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香川真司は、なぜ子どもが好きなのか? ーー友の証言で振り返る。【「心が震えるか、否か。」発売記念☆毎日更新!5日目】
香川選手はどうして、子どもたちのために時間や労力を割くのをいとわないのでしょうか?
コロナ禍をのぞき、オフシーズンには必ずといって良いほど、子どもたちとふれ合あうイベントを開催しています。
最終的にはその想いの強さは「心が震えるか、否か。」のテーマともつながっていくわけですが、香川選手が子どもたちを喜ばせようと行動する理由について、ヒントとなるような証言してくれた友人がいます。
香川選手の自主トレーニングの際にパートナーを務めることの多い岸正寿さんです。児童学の博士号を持っている岸さんの分析は、鋭いものでした。
香川選手と岸さんが今のような関係になるきっかけは、実は東日本大震災の起こった2011年の3月11日のことでした。その後、2人はマンチェスターでともに時間を過ごすなど、親密な関係にあります。
香川選手は、被災した地域の子どもたちへの支援活動も行なっていますが、岸さんはあの日の香川選手の気づかいについても教えてくれました。
第2回に続いて、今回も香川選手のことをよく知る人の語る香川選手についてのお話をお楽しみください。
*香川選手のサラゴザ入団時の2ショット
岸正寿さん (友人・トレーニングパートナー):
2017年の2月、真司から誘ってもらって、僕は初めてドルトムントを訪れました。
ジグナル・イドゥナ・パークの迫力に圧倒されましたし、そこで大声援を浴びてプレーする姿を見て、改めてすごいなぁと感動しました。
今では香川選手のことを「真司」と呼ばせてもらっていますが、僕らは不思議な縁でつながっています。
きっかけは、森本貴幸選手です。僕は小学校のころから知り合った森本選手とはずっと仲良くしてもらっていました。だから、2人が北京オリンピックを目指す代表チームで一緒に戦っていた時に、他の友人らもまじえて、会う機会がありました。「真司は間違いなく日本を代表する選手になる」と森本選手から紹介されたのはよく覚えています。
それからしばらくは真司と会うことはなかったのですが、2011年の3月11日に再会することになりました。当時の僕は大学生。真司はこの年の1月のアジアカップで怪我をしたため、日本でリハビリ中でした。その日は神奈川県内の病院へ行ったそうなのですが、そのタイミングであの大地震が起きてしまって。
公共交通機関はマヒしていて、タクシーも拾えない。真司にも大阪や仙台の街には知り合いや友人もたくさんいたそうですが、神奈川には多くいなかった。だから当時はイタリアに住んでいた森本選手に連絡してみたいで、そこから僕のもとに電話がきて、「真司を迎えに行ってほしい」と。
僕は実家に住んでいたのですが、車で迎えに行き、その日はうちの実家に泊まってもらうことになりました。
震災で被害を受けた街や津波の映像がテレビで流れているわけですが、それを見たときの真司の表情は……。
東北の被害を受けた地域は中学生や高校生のときに行ったことあるところも多かったはずですからね。険しい顔だけど、怒っているのとも違う。心を痛めているときに人はこういう表情を浮かべるのだなと感じられるような鬼気迫るものでした。後にも先にも、あんな様子の真司はみたことがありません。
ただ、そんな状況でも真司は「子どもたちは大丈夫ですか?」と子どもたちの様子のことを心配してくれていました。
というのも、うちの実家は280人の子どもが通う幼稚園を運営していたからなのです。幼稚園で預からせて頂いている子どもたちのことまで心配してくれている姿は印象的でした。
あれだけ有名なサッカー選手が、仲の良い選手の友達の実家の幼稚園に通う子どもたちのことまで心配してくれたことに、驚きとともに、子どもたちの未来を本気で思う心にこちらが学ぶ思いでした。
それが縁で、それ以降も頻繁に連絡をとるようになりました。
翌年、僕がイギリスに留学を考えていることを伝えたら、「それならマンチェスターに来るべきだよ」と勧められたこともあり(もちろん学業のことを第一に考えましたが)、マンチェスターの学校を選びました。当時は真司がユナイテッドで活躍していた時期で、ホームゲームの試合を最高の席でオールドトラッフォードのスタンドから見させてもらいました。一生忘れることができない最高の思い出です。
しばらくして僕は帰国したわけですが、2016年頃から、真司が自主トレをする際にトレーニングパートナーとしてお手伝いをさせてもらうようになりました。
僕も真司と同い年で、今年で33歳になるのですが、大学のサッカー部の監督をやらせて頂きながら、自身もソサイチ(7人制サッカー)の関東1部リーグでプレーさせて頂いています。
真司が現役でいる間は、生涯トレーニングパートナーを務められるように体を鍛え続けます!(笑)
真司って、子どものことが大好きじゃないですか?
日本でのサッカー教室やイベントでも、子どもたちの目線に自分の目線の高さを合わせてあげて、彼らの心をつかんでいます。
僕は大学院の博士後期課程で幼児教育学を専門に研究して、博士号(児童学)を取得させていただいたこともあり、子どもが好きな理由について気になって、聞いたことがあるんです。
「子どもが好きな人や面倒見の良い人はたくさんいるけど、真司みたいに子どもと心から打ち解けられる人はあまり見たことがないよ。どうしてそんなに子どもを思って温かく接することができるの?」
そうしたら、こんな答えが返ってきました。
「子どもたちって、すごく純粋じゃん? オレのことを『香川真司だ!』みたいな目で見ることがない。単にサッカーのうまいお兄ちゃんみたいなノリで楽しそうに近づいてきてくれて、嬉しいんだよね。その反応を見ているのも楽しいし。少しでも多くの子ども達の夢をサポートしたいという気持ちがあるんだ」
あの言葉を聞いて、日本代表やビッククラブで戦う期待やプレッシャー、それに伴う苦労や大変な思いがあったのかなと感じました。
そういったものを抜きにして一人の人間同士としての関わりが持てる子どもたちとの時間は、真司にとって貴重な時間なのかもしれません。
同時に、子どもたちのために一人ひとり丁寧にサインをしてあげたり、日本での本当に限られた時間でのオフをやりくりしてサッカー教室などを開催してきた理由も、そしてピュアな心を持つ子どもたちが真司にすぐに心を開く理由も、なんとなくわかった気がしました。
*自主トレの打ち上げの食事会での一コマ。恒例のマグロを手に。
今回は貴重な岸さんの証言をお伝えしました。また次回もお楽しみに☆
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紀伊国屋書店 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784344037229
タワーレコード PayPayモール店https://paypaymall.yahoo.co.jp/store/tower/item/5174179/
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*タイトル写真はUDN SPORTS提供
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