【最高の普通】を掲げるグランドセイコーの特徴は?
こんばんは。yutaです。
今日は時計のブランドの特徴について紹介していきます。
0.Grand Seikoについて
セイコーが展開する高級時計ブランドである
グランドセイコー。
では、どんな魅力があってどんな腕時計を
展開してるのでしょうか。
1.創業からの歴史について
1.1.グランドセイコー誕生
元々のセイコーの創業自体は、1881年。
服部金太郎が服部時計店を創業し、中古時計を買い取り
修繕して売り出す事業を開始したことから始まります。
これがセイコーのルーツとなっています。
そして時は流れて1960年。
スイス製が高級腕時計の代名詞とされていた当時、
それまで培ってきた時計技術の粋を結集して
「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」という志のもと、
グランドセイコーは誕生 。
そして「セイコークラウン」をベースにさらなる高精度化が
図られた「初代グランドセイコー」を1960年にリリース。
国産では初めてスイス・クロノメーター検査基準優秀級規格と
同精度のモデルとして発売。
また、発売価格は25,000円。当時の上級国家公務員の
初任給が12,000円であったことから、
高級品であったことが伺えます。
1.2.セイコースタイル確立
1967年に「44GS」 と呼ばれるモデルを発表。
多くの人の心を動かす「燦然と輝くウオッチ」を目指した
「44GS」の意匠から、3つのデザイン方針と、
それらを実現するための9つの要素を定義し、
グランドセイコーのデザイン理念“セイコースタイル”を確立。
■3つのデザイン方針
Policy1
平面を主体として、平面と二次曲面からなるデザイン。
三次曲面は原則として採り入れない。
Policy2
ケース・ダイヤル・針のすべてにわたって極力平面部の
面積を多くする。
Policy3
各面は原則として鏡面とし、その鏡面からは極力歪みをなくす。
そしてそれらを実現するための9つの要素は、
下記のものとなっています。
1.他のインデックスの2倍の幅を持つ12時インデックス。
2.多面カットのインデックス
3.鏡面研磨されたガラス縁上面
4.鏡面研磨されたケース平面
5.半ば胴に埋めたりゅうず
6.フラットダイヤル
7.多面カットの太い時分針
8.接線サイドライン
9.逆斜面形状のベゼル側面とケース側面
これが現代まで受け継がれているデザイン理念である
「セイコースタイル」となっています。
この原点となっている「44GS」の誕生55年を祝うモデルが
現在限定で発売されています。
※世界限定:1,200本(うち国内:500本)
1.3.クオーツショックによる影響
そして1969年、セイコーは世界で初めて、
それまで大型であったクォーツ機構を、
腕時計に収まるほど小型化することに成功。
「クオーツアストロン」のモデル名で発売します。
これによって機械式腕時計を製造していたメーカーは、
“クオーツショック”と呼ばれるほどの大きな打撃を受けました。
ただし、グランドセイコーも例外ではなく、
同様に鳴りを潜めることとなります。
1.4.ブランド史上初のクオーツ式時計
一旦は姿を消したものの、1988年にブランド史上初の
クォーツ機構搭載モデルである「95GS」を発売。
年差±10秒という非常に高精度なモデルが
追加されたことにより、一時期影を潜めていた
グランドセイコーの名を再び世に知らしめました。
1.5.機械式時計復活に向けて
1990年代半ば、グランドセイコーは機械式時計の
復活を決意するものの、高級機械式時計の製造には
既に20年以上のブランクがあり、実現は幾多の困難を極めます。
1990年代半ばに中級機として活躍していたムーブメントを
ベースに改良を加えることで、機械式グランドセイコーの
復活は比較的容易に実現できるものと考えられていました。
しかし実際に検討作業を開始すると、グランドセイコーに
要求される精度レベルはあまりにも高く、このままでは
実現不可能であることが判明。
そこで完全なる新規設計に着手することを決断。
理論値では充分に理解していたものの、
設計は困難を極めました。
なぜかというと…
新規設計には、優秀で経験のある職人の技能が
必要不可欠だったため。
しかし、かつての熟練技術者たちは既に引退しており、
機械式時計の製造技術を継承する者は、
ほとんど残されていない状態でした。
そのため、設計者らは引退したOBを訪ね歩いて
アドバイスを乞い、先輩達から聞きだした
経験値と理論値によるシミュレーションを
繰り返すことでサンプルを作成し、実測試験を行う。
そんな試行錯誤の日々が続きました。
1.6.機械式時計復活の兆し、そして復活
1996年、スイス公認クロノメーター検定協会の
精度検定に挑戦し、初回テストでは4個中3個が合格。
さらに量産品50個をCOSCに送ったところ、
50個全てが基準を満たし、合格となりました。
それは組立・調整技術が再生されたことの証であり、
同時に機械式グランドセイコー復活への道が
開けた瞬間でもありました。
クロノメーターを超える高い制度規格を目指すべく
制定されたのが、「新GS規格」でした。
この独自の厳しい規格は、今でも遵守されています。
加えて当時の平均持続時間を10時間も上回る
“50時間以上の持続時間”を達成しなければ、
グランドセイコーの冠を付けることはできないと
開発者らは考えます。
そして、この時を境に、
「世界に通用する安定した精度で、止まらず見やすいこと」
というかつて目指した目標は、
「国際基準を凌ぐ精度と実用性を最新技術で復活させること」
という更に高く厳しい目標へ更新されます。
この新しい目標に向けて進んだ結果、
1998年、新設計の機械式ムーブメントを搭載した
「グランドセイコー メカニカルモデル」を発売。
これをもって、機械式グランドセイコーは復活を遂げました。
1.7.スプリングドライブの誕生
そして1999年、機械式とクオーツ式の技術を融合した
「スプリングドライブ」が誕生。
セイコーとクレドールの時計に搭載されましたが、
そこからさらに約4年の研究開発を経てグランドセイコーに
搭載されました。
効率の良い自動巻機構と72時間パワーリザーブの実現なくして、
グランドセイコーに搭載はできないと考えられたためです。
そして、この動力源は現在に至るまで進化を続けています。
では、続いてグランドセイコーの特徴となります。
2.特徴について
2.1.全体的にシンプルなデザインで使いやすい。
基本的に3針式のシンプルなデザインで、
ビジネス、フォーマル、プライベートなど幅広く使用できます。
そのため、年齢を重ねて感性が変化しても
シンプルであるため、使用することが合わなくなると
いうことは少ないと考えています。
長期間で愛用できるデザインと言えます。
また、視認性も高く使いやすいです。
2.2.高い精度
クロノメーター規格(スイスの腕時計の精度に関する規格)を
上回る精度基準「グランドセイコー規格(GS規格)」を設けています。
精度の差はというと、
■GS規格
平均日差+5~-3秒
■クロノメーター規格
平均日差+6~-4秒
となります。
そして、その精度を実現しているムーブメントが下記となります。
・9Sメカニカル
・9Fクオーツ
・9Rスプリングドライブ
この中でも、セイコーの技術力の高さを象徴するのが
「9Rスプリングドライブ」です。
機械式とクオーツ式が融合したハイブリッド型の
ムーブメントとなります。
世界中でも製造しているのはセイコーのみとなります。
動力には機械式のぜんまいを使用するため時計を
動かす力が大きく、また、クオーツ(水晶)を使用することによって
高い精度を実現しています。
※ぜんまいを使用することによって、時計を動かす力が
大きくなります。これによるメリットは、大きな針や
日付ディスクを採用することが出来るなど
「デザインの幅が広がる」といったメリットがあります。
クオーツ式時計の短所は、電気による駆動のため
この力が機械式よりも弱いという点があります。
つまり、機械式とクオーツ式のいいとこ取りといった感じです。
続いて展開しているコレクションについて紹介です。
2.3.展開している時計について
・ヘリテージコレクション
「セイコースタイル」ともいわれているデザインを継承しており、
幅広いシーンと装いに馴染む良質なスタンダードウオッチ。
デザインについては、ラウンドタイプの文字盤に
スチールのブレスレット。
3針タイプのデザインがメインとなり、シンプルなデザインが
多いのが特徴です。
・エレガンスコレクション
名前の通り、名前の通り華やかさとクラシックな雰囲気を重視。
いわゆるフォーマルシーン向けのドレスウォッチ。
デザインについては、ラウンドタイプの文字盤に
レザーのブレスレットがメイン。
こちらも3針タイプのデザインがメインとなり、
シンプルなデザインが多いのが特徴です。
・スポーツコレクション
名前の通り、スポーティーな外観のデザイン。
いわゆるダイバーズウォッチ、クロノグラフなど。
上記の2つのコレクションとは色合いが異なっています。
デザインについては、ラウンドタイプの文字盤に
スチールのブレスレット。
文字盤などのデザインはダイバーズウォッチ、
クロノグラフなどによって異なります。
・マスターピースコレクション
スプリングドライブをベースに開発されるハイエンドモデル。
グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンなどと
呼ばれるグランドセイコー公式の格付けの上位店舗でのみ
購入が可能となります。
デザインについては、ラウンドタイプの文字盤に
レザーのブレスレットで宝石などを用いた
限定モデルなどがあります。
ハイエンドモデルということもあり、最安で
約500万円からとなっています。
3.最後に
いかがでしたでしょうか。
日本が誇る高級時計について、多少なりとも
理解が深まったのではと思います。
全体的にシンプルなデザインなので、物足りないという方が
もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、
長く使うことを考えた時、流行に左右されないため
飽きが来なくて使いやすいのではと考えています。
また、精度も良くデザインは全体的に主張が控えめなので
ものによってはシーンを問わず使うことが出来て
万能とも言えます。
まさにグランドセイコーが掲げている「最高の普通」ではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
今日もご覧いただきありがとうございました。