恐怖体験(実話1)
幼いころ、数々の不思議体験をしているのですが、その中で最も怖かった体験をお話しします。
これは中学校2年生の頃のお話です。
当時野球部に所属していた私は、いつも通り部活終わりの夜八時くらいに私と特に仲の良かった友達3人の計4人で雑談などをしながら帰り道でのある冬の事です。
私のいた中学校は毎年中体連など県内で優勝争いに名乗りを上げるほど強豪校でしたので、大抵夜遅くまで練習していました。
普段は自転車で通学帰宅していたのですが、私の住んでいる町は、北国で、
冬は雪が降りますので、冬は自転車通学が禁止になっていました。
しかし、急いでいる時なんかは学校への途中まで自転車で行き、スーパーなどの駐車場の空きスペースなどに停めてそこから何気ない顔で歩いて通学したものです。
ところがその日は友達も含め珍しくみんな歩きの日でした。
家までは普通に歩いて約30分ほどですが、15分くらい歩いていると、前にロングコートを着て、黒髪ショートカットで、厚底のブーツを履いた田舎では珍しく都会的なパッと見、モデルさんのようなシルエットの女性が歩いていました。
私たちは
友人A「あの人誰?」
私「知らん」
友人B「なんか後ろ姿奇麗そうじゃない?」
友人C「どこに住んでるんだろう?」
など、当時思春期真っただ中の私たちは、その女性に興味を持ち、しばらくある程度の距離を置いて付いていきました。
今思えば完全なストーカーですね(笑)
しかし、その女性は振り返ることもなく、真っ直ぐ帰路をスタスタと歩いていき、やがてその女性の家にたどり着きました。
その家とは私たちがイメージしていたその女性の家とは思えないぐらい、古びた一軒家で玄関の手前にブロック積みの門が左右にあり、その門の右側にチャイムがありました。
しかし、その家は私たちの知っている限り、しばらく人が住んでいないはずでしたので不思議に思いました。更に雪が積もりっぱなしで、除雪した形跡がなく、私たちは顔を見合わせ
友人A「最近引っ越してきたのかな~?」
等と言いながら、女性が家に入っていくのを遠目で見ながら、私たちは不思議に思い、その日はそれぞれ帰りました。
そして、また数日後、前回と全く同じ服装、シルエットをした女性を見つけた私たちは、また尾行を始め、家の中に入っていくまで見届けました。
しかしその日は、女性が入っていった家に
友人B「ピンポンダッシュしようぜ!」
という、今思えば懐かしく、そして定番であった意見に何故かみんなノリで賛成し、門の右側のチャイムを押すことになりました。
女性がいつも通り帰宅したことを確認した私たちは、誰がピンポンするかをじゃんけんで決めたところ、友人Aに決まりました。
しばらくしても家に明かりがつかないので皆不思議に思いましたが、友人Aはピンポンを押しました。
チャイム「ピンポーン」
外側にもわずかですが聞こえてくるチャイムの音は、間違いなくその家の中に響き渡っています。
しかし、何の反応もない為もう一度チャイムを押しました。
「ピンポーン」
…それでも何の反応もなかった為、友人Aは何回も連続で悪ノリして押し続けました。
「ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン…」
…しかし何の反応もなかった為、友人Aは玄関のドアの前まで行きました。
私「おいっ!さすがに勝手に玄関開けるのはまずいって!」
友人A「大丈夫だ、さすがに玄関は開けないから」
すると、そのドアには、誰か家にお客さんが来た際に、家の人が誰が来たのかを確認できるのぞき穴のようなものがついていました。友人Aはそののぞき穴を逆から覗いていました。
私「どうだった?」
すると
友人A「何も見えなかったよ。てか、元々逆から見たって見える訳ないもんな(笑)でも、真っ暗なんだけど、赤い点があった!」
私「赤い点?なんだろう?」
友人B「何かの見間違えじゃね?」
友人A「いや、確かにあったよ!赤い点が。いや、少し光っていた感じもするな~」
などと言い、なんの進展もなく、反応もないつまらなさに、私たちは帰りました。
次の日、その女性の入っていった家の近所に住んでいる友達に聞いてみました。
私「あそこの家、誰か住んでる?」
すると近所の友人は
友人D「しばらく誰も住んでねーよ。昔若い夫婦が住んでで、ある日奥さんが旦那さんに殺されたらしいよ。しかも、目を串で刺されまくってかなり残酷だったらしいし、もう20年以上前だってさ。ばあちゃんが言ってた。
そうそう、殺された奥さんはメチャメチャ美人だったそうだよ!」
それを聞いて、私たちはゾッとしました。
なぜなら、その殺された奥さんの幽霊を見てたのかもしれないからです。
そんな中、友人Aは顔が真っ青になってたので
私「顔色悪いけど、どうした?」
と聞くと
友人A「も、もしかしたら、昨日見た赤い点はその女の人の目だったのかも…。おれが覗いた時、きっとその女の人も同時に覗いていたんだ!」
…
その瞬間、私も含めみんなその場で固まり背筋にゾワッとしたものを感じたとともに、もう2度とその事を話題にすることはなくなりました。
それ以来、その女性を何故かたびたび見ましたが、何か関わったらいけないような気がして、付いていくことはしなくなり、そのうち目で追うことも意識的に避けるようになりました。
もう20年以上たちますが、今も誰かに見えているのでしょうか?
月日が経っても、当時の事を思い出すと、鳥肌が立ちます。
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