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マネージャーに1ミリも興味がなかった私が「マネジメント」をやろうと思ったときの話

この記事は 株式会社マネーフォワードERPカスタマーリレーション本部が主催している Money Forward ERP Customer Relation Advent Calendar 2024 の 18日目🎉 の投稿です。

こんにちは、ERPカスタマーリレーション本部 の井上雄介です。現在は副本部長 兼 部長として、既存のお客様向けのポストセールスを担当するカスタマーセールス部を管掌しています。

私は社会人歴15年目のタイミングで、5社目として2021年7月にマネーフォワード(以下、マネフォ)に入社しました。今でこそマネ-ジャーという立場で仕事をさせてもらっていますが、いわゆるマネジメント職になったのはマネフォが初めてでした。

なので今回のアドベントカレンダーが、これから初めてマネージャーになる人や、マネジメント職を目指している人向けに私の経験が少しでも参考になればいいなと思っています。

マネフォに入社するまでの遍歴

2021年7月にマネフォへ入社する前はコンサルティングファームで働いていました。いわゆる「プロジェクトワーク」というもので、顧客先に常駐して役割に従ってWBS(Work Breakdown Structure)のタスクをガリガリ実行していくヤツです。
コンサル時代は「プロジェクトマネージャー」はいくつか経験したことはあっても、組織自体のマネジメント職は未経験でした。グループリーダーなる役割は任されたことはありましたが、3人のメンバーはそれぞれ別プロジェクトにアサインされていたので「チームマネジメント」という感覚はほぼありませんでした。

コンサル前は10年半ほど法人営業をしていましたが、この時もずっとプレイヤーでした。
この通り、私はマネジメント経験をもってマネフォに入社したわけではありませんし、正直なところ入社時も「マネジメントになりたい」とは一ミリも思っていませんでした。


マネフォでマネージャーになるまで

自分のなかで、
『「マネジメント」になることは手段であってゴールにしてはいけない』
というナゾの信念がありました。

この原体験になったのは、営業時代に年功序列でマネージャーになった人のもとで働いたことです。その人はマネージャーの立場で何を成し遂げたいのかが全く見えず、問題が起きても昔話を話すだけで課題解決力が全くない。「ああはなりたくない」と思って自らが導き出した答えが上の信念だったんだと思います。

また、2021年7月に入社した当時の私のミッションは、経理財務ERP本部(のちにクラウドERP本部)におけるエンプラ企業向けに提案活動するためのプリセールス機能の立ち上げでした。

組織というよりは機能の立ち上げだったので情報整理、業務プロセス定義、アセット整備に注力する必要があり、セールス×コンサルの経験から得たドキュメンテーションやパートナー構築などの「専門性」を活かす志向でがむしゃらに動いていました。

プリセールスとしてパートナー様とのセミナーにも登壇

一方で新メンバー採用は当時の部長と進めていました。しかしながら求めるスキルセットが高いこともあって採用は不調が続いて、1年近く「ひとりプリセールス」としてセールスと大型案件対応や、RFP回答作成などで顧客対応にまい進していました。


マネージャーを意識するようになったきっかけはLFP

入社から1年弱経った2022年春頃に、LFP(Leadership Forward Program)というマネフォの社内研修に応募しないか?と上長から言われました。

LFPとは、マネフォ社内独自のリーダー向け研修で、現職マネージャーやマネージャー候補の人たちが数か月の間にいくつかの種類の研修を通してマネジメントとしてのスキル、マインドセット、人間関係を構築するためのプログラムです。

私が参加した2022年は第2回で、かつコロナ禍明けで初のオフライン開催でした。LFPのメインプログラムである軽井沢での合宿が6月末に行われましたが、この直前にプリセールス機能をセールス部→カスタマーサクセス部に移管することが決まり、同時にサクセスメンバーの2人がプリセールスも兼務する話が進んでいて、私はマネフォで初めてメンバーを持つことが決まっていました。

LFP軽井沢では、既にメンバーを持つマネージャー達と、日頃のメンバーとの関わりを振り返ってマネジメントとは?リーダーシップとは?を互いに語り合う時間が多くありました。私はその2名とともに「プリセールスの立ち上げ」というミッションをどのようなリーダーシップであれば成し遂げられるかをシミュレーションしながら、言語化をしていきました。

合宿仲間から的確なフィードバックをもらいながら得たのは
「これ実際にやったら面白そうだな」
という感覚でした。
また、当時HRソリューション本部でサクセス部長をやっていたYさんとの会話のなかでは、自分がマネジメントになれば、私がもともとマネフォに入る前からやりたかったカスタマーサクセス領域にも広く関わることができるということにも気づかせてもらいました。

※私のカスタマーサクセスへの考え方等はこちらのnoteもご覧ください!

軽井沢合宿では視座の高い現役マネージャーやCxOの方々とも酒を飲みながら意見をかわすことができて、マネフォでならマネージャーをやってみようかな、と思えたのはLFPのおかげだなと今でも思っています。

初のマネージャー着任とその時にやったこと

「12月から井上にカスタマーサクセス部の副部長をやってもらいたい」
と当時の上長に言われたのが、LFPが終わった直後の2022年9月末でした。

思っていたよりも早いタイミングでしたが、志向は出来上がっていたのでそのまま「Yes」と回答しました。
当時のクラウドERP本部カスタマーサクセス部(後にソリューションコンサルティング部)は20名くらいのチームで、部長が長谷川さん(現CR本部SC部)、副部長が井上という体制でした。長谷川さんがデータ移行を担当するマイグレーショングループの所管、私が導入支援を担当するコンサルティンググループの所管でした。

副部長もマネージャーには変わりない!
そう考えて着任が決まってから3つのことに着手しました。

①メンバーとの対話と自己開示
ソリューションコンサルティング部(SC部)のメンバーとは、部として1年ほど、グループとして3か月ほど同じチームに居たとはいえ、上長とメンバーの関係になるので改めて全員のことを知るためにと1on1を行いました。なるべく自己開示になるよう自己紹介Kiberaを駆使して好きなマンガとかを話したような気がします笑
あまり人への自己開示が得意ではない(と自分では思っている)ので、どうやったら話しやすい空気になるかを意識して、メンバー一人一人のことをよく知るように自分としては頑張ったなと思っています。
その中でメンバーの得意領域や志向性なども聴くようにして、来期の体制でどのような役割を任せられそうかなどのアイデアも蓄積していきました。

②チームの役割と現状課題の解像度アップ
クラウドERP本部SC部(当時)の解決すべき課題はなんなのか、当時の部長や長谷川さん、各メンバーとの会話の中で解像度を上げていきました。組織のマネージャーとしてこの「課題設定」は、今でも重要な役割であり必須スキルだと思っています。
当時のSC部の課題は「受注した案件を導入できるキャパシティの確保」と「個々人が導入できるプロダクトを増やすこと」でした。受注件数が右肩上がりに伸びていたため、その案件を稼働させられるだけの受入れ体制を整えることが本部全体の課題でした。
加えて、2つの新規プロダクト(クラウド連結会計・クラウド個別原価)のリリースも控えていて、これらの導入支援ができるリソースおよび支援メニューの構築もマストでした。

マネージャーになって初めてのキックオフで発表した「目標とアクション」(一部加工)

③来期の戦略立案
これらの課題設定をもとにチームが向かうべき方向性と、それらを実施するためのロードマップを策定しました。私が戦略を考える時に今でも大事にしていることは、既に顕在化した課題だけでなく、こうなったら絶対に面白いと思える「理想」も散りばめることです。
正直やってみて間違いだったとなることもありますが、その時は自分が全責任を取る覚悟でロードマップを書いてますし、そのくらいの覚悟がないとチームやメンバーは動いてくれないと思っています。

初めてマネージャーとして描いたロードマップは、達成したものもあれば軌道修正したもの、頓挫したものもあります。
一つの例が、2022年12月時点で私が描いた「導入支援サービスのロードマップ」で、マネーフォワード クラウドの中堅向け領域では、導入支援サービスには専任担当者がつく「サクセスプラン」と、テックタッチをベースに顧客自身で設定を進める「セルフプラン」があります。

2022年12月時点で描いた「導入支援サービスのロードマップ」(一部加工)

当時はマネフォがマルチプロダクト展開を進め始めていて、必ず導入パターンが複雑化していくと考えていたので、その複雑なお客様ニーズにも対応できるようサービスを進化させていこうと考えてこのロードマップをメンバーにも共有しました。

結果的には半年後のFY23下期に大きな組織統合があり、外部環境が大きく変わったためロードマップも変更になりましたが、当時のメンバーとは方向性とアクションを共有できたと(勝手ながらかもしれませんが)思っています。

『「マネジメント」になることは手段であってゴールにしてはいけない』
このナゾの信念は今でも変わらず持っていて、自分がマネージャーとしてこのチームで何を成し遂げたいのか?を言語化して、メンバーに伝わるように伝えることが大事な役割だと思っています。

最後に:マネージャーになってよかったこと

一言で言えば「仲間の成功や成長が嬉しい」という感覚を体感できたことです。2021年の入社時に受けた性格診断(FFS)で以下のような診断結果が書いてありました。

『あなたは周囲の喜びを⾃分の喜びと考えることができます。そのため、⼈を育成しようとする気持ちが強いです』


正直、入社当時はまったく体感がありませんでした。が、マネージャーになってみてこの診断結果はめちゃめちゃ腑に落ちました。今でもこの体感は大事にしていますが、マネージャーとしての課題も山積みなので日々精進しています。

今回は前所属のクラウドERP本部までの話でしたが、またnoteを書く時があれば今度はCR本部でのマネージャーになってからの気づきや学びについても書こうと思います。
ここまで長文にもかかわらず読んでくださりありがとうございました!


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