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ピボットの重要性
スタートアップをやっていると、最初のアイデアのまま何事もなくExitした会社は無い、ということを身を持って味わう。
ピボットができるかできないかは、言い換えると生きるか死ぬかでしかない。
以前の投稿でも少し触れたが、20世紀は時代の流れがゆっくりだったためあまりピボットの重要性が顕在化しなかった。しかし21世紀は違う。世の中が大きくそして高速に変化しているのにあわせて、ビジネスアイデアや戦略も柔軟にどんどん対応させていく必要がある。そしてそのスピードは指数関数的に年々加速している。
考えや気持ちが硬化した瞬間にその会社はダメになる。
問題が顕在化したときには奈落の底へ落ちていってしまっている。
FogHornもご多分に漏れず、最初の構想と今とではビジネスアイデアも戦略も半分以上違う。この5年間で何回かピボットしてきた。
今回はその中でも最初の1年目で直面した話を少しシェア。
FogHornを立ち上げたとき、我々が掲げたコンセプトは、
「インダストリアル App Store」
と言うコンセプトだった。それはすなわち我々のプラットフォームを通していろんな企業がアプリ(3rd party app)を開発し、iTunesのようなApp Storeを産業向けに提供するというもの。
そのための戦略として、大手産業メーカーと協業し我々のソフトをOEMして彼らのプラットフォームに組み込んでもらおうとした。それら産業メーカーは2015年ごろクラウド的なプラットフォームをちょうど作り始めたばかりの頃で、タイミングとしては申し分なかった。
おかげで出足は好調で色々と引き合いもありその中から実際の協業も進んだ。しかしなかなか現場へ導入されていかない。
その理由は今から思えば明白で、お客さんからしてみるとそんな大手産業メーカーが出したベンダー色しかないプラットフォームでは、本質的に解決したい問題が解決できなかったからである。
業界的にも皆自社でその手のプラットフォームを開発した・もしくはしようとしていたが、結果は皆散々だった。
我々にとって幸運だったことは、そのOEMの経験を通して業界の慣習も含めてより深く知ることができ、様々なお客さんとも直接会話をすることができたため、いくつかの本質的な問題や改善方法に気がついたこと。
詳細は割愛するが、問題解決のために欠けていた最も重要だったことは、産業ベンダー非依存で、クラウドではなく現場でリアルタイムにデータ処理するための仕組み。そしてそれを軸としデータを取り込んだり、クラウドやオンプレのアプリと連携させたりするためのソフトウェアであった。
そこでエッジプラットフォームという軸足は変えずに、それら課題解決をするためのストリームデータ処理に特化した小型エンジンの開発に着手。結果いくつかのパテントを手に入れながら、Appストア的アイデアから、データ処理に主軸をおいた高度なエッジプラットフォームとして会社をピボットさせることができた。
このおかげでその後実際のお客さんへの導入も始まり、様々なアワードを受賞しマーケットの中でエッジといえばFogHorn、という認知が浸透することとなった。
思い返せばあのときピボットできていなかったら、今会社は存続していなかったと思う。
まあ、実際はそのあとも何回か少しずつピボットをすることになるのですが、その辺はまた話せる時期がきたら書こうと思います笑
ピボットすることを恐れずに。
1つのことに固執しすぎていいことはあまり無いですよ。
Fail fast and pivot.