試合に必要なメンタリティ
今回は
「試合に必要なメンタリティ」について。
選手を含め指導者も該当する内容かもしれません。
スポーツ現場に携わる皆さんは
メンタリティの重要性を
日頃から感じることが多いかと思います。
まずは言葉の意味から。
メンタリティ
「心理」「心理状態」「心情」「知性」
など広い意味を持つ。
ここで大切なポイントとして、メンタリティは
心理的に強い・弱いだけだけではなく「知性」
という〝思考〟の部分が含まれていることです。
つまり、試合に対する考え方や捉え方、
良いパフォーマンスを発揮するために
思考と繋がる心理状態が今回の内容です。
今回も僕個人の主観であり、
参考にするかしないかは
ご自由にしていただきたいと思います。
良い状態のメンタリティとは、
簡単に言えば「ポジティブへの変換」です。
はじめに一つ、
僕の経験談をお話しさせていただきます。
欧州でトライアウト(プロテスト)を
受けている時期の話です。
代理人からは「帰る国はないと思ってやれよ」と
背中を押してもらっていました。
しかし、その言葉が僕にとって
かなりの〝プレッシャー〟でした。
そんな時、同じテストを受けに来ている、
ナイジェリア人の黒人選手に出会いました。
彼は実家が紛争中で帰る家がなく、
「ここで成功して這い上がるしか方法はない」と
覚悟を決めている選手でした。
僕はそれを聞いた時に、
自分のメンタルのちっぽけさを感じました。
しかしそれと同時に
「自分はもしテストがダメでも帰る場所(国)がある」
と前向きに思えてきたのです。
「帰る国はないと思ってやれ」
というプレッシャーが
「帰る国があるんだから思いっきり頑張ろう」
という考えに変えることができました。
まさにポジティブへの変換です。
この話を思い返しても、
最もメンタリティに悪影響を及ぼすことは
「過度なプレッシャー」だと感じます。
プレッシャーを頭の中でポジティブに
変換できる思考力があるなら良いですが、
大人でもそれは難しく、子どもは尚更できません。
他にも
「過度な緊張」と「過度なリラックス」
も個人的には良くないと考えています。
逆を言えば、
上記のそれらを緩和できると
試合前は理想のメンタリティに
近づくことができます。
ではどのようにその状態を作り出すのか。
今回も3つのキーワードに絞ってまとめました。
試合に必要なメンタリティ
1つ目は…
①チャレンジャー精神
これは非常に大切です。
特に「どんな立場に置かれても」
ということが鍵です。
例えば、格上と試合をする時にはもちろん
チャレンジャー精神で挑むと思います。
追われるよりも追う時の方が
精神的に勢いがあるはずです。
逆に、自分たちの実力が相手よりも上だと
わかっている時にもこの考えは必要です。
そうでなければ「過度なリラックス」が
選手を浮かれた気持ちにしてしまったり、
気の抜けたプレーに繋がってしまいます。
相手が強いとわかっている時は
「相手に挑むこと」が
チャレンジャー精神の矢印そのものになります。
では、相手の実力より
自分達が優勢と思われる時は
チャレンジャー精神の矢印をどこに向けるのか。
指導者の促し方次第の部分もありますが、
例えば
「自分達の今後の成長のため」
「上手くなるために圧倒的なプレーをするため」
「クラブの歴史の1ページを作るため」
など、なんでもいいのです。
とにかく何かに対して頭の中が
チャレンジャーモードになることが大切です。
そしてこのモードに入ることができれば、
選手の献身性を駆り立てることに繋がり、
試合中に気を抜くことは減ります。
いかなる状況でも
選手の心を強気にさせるキーワード。
それがチャレンジャー精神です。
試合に必要なメンタリティ
2つ目は…
②自信
自信はサッカーにおいて
最も大切なメンタリティだと考えています。
以前「自信」についてnoteを書きました。
興味のある方はお読みください。
自信とは、
「自分には〝できる〟と信じること」
とにかく「自信がある状態」は
弱気な気持ちを強気に変えることができます。
最後の最後は嘘でもいいので、
自分を信じて、自信を持ちましょう。
割り切った考え方は、過度なプレッシャーを
和らげることにも繋がります。
試合に必要なメンタリティ
3つ目は…
③いずれ試合は終わる
これもおすすめの考え方です。
試合前の「過度な緊張」を抑える思考法です。
勝ちたいと思う試合であればあるほど
緊張するのは当然です。
緊張する理由としては、
・勝ちたいからプレーが固くなるかもしれない
・自分がミスするかもしれない
・相手が強くて上手いかもしれない
などなど。
どちらかというと緊張は、
ネガティブな不安要因が
多いのではないでしょうか。
そう思うと体が強張って、
動きが鈍くなるのは当然です。
そんな時に心の中で思うのです。
「いずれ試合は終わる」
どんなに緊張する大一番でも、
いずれ試合は終わります。
ジュニア年代だと40分後(20分ハーフ)には
試合が終わっています。
プロでも90分後には試合が終わります。
試合後には勝っているか
負けているかは誰もわかりません。
誰もわからない未来を
心配する必要はありません。
であるならば、
試合前に過度に緊張する必要はあるのか。
何度も言いますが、いずれ試合は終わるんです。
だとしたら、
悔いのないよう目の前のプレーを楽しんで
全力でこなしていくだけです。
充実した試合時間を満喫するだけです。
そう思うことができれば
必然的に良いプレーができるでしょう。
以上が、
試合に必要なメンタリティの
キーワードとなる3つです。
簡単にまとめます。
試合のメンタリティに悪影響をもたらす要因
①「過度なリラックス」
②「過度なプレッシャー」
③「過度な緊張」
それらを抑える魔法のキーワード3つ
①チャレンジャー精神
→「過度なリラックス」を抑える
②自信
→「過度なプレッシャー」を抑える
③いずれ試合は終わる
→「過度な緊張」を抑える
そして上記全てに当てはまる大切なことが、
「ポジティブへの変換」です。
試合前は大一番であればあるほど
「勝てるかな?」「負けるかな?」
「上手くできるかな?」という
不安が湧くのは当然です。
しかし、それを気にしていても
結果は変わらないでしょう。
ポジティブでもネガティブでも
結果が変わらないのであれば、
ポジティブでいる方がいいですよね。
選手はこれらの考え方を
自分自身でコントロールできることが重要です。
そのためには指導者や保護者を含めた
子どもに対する大人の発言が、
まずはポジティブでなければいけません。
子どもは信頼する大人の影響を受けるからです。
ただ、いずれにせよこれらを大一番だけで
発揮することは難しいです。
日頃からこのようなメンタリティで
トレーニングや練習試合を積み重ねていく
習慣や環境作りが大切になります。
今年も始まる熱い夏。
大切な試合を前に、
皆さまの参考になれれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。