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1分でわかる。法律改正の流れ(税制改正編)
JVCEAより金融庁へ2020年度の税制改正要望を提出いたしました。https://t.co/aN5cp1jgGS
— 大塚雄介 / コインチェック共同創業者 (@yusuke_56) July 22, 2019
先日、JVCEAより税制改正要望書を提出いたしました。
JVCEAとは、日本仮想通貨交換所協会の略称で、金融庁に登録している仮想通貨交換業事業者(俗に言う、仮想通貨取引所)が、業界の発展のために、自主規制を決めたり、関係省庁(主に、金融庁、警視庁、消費者庁、など)への要望書提言などを行なっている協会です。
提出した要望書が、今後、どのような流れを経て、法案として改正されるのか(または、されないのか)全体像をご説明したいと思います。
税制改正の流れ
税制改正までの流れは、上記の流れです。
4月:省庁で税制改正を審議
4月に各省庁で税制改正審議会が開催されます。仮想通貨の場合は、金融庁管轄ですので、金融庁で審議会が開催されます。他の業界であれば、管轄する他の省庁で改正の必要性の有無が議論されます。
5月〜7月:省庁が関係協会へヒアリング
5月から省庁が関係協会へヒアリングを開始します。この時に重要なことは、業界で協会を事前に作り業界内で合意形成をしておくことです。
省庁としては、個社毎にバラバラに要望を持ってこられては困ってしまいます。それが1社の意見なのか、業界全体の総意なのか判断しづらく、また、仮に数十社も要望を持ってこられてしまったら非効率のため、事前に業界で議論し合意形成をしてから要望書をまとめて欲しいと考えています。
このような背景から法律改正の要望のある方は、上図の時系列を意識しつつ、同業他社と協会設立をするところから始められるのが良いと思います。
7月:関係協会より要望書を提出
関係協会で合意形成を行なった要望書を作成し、関係省庁へ提出します。今回の場合で言えば、仮想通貨交換業協会で、税制改正の要望書としてまとめ提出いたしました。具体的な内容は、以下のリンクより読むことができます。
https://jvcea.or.jp/cms/wp-content/uploads/2019/07/20190722_JVCEA.pdf
8月:省庁が財務省主税局に要望を提出
8月末までに、各省庁が財務省主税局に税制改正の要望を提出します。この時期に税の仕組みが変わるという報道が出たら、この要望の内容を伝えている場合が多いです。まだ、提出した段階であり、改正されるかどうかは未定です。
10月:自民党税制調査会が要望とりまとめ
10月には自民党の税制調査会が動き始めます。正確には自民党ではなく与党です。10月になり、はじめて行政で作成した要望書が、国会にわたり、とりまとめが行われます。
11月:自民党税制調査会が小委員会・総会で議論
取りまとめられた要望書を、自民党内で議論されます。
12月:自民党税制調査会が税制改正大綱を発表
現在の国会は、自民党 一強時代のため、この大綱に盛り込まれていれば、国会で通る可能性は高いです。
1月:閣議決定・否決
政府の意思決定をするための会議を閣議といいます。首相及びすべての閣僚の意思決定手段のなかで最も位置づけが高いのが閣議決定です。政府としての統一見解になりますから、閣議決定は全閣僚の意思統一が原則です。
2月:国会へ上程
閣議決定された法律は、国会で議論するため、国会へ上程(起案のこと)されます。
3月:国会で可決・否決
国会での議論を経て賛同を得ることができれば可決されます。賛同を得られないと否決され、また、はじめからやり直しです。
4月:改正法案 施行
国会で可決された法案は、4月より施行(法律として社会に適用される)ます。
法律や税制は変えられる
多くの人たちは、法律は、「誰かが決めていて、それに従うもの」という認識だと思います。
私も以前は、そのような認識でした。そのため、「自ら法律を変える」というメンタリティを持てておらず、思考停止していました。
しかしながら、仮想通貨事業を5年経営する過程で、当事者として「資金決済法の改正」「仮想通貨への消費税非課税化」などの場に関わらせていただいたことで、「法律や税制は変えられる」という当たり前のことを再認識しました。
スタートアップで働く起業家や社員は「社会に大きな影響を与える」ことを、モチベーションの1つとしている人もいると思います。
「社会に大きな影響を与える」ということは、「社会のルールを変える」こと、「社会のルールを変える」ことは、法律を変えることに他なりません。
「社会に大きな影響を与えたい」と考えている起業家や社員は、以前の私のように思考停止することなく、是非、挑戦してみてください。私でお手伝いできることあればお手伝いさせていただきます。Twitter DM解放していますので、DMいただければと思います。
税制にフォーカスしましたが、その他の法律も改正可能です。法律改正について、より詳細を知りたい方は、以下の本もオススメです。
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