お客様の声を聞かないという選択
どうも思考する研ぎ屋 タルイユウスケです。
なんか題名からみて「ケシカラン!!」とか言われそうですが、簡単に声をあげられる時代(ぶつけられる?)だからこそ大事かなと思い筆をとりました。
いくつかの例を挙げていくので散文的かも知れませんが良ければお付き合いください。
お客様の欲しいものはお客様は知らない、または言わない
これはマーケティングでは有名な話ですが、某ハンバーガーチェーンがお客様アンケートで「どんな商品があったら買いたいですが?」というのを取ったら「ヘルシーなバーガーがいい」という声が集まったそう。
これは売れるはずだ!といって商品化したものの、あんまり売れなかったそうです。
単純な話だけどお客様はジャンクなものを食べるためにハンバーガーショップに来ているのでヘルシーなものは選ばないというお話。
なんだしょうもないと思うかもしれないですが大きな企業でも「お客様が正直に答えてくれる」という思い込みからそういうミスが起こったりします。
他にも「いくらだったら買いたいですか?」も正直には答えてくれません。
実際に思ったのよりも安くいいますし、値段だけいうけど実際は要らないなんてこともあります。
マーケティングでは(お客様も認識していない)お客様の声にならない欲求を「インサイト」と言ったりします。
このインサイトを見出すためには日常接するお客様の言葉の裏側や社会のニーズなどを読みながらこちらから提案する必要があったりします。
くれぐれもストレートに受け取ってはいけないってことですね。
安くすれば買ってくれるお客様
僕のお店ではちゃんとしたメンテナンスするときに一本2,000円くらいします。研ぎ屋っていうのはある意味値段のないサービスで自分で自由に価格を設定できます。高い研ぎ屋もいれば安い研ぎ屋もいます。
時折値段を言うと「高いなぁ」って言われるお客様がいます。
他には「まとめて出せば安くしてくれませんか?」という方もいます。
一瞬だけ「安くすれば依頼してもらるかも」とグラつきます(やっぱ売り上げはあげたいですから)
でもそこはグッとこらえて「値引きはしません」とお応えするようにしています。
単純にいつも定価で依頼してくれる他のお客様に申し訳ないですし、なにより値引きは「お店のサービスの価値の棄損」にもつながりますから僕はお店の立ち上げ時に『値引きはしないがサービスはする』と決めて始めました。
(作業していると料金の範囲外のことが起こることもありますがそこは頑張ります)
安いからと買ってくれるお客様は他に安いところが出来れば離れてしまいます。特に研ぎ屋は労働集約型のお仕事ですので出来る本数に限りがありますから、自分の仕事に価値を感じてくれるお客様とお付き合いしていきたいなとおもうのもあります。
安ければお客様は喜ぶというのもあるかも知れませんが、相応の値段ということがお客様の価値になることもありますので「どうありたいか」は自分で覚悟して決める必要があります。
お客様の声を聞くのはそのあとかなと思います。
ノイジーマイノリティ
こちらは一般的な話になりますが、ニュースなどで企業にクレームが寄せられてCMを取り下げるということがよくありますね。
もちろん「さすがにこれはちょっと...」というのもありますが、単純に嫌な気持ちになったからという類のイチャモンかな?って思うものもチラホラ。
(価値観が多様だからこそ万人受けはしませんし、クレームっぽいけどただの感想レベルだったり温度感はテキストではわかりにくい)
例えばブランドCMは企業のイメージを発信するものなわけで届けたい相手や起用する役者さんや文言まで考え抜いて作っているはずなので、相手と価値観の相違があっても堂々と自社の解釈を発信してそのままやればいいし、その企業・ブランドを元々好きな方からしたら「かっこいい!それでこそ○○」ってなるんじゃないかなというお話。
もちろんどういった商品や企業規模かにもよるかとは思います。
ノイジーマイノリティについてはしばしば問題になりますが、冒頭に書いたように声が届きやすくなったからこそ意識を変えていかないといけないのかなと。
僕も含め発信活動をする企業や個人事業主は声が大きいだけの嫌なことをいってくる人より、静かに、でも熱く応援してくれるサイレントマジョリティの声をもっと聞かないといけないですね。
結論としてはお客様の声も玉石混交。
まずは自分たちの「どうありたいか」のフィルターをちゃんと作って取捨選択しないといけないよね~というお話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!