変化をどう捉えるか
コロナがもたらしたもの = 壮大な社会実験。
一夜にして世の中が大きくシフトした。
今までの当たり前や過去の成功体験なんて役に立たない時代の到来。
過去100年、効率化を極めようとして出来た東京一極集中化。
情報・お金・人材・教育・物資。
でもこの10年、デジタル化とUXが向上したおかげで、誰でもどこにいても情報にアクセスできるようになった。人材も教育も、東京にいなくてもアクセス出来るようになった。物資もオンラインで買うのが当たり前になった。
となると、いつまで人はコスパの悪い東京に居続けるのだろうか?
会社があるから?ここにほぼすべての会社のオフィスがあって、人と会いやすいから?だから東京に住まなくては仕事ができない?
でも今回のコロナで露呈したシンプルな問題提起。
それは、そもそも本当に毎日出社する必要あるのか?東京に居なくてはいけないのか?
高い家賃を払ってでも、利便性や会社のブランディング価値を上げるために東京の一等地にオフィスを構えた会社。でもオフィスに人がこないようになったら、来ることに危険性が伴うようになったら、せいぜい出社するのは今の半分以下だろう。
むしろリモートで働けることを充実させたほうが、今後より優秀な人材を獲得できる可能性は上がる。
GMOを始め、先見の明のある企業はそもそも一等地に大きなオフィスを構える必然性を見直している。もしオフィススペースが半分以下で良ければ、その分浮いた経営資源を活用してより競争力のある人材獲得に乗り出せる。
今まで以上に企業の勝ち組負け組がはっきりする。
会社のインフラや人材に投資をしてこなかった企業は、今後競争から脱落する。たとえばリモートワークのためのインフラとか、謎のハンコ文化を廃止してDocusignのような仕組みを導入するとか。
そんなの今から予算使って、とりあえずテクノロジーを導入すればいいんだろう?
いや、事はそんな単純じゃない。
リモートの人材をマネージするノウハウは一夜にしてはたまらない。普段から実際の環境で ”活用する” から、運用ノウハウが貯まるし、それを運用する人や組織がついてこれる。こういうときに慌ててシステム導入して、だれかから運用ノウハウだけ教えてもらったって、それは実際に使いこなせない。なぜならそれを運用する人や組織が文化(人事評価方法など)として馴染めないから。特に日本のようにがっちがちに部下を管理したがる風習は、これからの世界で邪魔でしか無い。
リモートワークを導入して機能させるには、人事制度や評価制度を見直さなくてはならない。いままでの努力や人付き合いで評価されていたものを、完全実力・成果主義に置き換えること。
いきなりできますか?
リモートワークのツールは、あくまでもツール。
社員がオンラインになってる時間とかを、ちまちまメッセンジャーやシステムでトラックしているようではダメ。
社員にDelegateをして任せる。そして成果を問う。
今までの文化とは180度違う。
これをどう今の会社組織に浸透させますか?
どう導入しますか?
確かに日本では、人をレイオフすることは容易ではない。
だから働かない人材を働かせるために、その証拠を揃えて置かねばならないから監視もしたくなるし、そもそもリモートで使えない人材を雇うことほど厄介なことはないから、全社導入が出来ない・したくない、のもほんの少しは理解できる。
抜本的には日本は早く企業がレイオフできるように法制度を変えるべきなのだか、それを待っていたらこれからの長引くWith コロナの世の中、会社は潰れる。
取れる選択肢は3つ。
1)諦めて今のまま何も変えずに突き進む
2)コロナが収まったら元の世界に戻ると楽観し、場当たり的に進める
3)過去を捨てて抜本的に仕組みを変え、新たな時代に照準を合わせる
1)はそもそも論外。そんな経営者の元では仕事はしないほうがいい。
2)に関しては、Pre コロナの時代に戻れるか?
人によって答えはバラバラだが、今アメリカにいて思うのは、少なくとも向こう数年は難しいと思う。あと1ヶ月以内にワクチンなりが出来て、すべての生活がもとのようになれば、Pre コロナ時代に感覚が戻れるとおもうが、向こう18ヶ月ぐらいのうちにワクチンが広まることは期待できない。
となると、今のコロナ生活が日常になる。
さらにコロナが落ち着いても、また似たような感染症が発生する可能性は大いにあるし、コロナの亜種も発生するとも考えられる。
残念ながらそういう時代に突入したのだ。今回の件はpoint of no returnを突破してしまったという認識が必要で、その認識と覚悟がないと、中途半端な決断しかできない経営者になってしまう。
自分であれば 3)の道を選ぶ。
そして新たな世界観の中で、どうビジネスを大きくしていくか考え即実行する。新たな世界、やってみなくてはわからないことだらけだから、Trial & Errorのサイクルをどれだけ高速で回すかが重要になる。
失敗に対して減点計算をする文化は、もう時代遅れでしかないことがここからもわかる。
そして対照的に、なぜシリコンバレーは強いのか?という答えもここにある。それは日常的に気が狂うような変化と競争にさらされ、その中で生き残っていかなくてはならないから。だからこそ、世界でNo.1のサービスやビジネスが続々と生まれてくる。
変化はチャンス。
どちら側に居たいですか?
"Older people sit down and ask, 'What is it?' but the boy asks, 'What can I do with it?'."
- Steve Jobs