unity1week 「ふえる」の作品を勝手に紹介

2020年8月に開催された1週間ゲームジャム「ふえる」には500以上の作品が投稿されました。今回はこの中から、特にtnkのフェティズムに触れた５つの作品を紹介していきたいと思います。

 ※なお素晴らしいゲームは他にもたくさんあります。

「つなげて増殖パズル」 

作者様 かきさん

「つなげて増殖パズル」は君たちの退屈な日常にバッチバチの刺激を与えくれる快楽のシステムだ。酩酊感を楽しむゲームとも言えるだろう。

このゲームは内容関係なく「ただ気持ちよい」から繰り返し遊んでしまいました。遊んでいると「強烈な閃光と振動」&「異様に気持ちの良い音」を放ちながら「球がぶりぶり増殖」する場面があるのだが、これが快感なのだ。

おもちゃの語源が「手に持ち遊ぶもの」であるように、触って気持ちいいは遊びの基本だなと改めて思い知らされました。

なお！この快感を得るためには球を虹色の順番で五色以上繋ぐ必要があるのだが、これが結構難しい。「はやくバッチバチしたいのに！なんでこんなに難しいの！？」とイライラし始めたら立派なジャンキーと言えるだろう。

今すぐ遊べます → つなげて増殖パズル

「キーボードオペレーター」

作者様 すいかめろんさん

斬新なゲームというのは僕たちに新しい価値観を与えてくれる。まるでアダムとイブが楽園を追放されるきっかけとなった「知恵の木の実」のように。

ゲームが開始すると画面にZと書いてあるので、そのままキーボードのZを押してみます。突然ギュイーン！と自機が動き出しZの形に変形します。

Zの形に変形した勢いで画面上のブロックを破壊することができました。Xを押すとXに。Cを押すとCの形に変形します。このど直球な斬新さには驚きました。アルファベットをそういう風に考えた事がなかったのです。

僕はそれ以来、暇があればアルファベットの物理的な形状について考える様になってしまいました。一番たくさんの水をすくえるアルファベットってどれだろうとか。僕もこういうゲームが作れたらなあと思います。

今すぐ遊べます → キーボードオペレーター

「ふえるゾンビちゃん」

作者様 ハネダさん

僕は正直パズルゲームがあまり得意ではないのです。仕事以外で頭を使いたくないんです。でもパズルゲーム「ふえるゾンビちゃん」は終盤くらいまで遊ぶ事ができました。このゲームの持つ物語の魅力が教えてくれたのです。パズルゲームって意外と楽しいじゃんって。

このゲームは世界観やキャラクター物語がとても魅力的です。意味深なセリフ回しや登場人物が、物語の続きを知りたくなる気持ちを高めてくれます。ステージが進むたび、グラフィックや演出が不気味に変化していきます。謎が謎を呼ぶホラーゲームという感じ。

この作品の持つ物語の魅力は遊びの面でもしっかりと機能しています。ステージをクリアするだけなら鍵を拾ってゴールに向かうだけで簡単なのですが、物語の続きを見るには「なにか」を拾う必要があります。これが結構難しいにも関わらず、物語の続きを見たいから、つい高難易度に自発的に挑戦してしまうのです。遊んでいるうちにパズルゲームが楽しいと思える様になっていました。

ところで、どうも3-2以降は難しすぎて「なにか」を拾ってクリアできないのです。誰か真のエンディングをこっそり教えてくれませんか？？

今すぐ遊べます → ふえるゾンビちゃん

「自転車奏業」

作者様 シトウカイトさん

このゲームが盛り上がるか盛り上がらないかはあなた次第。各楽器パートのメンバーを増やしながら、全速力でライブ会場にかけつけろ！

基本的なルールはランゲームなのですが、道中バンドメンバーを捕獲してBGMの楽器パートを増やしていく、という要素があります。

上手にプレイすると終盤になるにつれ、だんだんとBGMが豪華になり、逆にメンバーの捕獲に失敗すると微妙なままゴールとなります。

全てのメンバーが揃い曲が完成した状態で、ゴールへ向かって全力疾走！グランドフィナーレ感は他に類を見ない気持ち良さがあります。

主人公の自転車がドラムモチーフであったり、細かい部分もよく作られています。バンドメンバーに給料を払えないとゲームオーバーという妙な現実感が笑えます。「夢だけじゃ生活できない」とうシリアスな教訓でしょうか。

なお、可愛い見た目に反して、ゲーム自体は結構難しいです。コインの配置がなかなかの曲者なので、何度も挑戦して欲しいです。

今すぐ遊べます → 自転車奏業

「受精３D」

作者様 パセリさん

このゲーム、タイトルで「落ちて」いないのです。最後まで丁寧に作り込まれているゲームなのです。夢と魔法の王国デ◯ズニーランドに同じテーマのエリアがあったら、こういう仕事をすると思います。

とにかく世界観の作り込みが素晴らしい。映像/音響効果、古めかしいロード画面、可愛らしいキャラクター...など様々なネタが盛り込まれています。30年くらい前？のビデオ教材のような世界観がリアルに表現されています。

もちろん遊びの面もしっかり作り込まれています。簡単に卵子に辿りつきません。分かれ道や白血球の来襲など様々なハプニングがあり、楽しませてくれます。画面右上の精子のナビゲーションも頼もしいです。また、ランキング投稿にもしっかりネタが仕込まれていて本当に最後まで面白いです。

テーマに真摯に向きあう。最後まで完成度の高いものを作る。まさに感動です。 もはや説明不要。極上のエンターテインメントと言えるでしょう。

今すぐ遊べます → 受精3D

あとがき

ゲーム開発者として他者が作ったゲームに対してどういう態度をとれば良いのか。わりと昔から悩んでいたのですが、最近これかな？と思い始めました。

「いいなあ」と思えるゲームに出会ったなら、真面目に遊んで、存分に悔しがり、素直に影響を受け、素晴らしさを紹介する。これがイケてる開発者の態度なんだ。

ということで今回この記事を書かせていただきました。読んでくれた人ありがとうね！みんなも面白い！と思ったゲームの記事をどんどん書いてほしいぞ！待ってるぞ！