島暮らし街暮らし
昔
島で暮らしていたことがある
南の小さな小さな島で
魚を獲って
暮らしていた
島では
野菜や果物を
育てている人もいた
街からの定期便の船は
一週間に一度しか
やって来なかった
その船に
獲れた魚や野菜や果物を積んで
街の市場に出していた
嵐が来ると
定期便の船は
来ない
嵐で
畑や港が
ひどい有様になった時
島の人たちは
何も言わずに手伝いに行き
嵐の後の片付けをした
お互い
力を出し合って
暮らしを立て直した
今
街に住んでいる
街にも嵐は
やってくる
道路や線路が
嵐でひどい有様になっても
街の人たちが
後片付けを
手伝いに行くことはない
知らないうちに
街は
元通り
いつの間にか
綺麗になった街を見て
島の暮らしを
思い出す