俳句まとめ（2021年）

【2021年】

　７月
靴下の脱け殻残し昼寝かな　　２票
お昼寝を終えた保育所雲ひとつ　　２票
カップイン蟻の巣に落つ夏氷　　３票
　＊
腕で泣くお昼寝前の園児かな
かき氷蟻も群がる縁側に
氷水恐る恐るのおその妻

　８月
炎昼に影なくし跳ぶ13歳　　５票
的を射て花が開くや時計草　　２票
無観客靴の擦れだけ残る夏　　１票
→球児らの靴擦れだけが残る夏
　＊
君が代の余韻選手に青嵐
　＊
二股のフォーク桃を刺す小夜中
石段を跳ぶウィール痕律の風　　４票
→ウィール痕石段で消え律の風
　＊
君が代の余韻青葉山枯れゆく
俯いた向日葵ひとつ杪夏かな
　＊
夕月夜マイクに止まる蜻蛉かな
眼前に音の貌した山とんぼ
音楽家とんぼうに好かれ一拍
秋の風くるりの余韻横顔に
ハイウェイを走る色なき風の音
富士のあさ小鳥が歌う未来(あす)のため

　９月
一音目とんぼ旅立つ夕まぐれ　　２票
車輪止め虫の音まで手をひかれ　　１票
虫時雨かきわけ土手の鬼ごっこ

　10月
秋晴を窓ごと磨く山のけさ　　４票（特４）
平茸に切株ゆずる真昼時　　２票
一学期以来の横顔月夜茸　　１票

　11月
はるかまで落葉と旅するボンネット　　２票（特１）
自転車の籠で片寄る雨落葉　　１票
ゴール前鼻水握る走者かな

　12月
ゆく道に葉っぱの足あと小夜時雨
赤子服風と水ふくみ冬空
白をぬぎ青をはく朝冬木立　　１票

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