クリスマス準備前の掃除機がけ
12月の中頃になると、保育園ではクリスマスの準備が始まります。毎年保育園にはクリスマスツリーや装飾の飾り付けを先生たちが中心で行い、その後折り紙で作る輪っかのリボンやそれ以外の簡単な装飾を園児たちで行っていました。
寒くなってきた中、エアコンの暖房がガンガンに効いている園内で、僕たちはいつも通り、帰りの会が終わった後も友達同士で遊んでいました。
すると、部屋の奥の方の扉を開けた先生が、ガサガサっと袋にかかった木を取り出してきました。
「クリスマスツリーだ!!」
なんだろうとその場にいた園児全員が思っていた中で、誰かが言ったその一言で、僕たちは全員理解しました。そして、そこには何も装飾が施されていないクリスマスツリーが出現していました。今からクリスマスの準備が始まるのです。
「先生!手伝う!!」
僕たちはクリスマスというフレーズに敏感な年頃で、この手のお手伝いはしたくてしたくてらたまりません。
「じゃあ、飾り付けの準備、手伝ってもらおっかな!」
クリスマスツリーのような大きなものを準備するのは園児には危険なので、先生は園児にもできる折り紙を使った飾り付けを僕らに教え始めました。みんながクリスマスツリーの行方に気になりながらも先生の説明を聞く中、僕はその奥からあるものを取り出してきた先生の姿が気になっていました。
ガタッと音を立てて置かれたクリスマスツリーは、袋からツリーの葉っぱが落ちてきていたのが見え、それらはパラパラと床へと落ちました。毎年出しているからなのか、古くなった葉っぱこぼれ落ちてしまいます。さらに、一年間物置においてあったからなのか、薄くホコリが被っている感じでした。
いつもの大好きな先生は、そのホコリが気になっている感じでした。その隣にいた年配の先生と話しながらツリーの葉っぱ部分を指でこすると、
「やっぱりホコリついてますねー」
と、やはり気にしている様子でした。
「はたきで落とす?」
「でも、ホコリまっちゃいそうで嫌ですよね。みんながいるからなおさら。」
「そうね。どーしようかしら?」
「うーん、、、掃除機で吸っちゃいます?」
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