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解説『コンサルが「マネージャー時代」に学ぶコト』
コンサルのマネージャーと言えばウルトラマンとアイアンマンの掛け合わせみたいなもんで。ウルトラマン並みに何でも何とかしてくれますし、アイアンマン並みの耐久力を兼ね備えています(アイアンマンはよく知らんけど)。
早朝だろうが、夜中だろうが、資料のレビュー依頼を送信したら、数分後に返信が返ってくる
クライアントに超怒られても何とか鎮火してくれる
遅延しまくって炎上しているプロジェクトだろうと、何とか着地させてくれる
一緒に働いてみて、すごいなと心から思うマネージャーはそんな方々でした。
同時に、そんな「ビジネス戦闘力お化けなマネージャー」にどうやったらなれるのか、正直よくわかりませんでした。
しかし、昨年末に「どうすればビジネスモンスターになれるのか?」をビビるくらい細部まで言語化した本が出まして。
それが、あの高松大先生の『コンサル時代が「マネージャー時代」に学ぶコト』です。
ちなみに、本書の魅力について、著者の高松さんとYoutubeでお話させていただきました。こちらもよろしければ。
『コンサル時代が「マネージャー時代」に学ぶコト』ってどんな本?
本書は、コンサル会社の名門BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)を経て、「考えるエンジン講座」を提供するKANATAを設立された高松 智史さんの本です。
高松さんは他に『変える技術、考える技術』『フェルミ推定の技術』などのベストセラー本も出されていて、いずれも「コンサル時代に学んだことを、面白おかしく(もちろん戦略的に)」伝えてくれます。
私自身、高松さんの本(以下、タカマツボン)が好きすぎて、著書はすべて読ませてもらってます。
優しさのリーダーシップvs賢さのリーダーシップ
本書において一番重要な論点が「これからの時代、優しさと賢さ、どちらのリーダーシップを取るべきか?」。
優しさのリーダーシップとは?
これは
・「がんばれ!ありがとう!」と鼓舞してくれる(だけ)
・「わかる、わかるよ。僕も昔おなじことあったよ。まあ飲み行こうぜ」でメンタルケア
・「夜遅くまで、土日まで頑張ろう!そのあと飲み行こう」と情とやる気で乗り切る
…的なリーダーシップのこと。
でも、時代は変わりました。
・上下関係
・在籍年数
・労働時間
…で何とかなるゲームはとっくに終了。
優しさのリーダーシップにいつまでも甘えちゃダメよ。
これが本書の問題提起です。
賢さのリーダーシップとは?
本書では「インテレクチャルリーダーシップ」と書かれていました。
長くてタイプしづらいので、僕は「賢さのリーダーシップ」と呼んでいます。
これ何かというと
・「わ、この人と働いていると学びになるな」で人を引き付ける
・「この人に相談すると、問題がみるみる解決していく」で前進感を生み出す
・「最悪プロジェクトが燃えかけても、この人が何とかしてくれる」という圧倒的知力によってリードする
…的なリーダーシップのことだと理解しています。
優しさのリーダーシップではなく、賢さのリーダーシップを張るべき。
この主張は、本当におっしゃる通りだなと。
僕自身も
・「この人と働いていたら、成長できそう」だとキャリア安全性を提供できるビジネスパーソンじゃなきゃアカン
・年上部下の状況も当たり前に発生する。こんなときこそ「こいつは年下だけど、デキる奴だから従うか」と思わせなきゃならない
…と思っていたんですよ。
そんなときに、本書と出会ったわけです。
まさに運命的な出会いでしたね。
ほんと、本屋で導かれるように、本書を手に取りました。
結果、読んで大正解でした。
TASKマネジメントvs論点マネジメント
では、どうすれば「賢さのリーダーシップ」が取れるのか?
本書では、そのためのスキルが79個も紹介されています。
中でも、本書の根幹を担う、かつ私自身の心にも刻み込まれたテーマがありまして。
TASKマネジメントvs論点マネジメント
これです。
TASKマネジメントとは?
これは
・「このタスク進捗どう?間に合いそ?」と進捗確認しかできない
・「この資料のここのフォントはこうだね。あと、グラフの見せ方はこうだね」と体裁レベルにしか指摘できない(てかそれくらいしか指摘できない。もはや、指摘して自分の優位性を保つことが目的化しちゃってるケースも)
…こんな感じのマネジメントです。
お察しのとおり、先述の「優しさのリーダーシップ派」の方がやりがちなマネジメント。
昔は、やることがシンプルで物量勝負できたから、優しさを振りまきながらTASKマネジメントをやっておけばよかった。
しかし、
・直面する課題が複雑化し
・労働時間が制限され
・雇い手より働き手の力が強くなった
そんな現在は、TASKマネジメント一本槍じゃ通用しない。
「あの上司、まじで介在価値ねーよなー」と言われておしまいです。
論点マネジメントとは?
これは
・「論点(=考えるべき問い)」をベースに人を動かす
・「この上司と議論していると、論点がどんどん進化していくな」で人を惹きつける
・「この上司と握った論点で仕事を進めると、手戻りないな。クライアントが気にしている論点をちゃんと言語化してくれるな」でプロジェクトをひっぱる
・「論点さえ握っておけば、そのあとの作業は自由に任せてくれるな」とメンバーに自由を与える
…こんな感じのマネジメントです。
もう少し詳細化すると、本書で「重要暗記事項」とされる呪文があります。
ロ→サ(サ2)→T→ス→作→ア
ロ:論点
サ:サブ論点
サ2:サブサブ論点
T:タスク
ス:スケジュール
作:作業
ア:アウトプット
例えば、先述の「資料の体裁しか指摘してこない上司」は、「ア=アウトプット」という最下流の指摘しかしていないのと一緒。
デキる上司は、論点やサブ論点のマネジメントを行う。
この考え方を↓のように図示してみました。
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