脳卒中の作業療法 “バランス”
バランス機能が悪いとはどういうことか。
運動学的に言い換えると“姿勢コントロール”が悪いということである。
麻痺によって、感覚機能や知覚機能が障害されることにより、運動をするための情報が少なくなることで、適切な出力ができなくなってしまう。
適切な感覚フィードバックが得られないことで、運動企画するためのフィードフォワードが難しくなるということである。
また、脳卒中により、コアスタビリティが阻害される。
コアスタビリティとは下部体幹の安定性のことである。
それにより、バランス機能が阻害され、上肢は過緊張になったり、代償運動が出たりして、操作性が低下してしまう。
具体的な筋は「多裂筋」「腹横筋」「腹斜筋」である。
これらが安定することで、上肢は活動的に用いることが可能になるため、まずコアスタビリティの獲得を目指したい。