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フィールドワークは、 ”役割の分担” が学びを深める
こんにちは、Colorbath吉川です。
教育と途上国ソーシャルビジネスに取り組んでいます。
先日、NTTコミュニケーションズグループのNTTコムエンジ社の社員さん6名の方々と、マラウイに渡航して活動を行ってきました。
Colorbathが、「SDGsアクションプログラム」のコーディネートを行っていて、私たちが長らく活動するマラウイに実際に訪問し、現地の方々と話して、つながり、課題解決につながる事業モデルを創出することを目的としています。
▼活動の概要はこちら
いろんな学びと成果があるんですが、今回は、「フィールドワークの役割分担」について、どんなことを考えて実践しているのかを書きたいと思います。
国内外のフィールドワークを企画、運営されている方々の何かの参考になれば嬉しいです。
ちなみに!
年明けの2月、3月にはネパールへのフィールドワークも開催します。
子どもから大人まで幅広く参加いただけるので、ご興味あるかたはぜひこちら御覧ください*
帯同スタッフの役割を分割する
今回は、マラウイへの渡航はNTTコムエンジさんから6名、Colorbath側から3名という体制でした。うち1名は、現地に住んで事業を展開されている清水さんで、今回の渡航に協力帯同してもらった形です。
これまでのフィールドワークを行ってきて、以下のような大きな役割に分けられます。
1.ガイド
2.ファシリテート
3.手配コーディネート
4.統括(意思決定)
人員の制約もあると思うので、一人でこの4つの役割を行うこともあると思いますし、不可能ではありません。
ただ複数人いる際には分担したほうがエネルギーの効率が高まり、スムーズになり、また学びも深めていけると思います。
ガイド:
現地の滞在歴が長く、現地のことを紹介するのが好きな人が担うのが適切。お店の情報や物価、交通事情など、ガイドの方がいると、情報の解像度も高まり、助かります。現地の方でもいいかもしれません。
ファシリテート:
この役割は、「現地情報をガイドする」のではなく、「参加者との対話の中から学びを深めていく/活動を前進させていく」そういう役割で、リーダーシップの発揮が求められます。
ガイドのように、「相手が何を求めているか」をただ「聞いてサービスする、対応する」のではなく、対話を通して”人を導いていく”ことが大切です。
そのためには、目的やゴールの把握、時間の制限の把握、参加者の個性や思いの把握、これらが求められます。
一方で、現地のことを知らなくても、別でガイド担当の人がいれば、ファシリーテーション役は務めることができます。
手配コーディネート:
これは、ガイド、もしくはファシリテート役が兼務することがスムーズの場合が多いです。レストランの予約(そもそもお店は空いているかとか)、移動手段の手配、訪問先へのリマインド等々、現地での貴重な時間を無駄にしないよう、関係各所に連絡を丁寧にいれる役割です。値段の確認や相談も重要な役割です。
ガイドやファシリテートと連携して、手配コーディネートがスムーズにいけば、ストレスの少ない楽しい滞在になります。
統括(意思決定)
上記3つとは別の役割で、”統括”という役割の人を設定できると、問題や課題にもすぐに対処できることに加えて、ガイドやファシリテートのサポートもできるので、安定感が増します。人数が少ないときはどうしても兼務になりますが、よりフィールドワークの学びを充実化させるなら、役割を分けたほうがベターです。
これらを事前に役割として分けておかずに、フィールドワークを実施するときのデメリットはこちらです。
経験が豊富なメンバーが、すべてを担い負担が偏る
英語が話せる、現地の経験が長い、参加者のことを知っている等、メンバーによって経験や持っている情報が異なります。そうなると、経験豊富な人に聞いたほうが安心、といった感じで、どんどんそこに質問や段取りが集中していきます。負担が偏った場合、安定して学びの深い活動をすることが難しくなります。
想定外のことが起きたときの役割分担が円滑にいかない
・手配した車が渋滞で来なくて、訪問先のミーティングに間に合わない
・急遽停電して、準備していたことができない
・ミーティングが長引き、お昼ごはんを食べる時間がない
などなど、現地では充実したスケジュールにしているときほど、イレギュラーが発生したときの迅速な対応が求められます。
事前に役割を分けておく、現地情報は手配コーディネートが集めたり、参加者とのやりとりはファシリテートが行ったり、意思決定は統括に委ねよう、となったり。スムーズなコミュニケーションのためには、役割を分けて持ち場を明確にしておくと円滑に進みます。
「こうしたほうが良い」の前提情報や視点が異なり、意思決定に時間がかかる
・せっかく来たから、ここも訪問したほうがいい!
・タイトなスケジュールだから、休憩したほうがいい!
・せっかくだから、現地のものを食べたい!
・お腹の調子が良くないから、体に優しいものを食べたい!
大人が複数いると、意見が1つにまとまることのほうが稀です。みんなで話し合って、みんなが納得するもので決定したい、と思いがちですが、それもなかなか難しいこともあります。
決め方を決めておく、ということはすごく大切で、参加者側でもリーダーを決めること、及びスタッフ側でも、意思決定者を決めておくことは、「決めにくいとき」にこそ価値を発揮します。
フィールドワークを行うときに、なんとなく「帯同する人はこの人たち」と紹介するのではなく、それぞれがどの領域を担当するのか、を決めておくことが、めちゃくちゃスムーズになるなと感じたので、以上、現場からの報告です!
その他の役割
また補足的には、以下のような役割について、参加者の人も含めて共有、決定しておくと、みんな楽しく安全に過ごせるので、自分たちでは役割を決めるようにしています。
■食事注文係
複数人で夜ご飯に行くと、個人ごとに料理を注文するのか、みんなでシェアするのか、とかを決める必要あり。シェアする場合、誰かがまとめて頼んだほうが早いしバランスが良い。センス必要。
■会計係
事前にお金をプールして、そこから会計するのがスマート。お酒を飲む量によって費用変わるので、さくっと計算して、お酒の分は追加で爽やかに徴収できるとベター。
■健康係
疲れ、腹痛など、言いにくかったり頑張れちゃうところもある。無理しないように、こまめに確認したりフォローできる看護師さん的役割がいると安心。
■移動リーダー
Googleマップで常に確認。何分かかるか。早めに段取りしておくと、みんなスムーズ。
■通訳リーダー
人によっては、訛も強く聞き取りにくい。こまめに通訳するか、テキストで同時通訳するか、その判断を行う。通訳しすぎると時間が長くなりすぎるので、いつだって完璧はなく、ベターを模索する。
■情報伝達リーダー
複数人に同じ情報、段取り、スケジュールをガイドから伝えるのは難しい。メンバーの中でも、情報を横に伝える伝達リーダーがいると、周知がしやすい。
ということで、今後の国内外のフィールドワークの参考になればと思います。
そして、そんな私たちが作り上げるネパールフィールドワークが、2月、そして3月にあります!去年も多くのお申し込みをいただいた大好評の充実内容。今回もすでにお申し込みをいただいています。
気になる方は、ぜひお気軽に個別相談にご参加ください*
3月は、「高校生用」としても企画しているので、お子さんや知り合いの方もぜひ*家族参加も歓迎ですし、年齢問わず、日程も柔軟に調整しますので、みなさんで良き時間を過ごしましょう!
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