立場が人をつくるんじゃなくて、逆境が人をつくる?!
こんにちは、北村(@PLAN-B)です。
こんな表現を聞いたことがある方、いらっしゃると思います。
「地位が人をつくる」とも表現できると思うんですが、
院長先生だって、
経営者になられて、開業医と勤務医では全くその重さが違うことを実感されてると思います。
ある院長先生なんて、
「開業するのは刑務所に入るのと同じ」
と表現されるぐらい、借金に縛られ、自由を縛られ、、、、
でも、そういった中で、
経営者として、人として成長なさっているんじゃないでしょうか。
スタッフさんも同様で、これには異を唱える方は少ないと思うんです。
僕も立場が人をつくると思っている派なんですが、
もう少し「補足」が必要かな、と思っています。
今回の記事では、
こんな内容を事例を踏まえて、シェアさせていただきます。
立場を与えるだけでは人は育たない
ある動物病院さんで、こんな失敗をしてしまいました。
スタッフさんの成長を促進、後押ししようと、
地道に努力して頑張ってくれていた看護スタッフAさんを、
看護チーフに抜擢することになりました。
というのも、
長年看護チーフを勤めてくれたBさんが、
ご自身のキャリアのステップアップのための退職を決められて、
チーフが空席となってしまうという状況があった、
つまり、欠員による抜擢という背景です。
ただ、少し補足をすると、
こちらの病院さんは慢性的な人手不足状態が続いていて、
現職の看護チーフBさんに少し退職を先延ばしできないか、という打診をしていたんです。
Bさんは、病院の状況をよく理解してくれているので、
スケジュールを工面してくれて、
結局、半年間、退職時期を延ばしてくれることになったのですが、、、
新しくチーフになってくれる看護スタッフAさんには、
旧チーフBさんが在籍のまま、
新看護チーフとして始動してもらうことになりました。
この結末を言ってしまうと、
この新看護チーフBさんも辞めることになってしまったんです、、、
立場が人を育てるんじゃなかったのかい、
と、突っ込みたくなったんですが、最悪の結果になってしまったんです。
逆境という環境を用意できるか
なぜ、そんな結果になってしまったのか、
理由はもちろんひとつではなくて、
もともと退職を考えていた、など複合的な要素が重なるのが常なんですが、
院長先生の奥様、つまり裏で病院を取り仕切られている方と、
ソリが合わなかったようなんです。
院長先生の奥様は、もともと少し特徴的な方で、
いい意味でも、悪い意味でも色々と口を出される方で、
歴代の看護チーフも苦戦してきたのは事実なんですが、
それでも皆、何とかやってきてこれたのも事実なんです。
ただ、新看護チーフは奥様のやり方に真正面から反発してしまって、
我を通すというか、指摘を受けたことについても、認めない、改めないというか、
もともと頑固さはあった方だったんですが、
それが悪い方向で衝突してしまって、、、、
もちろん、僕も関わらせてもらっていたので、
双方や周りからヒアリングをする中で、
新看護チーフが考えを改めた方がいいんじゃない、というのもいくつもあって、本人に働きかけをしていたんですが、、、
今回はなんでそんなことになってしまったのか、
いろんな考え方があると思うんですが、
僕なりの結論としては、
旧看護チーフを残したことがまずかった、
そう思っています。
旧チーフは、いい意味でも、悪い意味でも、見守ってくれていたんですが、
新チーフとは、考え方もやり方も全くタイプが違っていて、
新チーフは奥様のことで問題が起これば、旧チーフに相談していたのですが、
旧チーフも自分からわざわざ口を出すことを抑えてはいたものの、
相談をされると堰を切ったように、新チーフにダメ出ししまくってしまう、
俯瞰的に見れば、新チーフが自分を変えていかなければならない、
いい意味で自分が変わることで成長できる環境・シチュエーションだったんですが、
旧チーフがよくも悪くも、病院運営やスタッフさんを引き続き影でまとめて、治めてくれていたので、
新チーフが本当に困ってどうしようもなくなってしまう状況がなかったんですよね、、、
言うなれば、新チーフにとっての「逆境」ではなかった、
なので、新チーフは自分を変えることなく、自分の課題に向き合わず、
辞める方向に向かっていってしまった、、、
後から話を聞けば、新チーフ自身も前から辞めることは考えていたようで、
こちらも複合的な要素があるとは思うんですが、
引き金になってしまったのは間違いないんですよね、
僕自身のこれまでの経験値として、
これがいいことか悪いことか分からないんですが、
「崖っぷちに立たされる状況」
と思うんです。
僕自身、それで自分が変われた経験がありますし、
他の現場でも、
頼れるスタッフさんが誰もいなくなるとか、
そんな状況に置かれたスタッフさんが一皮も二皮も向けて成長する、
そんな状況を何度も見てきました。
今回に関していえば、
旧チーフに残ってもらったこと、
新チーフの助けになれば、負担を減らせれば、
またチーム運営が滞らないようにと、旧チーフに残ってもらった訳ですが、
それが新チーフにとって、自分を変われる機会を奪ってしまった、、、
そう思うんです。
属人的にはならない工夫
逆境をあえて用意して、成長させる
これはとてもシステマチックとは言えないですし、
再現性があるとも言えないんですが、
やっぱり人を成長させるシチュエーションというのは共通しているように感じます。
かといって、こうした状況を続けてしまえば、
属人的なやり方、スタッフさんがまた辞めてしまえば、
ゼロからスタートせざるを得なくなるなど、が生じてしまいますし、
人を育てる仕組み自体を変えていく必要はあると思うんです。
とはいえ、少人数の病院さんでは、そんなものを構築すること自体が負担でしかないですし、要はバランスだと思うんです。
教訓として、
人材教育に関して、周到に準備しすぎることもプラスにはならないことを考えさせられました。
人材は、
病院を大きくさせる可能性を秘める一方で、
なかなかコントロールができない、リスク要因でしかない、
その思いも深くしました。
今回のようなケースについて、いろんな考え方があると思うんで、
コメント等で皆さんのご意見をいただけるとうれしいです!
また、人にまつわることでお悩みがありましたら、いつでもどうぞ。
今回の記事では、
こんな内容をシェアさせていただきました。
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