ドイツでの免許切り替えとお役所様
免許は大事
ドイツへ移住をし気づいたことがある。ドイツは日本よりも車社会であるということだ。
私なりに理由を考えてみたのだが、まず第一にどうしようもない公共交通機関というのがあると思う。
電車は時間通りに来るわけがないし、バスはなぜか急に別ルートを走ったりするし(もちろん私がアナウンスや掲示板の情報に気づいていないだけの可能性もあるが...)とにかくドイツの公共交通機関はプロフェッショナリズムに欠けている印象を受ける。もともと日本でも公共交通機関が嫌いであった私でさえ、日本の公共交通機関のサービス品質と意識の高さが恋しくなるほどである。
二つ目の理由は、道路網が発達していることが挙げられるだろう。どこへでも車で行くことができるし、道も広くカーブも少なく走りやすい。アウトバーンは有名だが、他の一般道も日本の道路よりも快適に走ることができる。
とにかく、ドイツで暮らすうえで車は必要不可欠だ。というわけで、私もドイツの免許証を手にするべく重い腰を上げたのであった!
役所はどこもそうなのかも
日本人がドイツの免許証を入手するのは、他の国出身の人と比較しても簡単だと思う。
というのも出身国によってはドイツの自動車学校に通って一から免許取得をする必要があるのに対し、日本人の場合は免許証の翻訳を用意し役所の免許事務局で申請するだけでよいからだ。もちろん素人翻訳ではダメで、資格のあるプロに翻訳してもらう必要はあるのだが、どう考えても車校に通うよりはマシである。私もさっそく免許の翻訳を用意し、役所へ向かった。
役所での申請は思ったよりも簡単だった。申請書類を数枚書き、用意してきた免許証の翻訳と日本の免許証、そして証明写真を提出するのみであった。
私の暮らす街は小さく、フランクフルトなどの大都市と比べると、日本人の免許書き換えの前例は少なかったのではないだろうか。対応してくれた職員さんは私が日本出身と聞くと、他の同僚職員さんに必要書類や手続き方法などを逐一相談しながら対応していた。
また私は普通自動車にあたるBクラス、ちょっと大きめの車のC1クラス、そして小型バイクのA1クラスという3種類の免許を申請した。これも職員さんたちを悩ませた一因だったのだろう。恐らくだが、免許切り替えの申請の大半は普通自動車のクラスだろう。
とにかく、マニュアルに従うというよりも、職員さんたちの相談によって処理が進んでいる印象を受けた。効率と属人性ヤバッ!とか、日本の役所とこの部分は同じだな、どこの国でも役所っちゅうのは変化に乗り遅れがちなのかな、などと若者のようなことを考えているうちに手続きは問題なく完了し、何週間か待てば免許の準備ができるとのことだった。
免許受け取り
数週間後、免許の準備ができたとのことで私は事務局へ向かった。
当時はコロナ禍でもあったためか、役所はとても混み合っており入口の外にまで長蛇の列が並んでいた。ただ免許を受け取りに来ただけの私は、ものすごく時間を無駄にしている感じがあったがこればっかりは仕方がない。
待つこと2時間。やっと免許事務局に入ることができた。ついに念願のドイツ免許証が手に入る!嬉しい!ちょっと怖いが、アウトバーンでぶっ飛ばすこともできるぜ!(結局未だに140km/hまでしか出したことないのは秘密)
ということで、免許の受け渡し自体は5分ほどで終わり、あっさりと成功したのであった。閉館時間も近づいているためか、職員さんたちもどこか急ぎ目の対応である。拍子抜けしつつも、外国の免許証が取得できたという喜びで2時間待った疲れなど忘れていた。
気づき
事務局を後にした私は、とはいっても初の海外免許証である、じっくり見てみようと思い、入口の脇で免許証を見ていた。するとあることに気づいた。
私が申請したB/C1/A1の3種類のクラスのうち、Bクラスしか記載されておらず、C1とA1の欄は空欄となっていたのだ!
これはなにかの手違いかと、幸いにも役所の入り口脇で気づいた私はそのまま事務局に向かう。拙いドイツ語で申請から免許の受け渡しまでを対応してもらった職員さんを捕まえ事情を説明した。
僕のC1とA1がないんです!
どうしようもない
職員さんに事情は伝わったようで、これは事務局側の手違いだという話になった。ただし今日はもう終業時間となってしまったから、再度予約をしてもう一度来るようにと言われた。
終業時間となってはもう仕方がない。働く側としてはこの時間きっちりに終わるドイツの仕事文化が好きであるため、逆の立場で特別に終業時間以降も対応してもらうなどといった都合の良いことは頼めない。
まあのんびりいこう。そう思ったのが運の尽きであった...
次回へ続く