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政府が高額療養費の上限の引き上げを検討中~そもそも高額療養費制度って何?上限を引き上げると健康被害はあるの?

2024年11月8日に、政府が「高額療養費制度」の上限額を引き上げる検討に入ったことがニュースになりました。医療費の自己負担の上昇ということで、様々な反応があったこのニュースですが、そもそも高額療養費制度って何なのでしょうか?

医療に関するお金の流れ

高額療養費制度の話をする前に、まずは医療に関するお金の流れに関しておさらいしてみましょう。

医療に関するお金の流れ(筆者作成)

手術や検査などを医療機関で受けた場合には、医療費が発生します。その支払いには、①健康保険によって支払われるお金(医療費支払い)と、②患者が自分で負担する「自己負担」の2つに大別されます。
 
ちなみに、保険料を徴取して、診療報酬制度に基づいて医療機関に医療費の支払いを行う機関を「保険者(Insurer)」と呼びます。

日本では健康保険と呼ばれることもあります。そしてこの健康保険は、①大企業などが自分たちで設立した「健康保険組合」、②主に中小企業の従業員が加入している「協会けんぽ」、③自営業や無職の人が対象となる「国民健康保険(国保)」の3つがあります。日本に住んでいる人は、これらのいずれか一つに加入することが義務付けられており、それによって国民皆保険制度が維持されています。

自己負担 の4つのタイプ


話を元に戻しましょう。高額療養費制度の話をするのであれば、自己負担の話をする必要があります。医療機関で実際にかかった金額から、保険者が支払う金額を差し引いたものが自己負担になります。
 
世界中の国々の保険制度を見てみると、以下の4つの種類の自己負担があります。

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