最初の5月
2015年、5月。
京都に来て最初のゴールデンウイーク。4月は大学生活が始まり、バタバタで忙しい。やっと落ち着いた5月。落ち着いたどころか、落ち着き過ぎた。下宿してる友人達は関西圏内の人も多く、みな帰っていた。誰もいない京都で暇だったのだ。
とりあえずカレーを作り、ベランダから景色を眺めながめていたのもこの頃だと思う。人間は暇になると奇行に走るんだなぁと身をもって実感した。
そしてもう一つの奇行に出た。
京都市北区からとにかく東に行けるところまで行こう。徒歩で。アホだったし、本当に暇だった。とりあえず北大路まで行きそこから東山三条、そこから蹴上げ、山科と抜けて大津。今Googleマップで見ると3時間半と出るが、5時間くらいかかった様な記憶がある。
1人で何をするわけでもないけど、とにかく歩いた。それがとにかく楽しかったのだ。何かが始まるような気持ちと、時間の制約もなく、ただ歩く。荷物はスマホと財布くらいだったと思う。なるべく軽くした。
そして大津に着き、琵琶湖を見て感動した。でけぇ、これは海にしか見えないと本気で思った。地図で見る方が多かったから、改めて大きく感じた。そして思った、引き返そう。これ以上は人間の脚と今の自分の経済力では無理だと。
9年も前のことだが、書いているとあの時の記憶がどんどん蘇る。そしてあんな純粋にただ歩くことを楽しんでいた自分がいたなぁと懐かしいのと、失いかけている今の自分が嫌になるのが混ざり合っている。