もしも村上春樹がたい焼き職人だったら
「完璧なたい焼きなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
もし村上春樹がたい焼き職人だったら、最初のたい焼きを作るにあたって、このように述べただろう。
恵比寿にあるたい焼きの名店、『ひいらぎ』。私はここに足繁く通っている。今週は4匹のたい焼きを食べた。
掛け値なしに美味しい。お近くの方はぜひ一度食べてみて欲しい。そして、注文する際はたい焼きを“匹”で数えていただければと思う。
ここのたい焼きの美味しさの秘密は、表面はカリッとしているが、生地の内側はもちっとした食感が残っているところだと思料している。ただのカリカリでも、またただのモチモチでもない、「カリッ」の後間髪入れずにくる「もちっ」の食感が、甘さ控えめだがたっぷり入ったつぶあんで膨れ上がったたい焼きを、しっぽの最後まで飽きさせることなく楽しませてくれるのだ。
焼き加減は日々違う。ちょっとだけカリカリしすぎている日があれば、もう少しだけ火を入れて欲しいと感じる日もある。
そんな中、今日のたい焼きは、もしかしたらこの世に「完璧な絶望」が存在しているかもしれない、と思わせる焼き加減だった。歯がたい焼きの皮を突き破る時の「カリッ」から「もちっ」のグラデーションが、もはやデジカメでは出せない、モノクロのフィルムカメラにおける白から黒への自然な移り変わりのようだったのだ。
「完璧なたい焼きは、存在するかもしれない」
タコの遊具がある公園で、右手に猿田彦珈琲、左手に歯形のついた1匹のたい焼き、晴れた日の昼下がり、1人そんなことを考えていた。
毎日何件かのムエットの発送をしている。その際に、全ての香水を一通り嗅いでいるが、各々の香水の表情は日々違ったものとなる。その日の気温や湿度、あるいは私のコンディションが影響しているのだろう。
そんな中たまに、ある香水を「完璧な香水」と感じることがある。ある時は1-24、またある時は4-10が、「完璧な香水」となる。
ある晴れた日において完璧なたい焼きが存在し得たように、ある日において、誰かにとっての「完璧な香水」は存在している…そう確信した。
明日の誰かにとって、çanomaの香水が、「完璧な香水」でありますように…
【お知らせ】
1. çanomaのムエット、こっそりお送りしています。çanomaの公式Instagramに名前と住所をこっそりメッセージください。
2. YouTubeに動画をアップしました。質問お待ちしています。YouTubeのコメント欄に、香水に関する疑問、çanomaに対する質問等、なんでもいいので書いてください!
https://www.youtube.com/watch?v=Xfe1K5cxIR0&t=160s
3. clubhouse始めました。定期的に香水について話そうと思っているので、ぜひフォローしてください。
↓アカウントはこちら↓
@watanabeyuta
【çanoma取扱店】
Nose Shop 新宿/銀座/池袋
https://noseshop.jp/?mode=cate&cbid=2681149&csid=0
ミヤシタパーク “The Editorial”
大阪 Tale Cocoon
神戸 折角堂
恵比寿 Awake
小倉 Antenna
大村 古々屋
岡山 Afelice
ブランドçanoma(サノマ)のインスタグラムもぜひフォローしてください!
@canoma_parfum
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?