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事業会社のエンジニア採用担当になり3ヶ月間で取り組んだこと

ちょうど年末ということと事業会社の採用担当になり約3ヶ月が経ったので、振り返っていきます。(5000字超えてしまった・・)

簡単なプロフィール
・1社目:株式会社ワークポートにてソフトウェア・ハードウェアエンジニアのキャリアアドバイザー
・2社目:株式会社ポテンシャライトにて外部人事としてスタートアップ企業向けの採用支援
・3社目:株式会社ワンキャリアにて開発部門付きのエンジニア採用担当←今ココ

これまでエージェント→RPO→事業会社人事と立場を変えつつエンジニア採用に関わってきました。
直近の事業会社の採用担当になって、「何を考え、何を行ったのか」を書いていこうと思います。

あくまでも備忘録的な位置付けで書いておりますので、殴り書きですがご了承くださいませ。

このnoteに書いていないこと
・エージェントやRPOと事業会社の仕事の違い
・採用にまつわる自社の具体的な数値など

あわよくば、これから事業会社に採用担当として入社予定の方や、転職を考えている方の参考になれば嬉しいなと思いつつ書いています。

※あくまでも個人のnoteとして執筆しています。


前提

そもそもどんな状況・背景で入社したかを説明します。
僕が入社した株式会社ワンキャリアは従業員数105名(2022年9月時点)の会社です。
※開示できる情報に制限があり9月時点の情報になります。

「エンジニア採用担当」のポジションでジョインしました。
約3年ほど前に一人目のエンジニア(CTO)が入社し、そこから徐々に正社員のエンジニアメンバーを増やしている状況で、さらに採用のアクセルを踏む必要があるということでご縁がありました。

エンジニア採用専任の採用担当は僕が一人目のジョインでした。
開発組織に所属をしているためHRBPに近い動き方となります。

僕が入社するまで中途エンジニア採用はほぼ現場メンバーだけで回しているような状況だったため、採用目線でいくとほぼ何もない状態からのエンジニア採用を進めるような感じでした。
0ではないものの、0.5→1フェーズから進めていくようなイメージです。

入社から今まで(3ヶ月)の全体像

行ってきたことをざっくり書いていくとこんな感じです↓

当たり前ですがまずは「(A)現状把握・キャッチアップ」から始まります。

そして、「(B)課題特定・注力ポイントの設定」と「(C)下準備」を並行して進め、最低限の準備とやるべきことを明確にしました。

あとは突き進むのみですが、前述した通り未整備な部分も多いためルーズボールを拾いながらやるべきことを推進していくフェーズが今です。「(D)都度不足しているところを整備しながら施策実行」。

それぞれについて具体的に振り返っていきます。

(A)現状把握・キャッチアップ

最初に行ったのは、当たり前ですが採用の現状把握と社内情報のキャッチアップです。大きくは下記3点です。

  • 社内情報のキャッチアップ

  • あらゆるミーティングへの参加

  • ダッシュボード作成(歩留まり数値)

社内情報のキャッチアップというは、採用以外の情報も含めたインプットを指します。まずは慣れていくところからスタートです。
ドキュメントがどこでどう管理されているのか、オフラインコミュニケーションの作法、メンバー理解などなど。いわゆるオンボーディングの範疇です。

また、一緒に採用を進めるエンジニアリングマネージャーに頼み、とにかく社内のあらゆるミーティングに同席させてもらいました。
エンジニア勉強会、プロダクトの企画ミーティングなど、採用に直結しないものにもとにかく参加しました。
単純に、どこでだれがどんなコミュニケーションを取っているのかを知りたかったのもありますが、
・採用以前に事業を理解したい
・魅力訴求につながる材料を集めたい
という目的のもと、情報のキャッチアップを進めました。

あとは、ダッシュボードの作成です。
ATSは導入しているものの、チャネルによってフローが異なるため正しい歩留まり数値を取ることができていませんでした。
そこでスプレットシートでダッシュボードを作成し、まずは可視化するところから始めました。


定量的な部分もそうですが、この時は特に定性的な情報(メンバー同士の関係性や仕事の仕方、社内の雰囲気など)を意識的にキャッチアップしようと努めていました。

(B)課題特定・注力ポイントの設定

最低限現状把握ができてきたタイミングで、採用における課題の特定と着手すべきテーマ(注力ポイント)の設定を行いました。

結構大変だと感じたのが、とにかくやるべきことは山ほどある中で優先度をつけていくことでした。
前述した通り、エンジニア採用の体制は立ち上がったばかりだったため、当たり前にやるべきことはたくさんあります。
そのため、やるべきことを決めると同時に「やらないことを決める」必要がありました。

※一部グレーアウトしています

とはいえ、歩留まり数値も正確なものが無い上、面接以降の進捗の絶対数も少なかったため、各ファネルの性質を踏まえ「自社でコントロールできること」「採用へのインパクトが大きいこと」の観点で注力ポイントを設定しました。

また、施策を検討する際に課題と施策がずれないように、改めてファネルごとに対応する施策を可視化しました。

この図をベースに考えていければ、「なぜやるのか」「何をやるのか」を見失うことなく進めていくことができます。
※もちろん上記図以外にも施策はあると思います。

(C)下準備

(B)と同時に下準備を進めました。
ここでいう下準備とは「採用ブランディング戦略設計」です。
つまり、「誰に」「何を」「どう」伝えるのかを設計しました。

採用活動を行う上で、根幹の要素になると思っているので、ある程度時間をかけて進めました。

この時に個人的にチャレンジとなったのは、コンセプト設計(市場からどう見られたいか)を行ったことです。「誰に」と「何を」の部分ですね。
「こう見られたい」という抽象なところから、伝えられる状態まで言語化するという一連の流れは初めての経験となりました。

この時社内で出てきたのは、「エンジニアにとってイケてる会社」や「テックカンパニー」というブランド形成をしていきたいという内容でした。
これをどう落とし込むか考えいきました。

下記のフレームワークで考えていきました。

顧客提供価値 :事業を通してユーザーに提供している価値
従業員提供価値:働くエンジニアが得られる価値・経験
候補者の声  :ターゲット候補者が会社に求めるもの

この3点が重なる要素が、ブラントを作る上で強いメッセージになると考えました。
「従業員提供価値」×「候補者の声」の組み合わせはよくあるパターンかと思います。これは最低限カバーしたいところ。

一方で、「顧客提供価値」も重ねられる会社はそう多くないかと思いますし、魅力付けをする上で強い裏付けになると考えました。

例えば、家庭持ちの方にとって働きやすい会社(「従業員提供価値」×「候補者の声」)という打ち出しをしている企業があった場合、その企業がもし保育事業者向けのSaaSを展開している企業(顧客提供価値)だとしたら、それが強い裏付けとなり一つのブランドになりえると思っています。
もちろんそれがターゲットとしている候補者に刺さるかどうかも重要な観点です。

そんなこんなで行き着いたのがこんな感じです。

前述した3点が重なるのが「キャリア(技術)に投資する会社」という部分であり、どう見られたいかにあたります。

ワンキャリアの「顧客提供価値」としては、ブラックボックス化しているキャリアにまつわるデータをオープンにすることでキャリア選択を自由にしています。
加えて、「従業員提供価値」と「候補者の声」が合致するのが上記図のA,B,C,Dです。

「従業員提供価値」に関しては、入社初月にエンジニアメンバー全員に対してヒアリングを行い、どんな考えで転職活動をしてワンキャリアに対して何を魅力に感じて入社をしたのかデータを集めました。

「候補者の声」(ターゲット候補者のニーズ)に関しても洗い出して設定していますが割愛します。

また、本来であれば「採用競合」の観点も含める必要があります。なぜなら、いくら自社で魅力だと言っても採用競合と重複していれば候補者には魅力に映らないからです。
ですが、現フェーズでは面接以降に進んだ絶対数が少なくデータが不足しているため、一旦は「採用競合」の観点は度外視して設定しました。今後さらに洗練させていく予定です。

余談①・・・
この機会に「採用マーケティング」についても色々考えたので書いていきます。社内で唯我さんや寺口さんにも壁打ちしていただきまとまってきたものが下記です。

先ほど「下準備」の項目で書いたのは、上記図では「グレー」の部分にあたります。もう少し引いて全体をみるとその先に「How」(図の青色の部分)の話しがあると思いますがその話しも少しできたらと思います。

How①:自社のコンテンツを蓄積していくHOMEのようなもの
How②:他社との共同イベントや勉強会など
How③:第三者によるイベントへの登壇・参加など

流れとしては、 How①にコンテンツを溜め込みそこに行けば自社の魅力が伝わる受け皿を作る。
その上で、まずは自分達で企画したイベントを開催し普段リーチできない層への認知を拡大。(認知度がない状態でHow③はハードルが高い)
そして、第三者のメディアに露出することで信頼を獲得・立ち位置を確立。という流れです。

How②③が多くても、How①がスカスカではただ認知されただけになり次には繋がりません。
一方で、How①だけだと限られた範囲でのみ知られている状態になり、スケールしません。

弊社の場合は、まずはHow①に注力し武器を増やすフェーズですが、来年からは徐々に外部露出も増やしていこうと思っています。

余談②・・・
候補者にどう見られたいかを設計する上で参考になった本があるので貼っておきます。「認知」と「認識」の話しです。


(D)都度不足しているところを整備しながら施策実行

ここまでの流れを経て、やるべきことが見えてきたのであとは突っ走るのみです。おおよそ着手したこと書いていきます。

スカウト

  • 運用フロー整備

  • ピックアップ・文面作成

  • 求人票刷新

これまで現場メンバーが分担して進めていたスカウトを僕が巻き取っていくため、合わせてフローを整備し直し運用を進めました。
また、スカウトを進める上で目に留まった改善点は適宜拾いながら進めました。

採用広報

  • note執筆フロー整備

  • 全記事への記事企画介入

  • 記事執筆

  • 動線整備(HRMOSからテックブログの動線や求人媒体からの動線など)

ワンキャリアにはDevRelチームが組成されており、現場エンジニアが率先してnoteを書く文化がすでにありました(ありがたすぎる)。
そのため、現場エンジニアがもっとストレスなく執筆活動を進められるようにワークフローの整備を行いました。

合わせて、全ての記事に企画段階から介入すると共に自分自身も記事を書き、「魅力」を発信できるよう体制を変えました。

リファラル採用

  • 制度設計

  • 紹介フロー構築

  • ツール導入検討

ここはまだ企画フェーズではありますが、リファラル採用を強化すべく制度設計〜紹介フロー構築を行なっています。

個人的には、これまでリファラル採用に深く入り込んだことはなかったため初めてのチャレンジが多く楽しいです。

どうしても採用は短期的な目線に寄りすぎてしまいますが、しっかりレバレッジが効く施策も行なっていきたいですね。

カジュアル面談

  • 面談同席(1次情報のキャッチアップ)

  • 面談後アンケートの作成・実施

ワンキャリアでは、現在は主にエンジニアリングマネージャーが面談に
出ているので、全て同席し現状把握・改善を行なっています。

特にピッチ資料の構成や、魅力に感じてもらうためのストーリー設計はこれから実施していきたいところです。

選考 

  • オファーレターの作成・展開

選考はまだ深く入り込めていないですが、入社して1ヶ月のタイミングで内定者が発生し、突発的にオファレターを企画・作成し展開しました。
(その方からは無事に内定承諾をいただき、現在大活躍中です🙌)

新卒エンジニア採用

  • 候補者とのやりとり

  • 媒体運用

新卒は完全に未知の領域ですが、少しずつ引き継がせていただきチャレンジ中です。

これからやりたいこと

採用だけでも領域は広くやることがかなり多いですが、企業の運営においてはほんのいち要素に過ぎないとひしひしと感じてます。

まずは、目の前のミッションに対して成果を出すことが最優先なので、2023年はとにかく成果にコミットしていきたいです。
その先は、採用計画や組織領域にもチャレンジしたいと思っており、そのためにも「事業がわかる採用担当」を目指していけたらと思っています。

そんなわけで、エンジニア大募集中ですのでご興味ある方はぜひ!


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