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大学生が本を出版する話
初めまして。2024年現在、某理系単科大学に在籍している大学生、Yusuke
と申します。この記事では、2年前まで本とは無縁だった僕が、初出版した書籍でAmazonの売れ筋ランキング「海外旅行ガイド」部門で100位以内を記録した経験を基に、お話ししていきたいと思います。
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なぜ本を出版しようと考えたのか
そもそも、なぜ僕が本を出版しようと考えたのかを述べたいと思います。
理由は大きく2つあります。
1.文章化による解像度の向上
僕が初出版した書籍は、ワーキングホリデーの経験を基に執筆したものです。出国までに必要な準備や、入国後を有意義に過ごすためのノウハウを中心に、独自の意見や感想も交えて書きました。
特に、現地で「何を見て・感じて・考えたのか」を、頭の中で抽象的に捉えるだけで終わらせるのではなく、それを実際に言語化し、文章化することで、ワーキングホリデーという経験の解像度を高めたいと考えました。そうすることで、自分の経験をより深く理解し、その価値を最大化させることができると信じていたからです。
2.本には誰かに何かの"きっかけ"を創る力があると考えているため
海外経験も海外の友人もゼロだった僕が海外に興味を持つようになったきっかけのひとつは「書籍」でした。日本の社会保障制度の危機や、海外のワークライフバランスを重視した働き方についての知識は、書籍を通じて得たものです。それが海外への関心を高める大きな要因となりました。
この経験から、僕は「本には誰かに何かの“きっかけ”を創る力がある」と確信しています。今回の場合、僕にとっては「海外に興味を持つきっかけ」が書籍から与えられたものでした。その影響を受けて、自分も誰かに同じようなきっかけを提供できる本を書きたいと思うようになりました。
実際に僕の著書に寄せられているレビューを紹介します
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ありがたい事に、このような大変嬉しいレビューをいただいております。
頂いたレビューから分かるように、ワーホリを検討している方に”リアルを知るきっかけ”や”ワーホリそのものを知るきっかけ”が創れていることが分かります。
僕が考える「書籍出版」の本質
自身の経験の解像度を高め、経験を最大化するという利己的なものと、読者の人生にポジティブな”きっかけ”を創れるという利他的なものの2つを満たすことの出来るのが書籍出版であると考えています。
出版までのプロセスと出版のリアル
ここからは、具体的な出版プロセスと出版のリアルについて解説していきます。
0. 出版形式を決定する
出版形式が異なれば、出版までの全体的なプロセスが異なるため、まずは出版形式を決めましょう。
3大出版方法
電子出版(デジタル出版)
特徴:
書籍や雑誌を電子書籍として配信する方法。
Amazon KindleやKoboなどのプラットフォームでの販売が一般的。
メリット:
低コストで出版可能。印刷や在庫管理が不要。
世界中に簡単に配信できる。
出版プロセスが簡略化されており、個人でも出版しやすい。
著者自身がロイヤリティの多くを受け取れる場合が多い(例:Kindleでは最大70%)。
デメリット:
電子書籍リーダーやアプリが必要で、紙の本と比べて読者層が限られる。
市場に多くの競合がいるため、マーケティングが重要。
商業出版
特徴:
出版社が著者の原稿を採用し、書籍を制作・販売する。
出版にかかる費用は出版社が負担する。
メリット:
プロの編集やデザインが行われ、質の高い本が作られる。
出版社のネットワークを活用して全国の書店に流通。
著者が負担する費用が基本的にない。
信頼性やブランド力が高い。
デメリット:
出版社の審査が厳しく、採用される可能性が低い。
ロイヤリティは低め(印税率は通常5~10%)。
出版社が販促やマーケティングを管理するため、著者の自由度は制限される。
実費出版(自費出版)
特徴:
著者が費用を負担して本を出版する。
出版社やサービス会社を通じて印刷・流通を行う。
メリット:
著者が出版の決定権を持ち、自由に内容を作成できる。
趣味での出版や記念本、小部数のニッチな出版に適している。
自分のペースで出版可能。
デメリット:
費用が高額(印刷・編集・流通コストをすべて著者が負担)。
大量に印刷した場合、在庫管理が必要。
流通や販売は自力で行うことが多い。
売上や収益を確保するのが難しい。
僕が初めて出版した書籍は、Amazon Kindleを利用した「電子出版」でした。
上記で紹介したメリットであるように「低コスト」で「出版プロセスが簡略化」されているので学生の僕にピッタリな出版手段だと考えました。
「電子出版」は、初出版の方にとってはハードルが一番低い選択肢だと思います。
1. テーマ・コンセプトを決める
本の内容の核となるテーマやジャンルを決めます。
目的を設定: 読者に伝えたいメッセージや解決したい問題を明確にする。
アイデアを絞る: 自分の経験、専門知識、興味から、ニッチなテーマを選ぶ。
例: 「広く健康について」ではなく、「忙しい人向けの時短健康レシピ」といった具体性を持たせる。
読者を想定: ターゲット層を明確にし、その人たちが求めている情報やストーリーを意識する。
コメント:僕の場合は電子出版(デジタル出版)したので、プラットフォームの検索やカテゴリーランキングを見て、テーマ・コンセプトを決めました。
2. 内容を言語化する
考えたテーマ・コンセプトに基づいて、大まかな内容を言葉にしていきます。
ブレインストーミング: 頭に浮かんだアイデアを箇条書きにする。
例: 本の章立て、トピック、読者に与えるメッセージなど。
情報収集: テーマに関するデータや参考文献、事例を調べ、信頼性を高める。
キーポイントを整理: 「この本を読んだ後、読者は何を得られるか?」という視点で主要なポイントを明確にする。
コメント:いきなり本格的に文章を書いていくのは難しいです。まずは、単語レベルで自分の考えを好きなだけ書き出していきましょう。また、自分の認識が間違っていないかを適宜チェックしてくのも本を書く上で大切です。
3. 内容を構成する
先ほど考えた単語レベルのパズルのピースを組み立てていきます。
執筆したい内容を章やセクションに分け、論理的な流れを作る。
読者が読みやすいようにイントロダクション、メインの部分、そして結論を明確にする。
それぞれの章の目的とテーマを明確にし、順序立てる。
コメント:出版方法によってフォーマットはある程度決まっていますので、そちらに合わせてパズルを組み立てていきます。また、書籍の種類によって内容を構成する形式(はじめに,第一章…)は決まっています。類似書籍の構成を参考にしながら進めるとやり易いです。
4. 執筆の進行
内容を構成したら、肉付けを行なっていきます。
具体的な文章を詳細に書き込む。
書きたいテーマについて、自分の経験やリサーチした情報を活かして執筆を進める。定期的に執筆のペースを決めて進行管理をする。
コメント:この時、自分の言葉で自分の書きたいことを好きなだけ書いていくことをお勧めします。
5. 文章を他者に分かりやすい言葉にする
自分の書いた文章を、ターゲット読者が理解しやすい形に整えます。
シンプルな言葉を使う: 難しい表現を避け、誰にでも伝わる言葉で書く。
例: 「専門用語を使う場合は、その意味を丁寧に説明する」。
ストーリーテリングの活用: 実体験や読者が共感しやすい例を交え、親近感を持たせる。
読者の視点で確認する: 「この部分はわかりにくいかも?」という箇所を意識して推敲する。
他者に読んでもらい、フィードバックをもらうのも有効。
コメント:どれほど素晴らしい経験談やノウハウであっても、他者が理解しなければ意味を成しません。上記3点を意識して進めましょう。
6. 編集と推敲
無駄な表現や重複部分を削除し、簡潔かつわかりやすい言葉に修正する。他人の視点からのフィードバックを得るために、友人やプロの編集者に読んでもらう。
コメント:電子出版の方は特に注意しておきたいポイントです。第三者視点での意見を積極的に求めましょう。
7. マーケティングと販売
ソーシャルメディアやブログ、動画プラットフォームを活用して、本のプロモーションを行う。
書店やオンライン書店での販売戦略を練る。
コメント:今はインスタグラムやTwitter(X)などを使えば、個人でマーケティングができる時代です。売れるということは、その分多くの読者に意見を共有できているわけですから、やれるだけやってみるのをオススメします。
8. フィードバックの収集と改善
読者の感想やレビューを参考に、次回の執筆に活かす。
改訂版を出す場合は、フィードバックを反映して改善を行う。
コメント:読者のレビューは受け取り方の違いはあるとは言え、他者から見たリアルな書籍に関する意見です。Good評価とBad評価の両方に耳を傾け、アップデートしていきましょう。
出版のリアル
期間:プロセス0~3までに約2ヶ月間。
プロセス4~7までに3日間。
プロセス8~9は継続中。
費用:ほぼ0円
プロセス0~9まで僕一人で行いましたのでお金はかかっていません。
出版した事による影響:大
「本を出した」という事実が持つ影響は大きいです。それは、自尊心
を高めるだけでなく、他者からの評価も大きく変える力を持ってい
ます。また、継続的に挑戦を続ける人にとっては、「権威性」とい
う形で書籍出版が活動の後押しをしてくれることもあります。評価
の高い、つまり売れている本であればその効果はさらに強まります
が、たとえそうでなくても、「出版した」という事実そのものに価
値があると僕は考えています。
特に僕の場合、大学生として書籍を出版した経験は、就職活動において確実にプラスの影響を与えたと感じています。それが他者に与える印象や、自己表現の強力な手段となることを実感しました。
まとめ
書籍出版と聞くと、「特別な経験をした人しか書けないのではないか?」とか、「その道のプロでないと書いてはいけないのでは?」と思われがちです。しかし、僕はそうは考えていません。たとえば、ワーキングホリデーに行っている日本人は毎年何千人もいますし、僕自身、ワーホリのプロではありません。それでも、僕が書いた本が読者にとって”ポジティブなきっかけ”を創ることができたのは頂いたレビューから分かる通りです。
また、皆さんの意見や考えは言論の自由によって保証されています。つまり、あなた自身の経験や視点も、誰かにとって非常に価値あるものになる可能性が十分にあるのです。
さらに、「出版のリアル」から分かるように、Amazon Kindleのようなプラットフォームを活用すれば、PC1台でほとんどお金をかけずに書籍を出版することが可能です。ハードルは思っているよりも低いのです。
ぜひ、皆さんも「出版」という形で、自分の経験や考えを発信し、世界の誰かにとっての”きっかけ”を創ってみませんか?
最後まで記事をお読み頂きありがとうございました。
僕のnoteが読者の皆さんにお役立てできますと幸いです。