自分と向き合う時
どんな仕事も挫折する。
仕事にやりがいも、こだわりもなく成長している実感がない。仮に成長していると言われても嬉しさはない。
ただ、自分が成長して嬉しかったこともある。
それは仕事ではない。
高校の頃の部活動
趣味のテニス
そして歌うこと
社会人になってから、仕事をするうちに歌の練習をすることが少なくなり、自分は歌手になれる人間ではないと言い聞かせることで踏ん切りをつけようとしていた。
「歌手なんて20代で目が出なきゃ意味ない」
「自分の歌が他人に聞いてもらえるわけない」
「そもそもその程度で練習しないんだからその程度の気持ちしかない」
そうやって決めつけて、自分は仕事に向き合うべきだと言い聞かせてきた。
でも、どんな仕事をしていても喜びが感じられない。
自分の仕事に主体性や気持ちがないから、いつも他人の顔色ばかり窺ってその場をやり過ごす。
考えてみれば夢から逃げて、自分を諦めた人に仕事のこだわりなんて見出せるはずがない。
「世界に通用する歌手になる」
大学のころ、こんな夢を掲げて毎日ボイトレをした。
家でできない時は、未明、深夜に海でやった。
あの頃の自分は、世間知らずで何の知識もなかったけど、今の自分よりもずっと輝いていた。
今の自分はただ死を待つだけで、何をしても中途半端で生きていても喜びがない。
ただ食って寝るだけの1日。
これで良いのか?
歌いたくない日はもちろんある。
歌が必要ない日もある。
そんな時
「自分はやっぱり歌手になれない」
そう思う。
だけど、自分が苦しい時、生きてる実感が湧かない時にいつも歌に励まされている自分がいる。
そして心の底から歌いたくなる時がある。
何故?
もはや歌が好きとか嫌いとか、そう言う次元ではないのかもしれない。
歌は自分の一部なのか。
苦しい時に力になってくれていたのか。
生きる力を与えてくれていたのか。
だったら、歌うことに向き合うことは自分と向き合うことそのものなんじゃないか。
自分を支えてきてくれたものに対して、真剣に向き合うことでしか、生きる喜びは取り戻せないんじゃないか。
プロになれるどうかじゃない。
一生かけて歌と向き合う覚悟。
それが自分を生きることに繋がる。
少しずつでも良い。
自分を生きるために、歌の時間を作ろう。
今日から自分と向き合おう。