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モチベーションは下がるのではなく、阻害されるだけ
「最近モチベーションが下がっている」「やる気がなくなった」そんな言葉を耳にすることが最近増えた。(特に30歳を超えたあたりから耳にすることが増えた)だが、本当にモチベーションは"下がる"ものなのだろうか?
人は何かを成し遂げたいという欲求を本来持っている。何もしたくない、ただただ無気力でいたい、という状態が人の本質ではない。むしろ、やりたいことがあり、それに向かって努力することで得られる達成感や充実感を求めているのが普通だ。では、なぜ「モチベーションが下がる」と感じるのか?
それは、モチベーションそのものがなくなったのではなく、何かしらの阻害要因があるからということで説明できるのではないだろうか?
モチベーションを阻害するものとは?
たとえば、以下のようなことが起きると、人はやる気を失いやすい。
成果が見えない
どれだけ努力しても、何の手応えも得られない。報われる兆しが見えないと、「このまま続けて意味があるのか?」と疑問が生まれる。環境が合わない
自分のスタイルに合わない働き方、理不尽なルール、コミュニケーションのストレスなど、外的要因がモチベーションを削っていく。フィードバックがない
どんなに頑張っても、評価されることもなければ、改善点すらわからない。そうなると、やる気を持ち続けるのは難しい。本当にやりたいことではない
そもそも自分の興味関心とズレたことをやっていると、モチベーションが続かないのは当然のことだ。
こうした要因が積み重なることで、「モチベーションが下がる」と錯覚してしまう。しかし、実際には「やる気を持ち続けることが難しくなる環境があるだけ」なのだ。
モチベーションは、元々そこにある
重要なのは、"モチベーションを取り戻す"のではなく、"モチベーションの阻害要因を取り除く"ことだ。
たとえば、成果が見えないなら、小さな達成感を得られる工夫をする。環境が合わないなら、できる範囲で変えてみる。フィードバックがないなら、自分から求めにいく。
人は、自分が成長している実感があれば自然とやる気を持ち続けるし、興味のあることに向かっているときは、誰に言われずとも没頭できる。つまり、モチベーションは常に内在しているものであり、それを阻害する要因があるかどうかの違いにすぎない。
「やる気を出そう」とする前に、やる気を削ぐものを取り除く
多くの人は、モチベーションを高めようとする。モチベーションを上げるための本を読んだり、モチベーション動画を見たり、気分転換をしたり。もちろん、それらが効果的な場合もあるが、本質的な解決にはならないことが多い。
むしろ、「なぜ今、やる気がなくなっているのか?」という視点で考えるべきだ。
なぜ目の前の仕事に取り組む時に面倒だという感情になるのか?
自宅やオフィスの就業環境のせいで働きづらくなっていないか?
自分の努力は適切に評価されているか?
こうした問いを立てることで、モチベーションの低下を感じる原因が明確になる。そこに手を打つことで、自然とやる気は戻ってくるはずだ。
ちなみに私のモチベーションの阻害要因は「工夫の余地がないこと」と「他人から一方的に指示をされること」だ。これまでに一度、マイクロマネジメントを私に行うマネージャーのもとで働いたことがあるが、自分でも驚くほどやる気が喪失した。
つまり、モチベーションは「下がる」ことはない。 ただ、それを押さえつける要因が存在するだけなのだ。やる気を取り戻すのではなく、やる気を削ぐものを取り除く。この視点を持つだけで、モチベーションとの向き合い方は大きく変わるのではないだろうか。