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すぐ人を好きになる心理
わたしは、すぐ人を好きになっていた。
脈が無いと思ったらすぐにあたらしい人を探し、惚れていた。
まるで、好きな人を作ることがモチベーションになっている感じ。
小学校のころも、中学校のころも、高校のころも、社会人になってからも、好きな人がいない日は無かった。
じゃあ付き合いたかったのか? というと、、案外そうでもない。
仲良くなるほど、『めんどくさい』という感情が湧きあがる。
この流れならデートに誘った方がいいよなとか、告白すべきだよなとか、「次のアクションをしなければならない」と自分で自分を縛っていた。
結局わたしは、誰かを好きでいたいだけだったんだと思う。
恋してる自分が好き、恋してるとそれだけで気持ちがイキイキする。
アイドルをおっかけて握手会に入り浸ったこともあるけど、基本的には同じ。
むしろ、デートや告白などの次のアクションがいらない分、リアルな恋よりも気が楽だったかもしれない。
好きになった人はたくさんいたけど、「その人を本気で愛せたか?」と聞かれると、即答できない。
消去法的に「この人を好きになろう」って決めていた気がする。
とても失礼な決め方。
こんな決め方で愛せるわけないよね。
わたしは、裏切られるのが恐かった。
「わたしのことを分かってくれる人なんて誰もいない」という感覚があって、人を信じていなかった。
ココロを開いた相手が豹変して、全否定されるのが恐かったんだ。
なのに、ひとりで生きていく勇気もなかった。
だから、いろんな人を好きになっていた。
これは、アダルトチルドレンとも大きく関係していると思う。
わたしは親からは愛を感じなかったし、愛を注ぐやり方もわからなかった。
「あなたのためを思って言ってるの」には、うんざりだった。
いちばん身近な存在の親に否定ばかりされたから、親しい関係ほど否定されると思い込んでいたんだ。
30歳が近づいたとき、ココロから愛したいと思えるパートナーと出逢えた。
とはいっても、最初から「愛したい」とは思っていない。
「どうせまた裏切られる」という気持ちがずっとあったから、おそるおそるコミュニケーションしていた。
結婚の準備を進めていたある日、勇気を出して、誰にも言ってない秘密を打ち明けた。
結婚した後にカミングアウトするよりも、結婚前に伝えておきたかった。
「昔借金してたけど、地力でがんばって返したんだよ!」
自力がんばったことをアピールしたかった。
伝えた瞬間、彼女は顔が真っ白になった。
「ああ、今回も同じか。」と、自暴自棄になった。
しかも両親は、「結婚前に余計なこと言うな!」と怒ってくるし、もうわけがわからない。
「事実を伝えるのがそんなに悪なの?」
「いまのがんばりよりも過去の借金が悪なの?」
親に言っても否定されるのはわかってたから、頭の中でずっとぐるぐる考えてた。
わたしは、この事件があった彼女と、結婚生活を送っている。
あの一件のあと、なんども対話を重ねて、お互いに本音でぶつかって、気持ちを受け入れあい、2人の気持ちは「いっしょに暮らしたい」だった。
あのとき頭が真っ白になったのは、『借金』というフレーズの強さに引っ張られて、他の話が聞こえなかったかららしい。
わたしも妻もINFP。
価値観が似ているから、すごく居心地が良い。
自分の気持ちを大事にしたいし、大事にしたいからこそ、相手の気持ちも受け入れる。
社会的ルールよりも、自分がどう思うかが大事。
INFP同士の恋愛には良いところも悩ましいところもたくさんある。
だけど妻への想いは、すぐ人を好きになっていたころとはまったく違う。
本気で愛したいと思えるんだ。
長所も短所も、強みも弱みも、すべてを受け入れて、すべてを愛したいと思える。
これが本当の意味での『好き』なんだと思う。
もしタイムマシーンがあったら、すぐ人を好きになっていたあの頃に戻って、本当の『好き』を教えてあげよう。
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