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解説『機嫌のいいチームをつくる』
「機嫌よく働く人を増やす」
この、ある意味で最強スキルの正体を教えてくれるのが本書です。
とはいえ、
・そこまで働く人の機嫌を気にしなきゃダメなん?
・機嫌とかより、優秀かどうかが100倍大事じゃね?
という疑問もあるでしょうから、まずは「なぜ働く人の機嫌を気にしなきゃいけないのか?」から考えていければと。
「機嫌が悪い人」が混ざるとチームは崩壊する
どんなに優秀な人が揃ったチームであっても、1人でも「腐ったリンゴ」が混ざると、チームは崩壊します。
オーストラリアのサウスウェールズ大学で行われた「腐ったリンゴ実験」なるものがありまして。
チームに悪影響を与えそうな人を1人混ぜると、どうなるのか?、という実験です。
チームに悪影響を与えそうな人というのは、
①性格が攻撃的・反抗的な人
②怠け者な人
③愚痴や文句ばかりいう人
・・・「機嫌が悪い人」も、この定義に当てはまるでしょう。
そういう人が混ざると「あらゆるチームのパフォーマンスが必ず30~40%低下した」という事象が確認されたそうです。
温和な人が集まっていようが、頭キレキレな人が集まっていようが、例外なくチームのパフォーマンスをがっつり下げてしまう。
これが「腐ったリンゴ≒機嫌が悪い人」の破壊力なわけです。
したがって、あらゆる手を尽くしてでも「機嫌よく働く人を増やす仕組み」に力を入れたほうが合理的なのです。
「いやいや、自分の機嫌くらい自分でコントロールしろよ!」と100回くらい思いますが、私も含めて人間は弱いものなので、他人の力を借りないとご機嫌にはなれません。
上司は、メンバーが機嫌よく働くために、手を尽くすべきなのです。
機嫌よく働くためには「主体性」が大事
読み解くに、著者の「機嫌のいいチーム」の定義は次だと理解しました。
「機嫌のいいチーム=自ら考えて伸びていく人が揃ったチーム」
本書で何度も登場したキーワード「主体性」。
実は「自主性」とも違っていて、
主体性:自分の意思や判断にそって行動を決める様子
自主性:当然やるべきことを、他人の指図や補助なく、自分で進んでやろうとする様子
例えば「バットを毎日振りなさい」と言われたとして、
・毎日言われたとおりに、愚直にバットを振り続ける⇒自主性
・「そもそも、なぜバットを毎日振る必要があるか?」を自分なりに考えたうえで、バットを振るか、別の練習方法にするかを選択する⇒主体性
・・・と明確に意味合いが違ってきます。
機嫌のいいチームをつくるためには「主体性」が重要。
・自分の強みと弱みを把握し
・強みを伸ばす、弱みを補う方法を考え
・自分のパフォーマンスを調整していく
これを勝手にメンバー1人ひとりができる状態を目指していく。
そのための方法を2つ、本書から学びました。
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