街惚れ 京都編
京都が好きで、好きが過ぎる故に今は東京に住んでいる。距離を置いているのだ。
大学時代を過ごし、本当に楽しい思い出でいっぱいだ。
だかしかし、京都で大学時代を過ごした人の多くは就職のために東京、大阪、地元へ行ってしまう。
土曜の夜に河原町に行けば嫌でも知人に会ってしまうような環境であったのに今は友人はほとんどいない。それが本当に辛いのだ。
我が大学は北の外れだったので河原町から上賀茂へ向かうバスに乗ったら必ず誰かと顔を突き合わせていた。学科やサークルの友人、何度か授業で一緒になったやつ、少し気になってたあの子…(その子が知らない男と最終のバスに乗って来た時の私の心情はとても言い表せない。)
その時は嫌だなと思った事でさえも、今では愛おしく思える。
そんな愛おしい思い出たちを上書きはせず、年に1、2回訪れて懐かしむ。冷凍保存した記憶をたまに解凍して楽しむだ。
それが1番良い京都との付き合い方だと思っている…思っている…
そう今日も自分に言い聞かせて都会の荒波に飛び込むのだ。