職場でお土産が渡せない人に読んでほしい。渡し方について悩んだ話。
こんにちは。
この記事は、数多の仕事場でお土産や差し入れをしてきた僕が、差し入れをしたときのやりとりについて、本気で悩んでいたときのことを書いています。
「職場にお土産を買ってきたんだけど、いつ渡そう…。」「このお土産、本当に喜んでもらえるのかな…」など考えたことがある人には、楽しく読んでいただけるかもしれません。
人とのコミュニケーションを深めるために、差し入れという方法と戦った男性の記録です。
いつ差し入れを渡すのがベストなのか?
本当に悩んでいることなんですが、差し入れって一体いつ渡すのがベストなんでしょうか?
私は、常に同じところに出勤しているわけではなく、案件単位で出向く場所が違いますし、働くスタッフさんも、毎回違います。
しかも、私の仕事が、企画から参加するわけではなく、完成間近の段階で呼ばれて参加することが多いため、チームとして出来上がっている中に参加するのです。
もう気持ちは、転校初日の転校生・・・。
そういうこともあり、何か差し入れることで、なんとか輪に入っていけないかと考え、バッグの中に差し入れを忍び込ませて仕事場に向かったことがありました。
しかし、渡すタイミングがみつからない・・・。
あれだけ、「これはどうだろう」とか、「喜んでくれるかな」と思いながら準備をして持っていくものの、切り出すタイミングが見つからないのです。
帰り際に渡す
結局、私は帰り際になって「あ、そうそう忘れてたんですけど」などど小芝居をうちつつ、窓口になっているスタッフさんに忍ばせていたものを、スッと差し出したのです。さりげなく。さりげなくね。
「立つ鳥跡を濁さず」なんて言葉がありますが、心の中はめちゃめちゃ往生際が悪い。それを見せないように、あくまで「今、思い出しました」という小芝居をうつ。そうして、部屋から出た瞬間、逃げるように仕事場を後にしたのが、一番はじめの差し入れ体験です。
「一番最後帰り際に渡す」これはこれで良い面もありました。
すごいネガティブな発想なんですが、渡した差し入れが「好評」かどうか知らずに帰れることです。(どんなけ臆病なん?)たとえどんなに不人気でもそれを目の当たりにしなくていいのは、心が軽くなりました。故に「差し入れをした」という事実だけで、僕は大いに満たされていたのです。
しかし、その話を先輩にしたところ「渡した差し入れがちゃんと配られている保証はないぞ」と言われました。
たしかに・・・。
僕も、サラリーマン時代に上司から、お土産を渡されてチームメンバーに渡してほしいとお願いされたことがありました。しかし、僕も業務に忙しくて、後でやろうと思い、ずっと配らないでおいた経験がありました。しびれをきらした上司は、僕に「今、配って」と催促がきました。
そうか・・・。
僕がしていることは、あのときの上司と同じことをしているのかもしれない。そのスタッフさんを責めるつもりはないのですが、気を配っているはずの差し入れなのに、気をつかわせてしまっているのかもしれない。
それから、僕は、特別な事情がない限り、帰り際に渡すのをやめました。
一番最初に渡す
一番最初に渡すというのは、勇気がいります。
仕事の話になってからだと、切り出すタイミングを失ってしまうので、できるだけ、挨拶からアイスブレイク(場を和ませるための会話)の最中に渡さなければなりません。
ここで、悩みます。
なんて言って、渡せばいいんだろう・・?
そう考えると「旅行に行ってきたので」というのは、本当に便利な言葉だなと感じました。
「これよかったら、皆さんで」と、伝えて差し入れを渡してみました。すると、
「え!どうしたんですか?」
と、言われました。
いやいや、どうしたもこうしたも、買ってきたんだよ!!!と大きな声でツッコミそうになりました。
後にわかることなのですが、様々なところに差し入れをしてきたのですが、この「どうしたんですか?」というセリフは、いろいろな人が言います(笑)
つまり、人は、差し入れの中身に興味があるのではなく、「その動機」に興味があると思いました。
その人からみたら「袖の下」っぽくみえたのでしょうか?ないしは「ねぎらいで」と言ってほしかったのでしょうか?
好意のある相手に「ねぇ、わたしのこと好きなの?」と言われているような気分。「本当の気持ちなんて恥ずかしく言えないよ」なんてウブな気持ちがはち切れそうでした。ですが、逆の立場だったら、文脈のない贈り物は、奇妙に見えてしかたないですよね。
「普段、お世話になっていますし・・・」なんとか言葉を絞り出しましたが、当たり障りない言葉。なんとかその場をやりすごし、仕事の話になっていきました。
どんな形であれ渡すことができたと、胸をなでおろしていたのですが、ここで新たな問題が生まれました。
なんと、結局僕が帰るまで、その差し入れは、封を解かれることはなかったのです。(かなしい)
結局、一番初めに渡したのですが、その差し入れが、好評かどうかわからない結果で終わりました。むしろ「帰り際に渡す」ときより、明らかな無関心という感じで終わり、もやもやした気持ちでその日は帰りました。
自分で展開をする
それ以降、僕は差し入れを持って行っても、シンデレラがガラスの靴を落としていくように、去り際にひっそり渡すようになりました。
しかし、当初の目的である、「差し入れ」を介してコミュニケーションをするというのは、ちっとも達成されません。
身近な人に、差し入れについて悩んでいる話をするのですが、考えすぎなんじゃない?と一蹴されてしまいました。
そうじゃない。差し入れを渡す最適解を見つけたいんだ。
そんなことを考えていたら、ある人のことを思い出しました。
「ちゃんと差し入れが配られている保証はないぞ」と言ってくれた先輩。改めて訪ねることにしました。
「先輩は、どうやって差し入れ渡してますか?」
そういうと、先輩は、たこせんべいを渡してくれました。
先輩は言います。
差し入れとは「自己紹介のきっかけ」みたいなものだ。と
話を聞いていくと、先輩は、江ノ島出身で、たこせんべいを持っていくと、だいたい自分の出身地の話ができるそうで、はじめましての仕事場には持っていくと言いました。
自分のエピソードを交えながら、相手の出身地やエピソードも聞けることができると言います。
問題は、どうやって渡しているのか。その方法に、僕は衝撃を受けます。
なんと、誰かに渡すわけでもなく、自分で空いているスペースに、差し入れを展開するというのです。そして、紙に「○○(自分の名前)さんからの差し入れです」と書き、貼っておくそうです。
そうして、周りに差し入れしたことを告げ、帰り際に残っていたら、ひとつずつ手にとって、まわって渡していくそうです。
うーん、強い(笑)
しかし、私のやりたい目的は、達成できそうな気がする。次の差し入れするときに自分で展開をしてみようと決意しました。
動機の準備
差し入れを自分で展開する。
いままでの経験から、かなり勇気のいる行動なのですが、もうひとつ気になることがあります。
動機です。
「どうしたんですか?」の、返答を用意しなくてはなりません。
もちろん「自分の出身地の銘菓で」とか、とても話しやすいと思いますが、私は別に観光大使でもないし、何より銘菓を仕入れるのが難しい。
東京駅の「ご当地プラザ」に行けば、手に入るけど、それってなんかズルしている気がして、心が落ち着かない。
どうしようかと思いながら、近所で買ったクッキーを食べていました。
しかし、このクッキーが転機になります。
このクッキー、めちゃめちゃ美味しかったのです。
身体は高揚し、手が震え、呼吸が浅くなり、誰かに食べてほしいという気持ちが湧いてきました。
この気持ち、動機にいけるんじゃないか・・・?
それから僕は「どうしたんですか?」の質問に対して「これ、めちゃ美味しかったんで、食べてみてもらっていいですか?」と返すようになりました。
その一言により、もともと、封が開かなかった差し入れも、開くようになり、「美味しい」と一言もらうだけで、差し入れてよかったと、心が満たされるようになりました。
さいごに
差し入れに関して、ずっと考えていたことをまとめることができました。
しかし、一番ベストな方法は、
相手に差し入れてほしいものを聞いて、それを差し入れるのがベストです。
また、相手が「差し入れはいらない」と言っているのならば、無理に差し入れをしない方がいいです。
だけど、本当に差し入れてほしいものって、案外、相手もわからないものだと思います。
そこを、相手のことを想像して、きっとこういうものが受け入れられるんじゃないかな、と思うものを差し入れること。そして、相手に負担をかけないように、自分の動機も少し織り交ぜることで、気の利いた差し入れになるのではないかと思っています。
まだまだアップデートしていきたい、差し入れの話でした。
おしまい
おまけ
■『和菓子 楚々』
個包装されていて満足感たっぷり。お値段もリーズナブル。
■『シヅカ洋菓子店』
シヅカ洋菓子店のクッキーは、やさしい味がしてめちゃ美味しいです。
■『青柳ういろう』
名古屋銘菓。ういろうは、やっぱ青柳だがね。
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