGの質が落ちたり、話が嚙み合わなくなります。同じ土俵でディスカッションするために数字の理解を極力均一に保てるようにKPIの整合性を取っていきました。

可能なレベルで数字の分解

事業計画を策定する際には、数字をできるだけ細かく分解することが重要だと思います。これにより、事業の各側面をより深く理解し、具体的な目標設定やアクションに役立てることができます。事業計画においてアクションと整合性を図りながら数字を分解することは、目標達成の可能性を高め、組織全体の成長と成功に不可欠な要素です。
もちろん、ユーザー数が多い2Cビジネスだとどこまで分解するか際限がなくなってしまいます。モニタリングは極力細かく行いながら、事業計画上は必要な粒度で管理するなどバランスは求められます。
極力数字を複雑に混ぜないこと、MECEなアプローチで、分かりやすさを保つように心がけて修正を行いました。

最後に

これまでが、私が経営企画の領域で取り組んだことの一部です。
まだやり切れていない部分もありますし、結果的に良かったのか、効果が薄いのか、と自問自答する部分も多いです。
試行錯誤しながらやってみて思ったことは、事業数値を掘り下げていく重要性は認識しつつも、結局事業に関する解像度や洞察力はフロントラインで活躍しているメンバーには敵わないです。ただし、その中でも客観的に数字を見ながら俯瞰して財務状態とのバランスを考慮し、適切な意思決定に導くことを経営企画(コーポレートも)に求められていることだと思うのでここは続けなければなりません。
今後は、事業のさらなる成長を目指し、中期計画や事業計画を具体的なアクションプランに落とし込めるよう努めたいと思います。


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