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みずみずしいカボション

昨年の後半にセルペンティ75周年を記念するイベントがあったブルガリは、ブランドとしては140年の歴史がある。

その140年記念のイベントは、意外にもひっそりと銀座の店舗ビルでおこなわれている。登録していたLINEのアカウントに宣伝が届いて知ることとなった次第。

通知画面

この通知画面にあるように、イベントは20日までと短い。わたしはその20日まで日本を離れるので、いま行っておかないと見逃してしまう。そういうわけで仕事帰りに銀座のブルガリに足をはこんだ。

このイベントのテーマは「ETERNALLY REBORN 永遠なるローマの美」。8つのローマの美に沿ってヘリテージピースが紹介されるというものだ。

8つのテーマの由来として、ローマの本社には八芒星がデザインされていることが書かれていた。わたしはブルガリのローマ本社がどうなっているのか見たことがないのでわからない。旗章学徒としてはローマならではの由来があってのデザインに違いないという気がしている。

ギリシャにルーツを持つ創業者ソティリオ・ブルガリ氏がローマで創業したのは1884年。ルーツのギリシャとローマに共通するのは古代遺跡だ。展示はその古代遺跡を彷彿させるコインを使ったアイテムからはじまる。

わたしが関心あるのはもちろんカラーストーン。展示されていたものはブルガリらしい肉厚な地金とカラフルな宝石を取り合わせた大胆なデザインが多い。

ルベライト(赤いトルマリン)の存在感!

あらためて気づいたのは、カボションが多いことだ。

カボションは丸く研磨したもの。スターやキャッツアイなどの光学効果のあるものか、透明度の低いものが通常カボションにされる。それはファセット面を作っても内部反射がないかとても小さいので美しく輝かないのが理由。

ところがブルガリの製品には透明度の高い石がわざわざカボションにされたものが多い。キラキラした輝きはなくとも、まるで色のついた雫のようにみずみずしく、独特の存在感を放っている。

下賤な視点かもしれないが、ファセットカットすればそれなりに高額で取引されるであろう宝石をカボションにする時点でかなり贅沢な使い方だ。ここではいくつか写真を載せておく。

ブルーの石はサファイアか
個性的なブローチたち。花瓶に相当する石がカボション。
ポスターにもなっていたネックレス
裏面の写真もあったのが興味深い。デザイン画には表の様子しかなかったけれど、この裏面は制作の現場でできたものなのだろうか。
日本的なモチーフも面白い。グリーンのは一見トラピッチェエメラルドかと思ったけれどエナメルとのこと。

さて、急ぎ足で写真だけを載せたのは理由があって、それはいまこのnoteを羽田空港の搭乗ゲート前で書いているから。もう搭乗時刻が迫っていてあまり悠長には書いていられない。

冒頭に書いたように、20日まで帰国しないうえに、渡航先からはネット接続ができる保証がない。そういうわけで、このnoteを見たかたがブルガリに足を運んでくれればと願いつつ公開しようというわけ。

羽田空港第3ターミナルのブルガリ免税店

いつになく手短な内容だけど、興味のある読者さんに届いてくれると嬉しい。

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