とある早朝。
とある早朝。
電車の座席足元から温風が出てくるようになっていた。
まだ薄暗い田園風景を見ながら、かれこれ1時間は一方方向に(僕は左へ)揺られている。
他の乗客は温風が味方しているのだろう、無意識のうちに無限列車へと導かれていく。
皆目的の駅までにちゃんと戻ってきてくれるといいが。
今日初めて乗った京成本線という路線は『おはなちゃや』とか、『いちかわまま』『おにごえ』『かいじん』『ユーカリがおか』など個性豊かな名前の駅が多い。
『お花茶屋』に関しては名前だけで「住みたい!」と言う人もある程度居そうだ。たしかに『お花茶屋』からお中元やお歳暮が届いたら、なんかワクワクする。
そんな駅名の由来をいちいち調べたりしながら
僕はこの一時間左に引っ張られている。
そろそろお尻が疲れてきた。少しずつポジショニングを変えながらまだかまだかと目的の駅を心待ちにしている。
とある早朝のひとコマである。