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NPTでのロシアのスピーチ内容をまとめました

昨日、NPT2日目に、ロシアが発言しました

現地時間8月2日午後、ロシア外務省の核不拡散担当Igor Vishnevetskii副局長が発言しました。冒頭プーチン大統領のメッセージを読み上げ、その後、スピーチをしました。
英語版全文

スピーチ要旨
「ロシアは NPT の締約国として、条約を一貫して遵守している。また、関連兵器の削減と制限に関する米国との二国間協定に基づく公約を完全に履行している。私たちは、核戦争には決して戦ってはならないと考えている。これは今年初めの「核保有5カ国共同声明」でも確認した」と述べました。
また、「NPT 第 6 条を含む国際的な義務を完全に履行することで、平和を維持する」。また「非核兵器地帯の100ヶ国以上に、核攻撃をしないとの保証を与えてきて、私たちは一貫して、核不拡散分野における地域の課題を、NPTに基づく政治・外交的手段によってのみ解決することを提唱してきた」と述べました。
加えて「注目すべきは米国の姿勢である」として、CTBTなどに未加盟な米国を批判しました。
なお、「対立がエスカレートした結果、平等かつ不可分の安全保障の原則が著しく損なわれ、核安全保障上の正当な権利を守らなければならないロシアは、核保有国間の直接的な武力紛争への移行をはらんだハイブリッドな軍事作戦にさらされている」などとも述べました。

また「反論権」というのがあって、ここまでの討論に反対意見を述べられるのですが、そこでロシアは、「ブダペスト覚書を厳格に履行していて、そこには核兵器を使用しない、あるいは使用すると脅さないという約束も含まれている。これは、ウクライナに関しても完全に実施されている」と述べました。

スピーチの要点
演説と反論の主張の要点は「NPTは遵守している」ということと、「ロシアは、自国が核による威嚇はしていないと認識している」ということだと思います。

1点目のNPT遵守は大事なことで、もともとNPTそのものを否定するではないか、との予測もされていました。逆にどこからが「核の威嚇なのか」は議論があり、明確な定義はありません。「使うぞ!!」とめちゃくちゃ主張すれば「威嚇」と見なされるとの見解もあります。また「核抑止」そのものが脅しによって成り立っているということも重要な視点だと思います。


先月、長崎の市民団体「核兵器禁止条約の会・長崎」が抗議声明を送りましたが、「核の威嚇は行っていない」などと同様の返答が返ってきたとのこと。同団体実行委員長の朝長万左男さんは、NPTのロシアの演説を聞き、「また煙にまかれた感じがするな」と話していました。

会場の雰囲気
ロシアの発言は、会場中が注目していましたが、大きな混乱はなく終わりました。終了後にも平常通り拍手が起きましたが、傍聴席などは「NPT体制を破壊しようとする意図のあるものではなく、思ったよりよかったのか?!でもまだまだ課題があるな」というような消化できない虚無感に包まれていた印象でした。


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