ビッグモーターについて思うこと
最近、世間を騒がせているビッグモーターについて書いていこうと思います。
故意に車に傷をつけ、保険料を水増し請求していた、社長の謝罪会見でのゴルフの話とか、店舗前の街路樹に除草剤を撒いた等、色々な不祥事のニュースを観ました。
何が起こってきたのか、最初から調べてみました。
2016年12月:ビッグモーター慣行(罰金制度)発覚
2017年2月 :社長の指示で罰金制度が作られていた
2021年秋 :保険料水増し請求が発覚
2022年2月 :サンプル調査でも水増し請求
2022年3月 :車検不正が発覚で行政処分
2023年4月 :不正整備レクチャー動画流出
2023年7月7日:水増し請求が発覚
2023年7月14日:損保3社が保険金の返還を求める
2023年7月18日:調査報告書の内容を発表。幹部の報酬自主返上、手順を踏まない工場長の降格処分が発覚、大きく報道される
2023年7月25日:26日つけで社長、副社長が辞任を発表
水増し請求
特に大きく報道されている水増し請求ですが顧客から預かっている車をゴルフボールやサンドペーパー等で故意に損傷させ、修理範囲を広げることで1修理の金額を水増していたそうです。実際にタイヤにネジを埋め込みパンクをさせるレクチャーの動画もありました。
それらについての前社長が謝罪会見をしていましたが他人事というかどこか被害者のような話し方をしている印象。
原因は修理代金に1台あたり14万円のノルマが設定されていることにあり、そもそも修理代金は車両の損傷によるものでそこにノルマが設定されている仕組みがおかしい。これに関しても本部長が勝手にやったこととしている。
不祥事に関しても経営陣の関与は無く、部下が勝手にやったこと、知らなかった。
ゴルフボールで車を故意に傷を付けた件に関しては『ゴルフを愛する人に対する冒涜』えっ!?そっち??と言わざるを得ない、かなりズレた回答をしていました。
また不正に手を染めるまで追い込んだ従業員を「刑事告発する」とこれまたズレており、翌日撤回。
この記者会見をする前に世間がこの説明で納得するかどうかを話しあったりはしないのか?やはり前社長、前副社長に意見を言える人がいないのか?と思ってしまう。
街路樹に除草剤
ビッグモーターの店舗周辺で街路樹が枯れたと相次いで報告され、札幌市や神奈川県平塚市、大阪府、福岡県春日市など各地の店舗前では、街路樹や植栽がなくなったり街路樹が不自然に枯れていたりしているなどして国土交通省や関係自治体は状況を調べ始めている。
この件についてはビッグモーター内で『環境整備点検』という月一回の検査があったそうです。チェックシートには、店舗前の10メートルに雑草がないかという項目があり、本部の役員らが各店舗を巡回し、不備があると人事考課にも影響した。
これは植物を愛する人への冒涜ですね。
もはや環境整備ではなく、環境破壊しています。
これも複数の店舗で街路樹が枯れたり、無くなっていることを考えると環境整備のチェック項目をクリアするためにやらざるを得なかったのかと思います。
企業風土
調査委員会が実施した従業員へのアンケート調査では、車の修理などを担当する382人のうち、27%にあたる104人が、「不適切な保険金の請求につながる不正な作業に関与した」と回答していたことがわかりました。
また、17%にあたる68人が「自分以外の人が不正な作業に関与しているのを見聞きしたことがある」と答えたということで、報告書は、「現場レベルでは不適切な行為がまん延していた」と指摘しています。
報告書はこうした不正の背景に、営業のノルマと修理を管轄する本部からのプレッシャーがあったと指摘していてプレッシャーに耐えかねた修理工場の工場長らを中心に不正行為が広がったとしています。
また経営陣の判断で工場長などに対する一方的な降格処分が頻発していたということで、報告書では、「経営陣からの指示にそのまま従い、これをそんたくするいびつな企業風土が醸成されていた」と結論づけています
「幸せだなぁ!」「俺(私)はツいてる!」 「やってやれないことはない」「やらずにできるわけがない」 ビッグモーター社の方針などを示した「経営計画書」には、社員はこうした言葉を毎日口にするように書かれていました。
このコンプライアンス時代にビックリな企業風土です。
所感
圧倒的なトップダウン型で会社を運営してきたことが不祥事の大きな原因かと思います。もちろんトップダウン型が悪いということではなく、ボトムアップを取り入れて、最低限のダメなことはダメ!と言える環境が少しでもあって、聞く耳があれば世間の常識から逸脱して、ここまでエスカレートすることもなかったのではないかと思います。
預かった車を故意に損傷させる。街路樹に除草剤を撒く。等はわかりやすい犯罪である事は従業員の方も認識しているはずです。
それなのに集団心理がはたらき、ビッグモーターでは普通に?やっていることと自分を納得させて行動し、犯罪行為をしていても会社を退職しないのは従業員の平均年収が1,100万円という高水準の賃金が離職しない理由かと推測しています。
こういった仕組みで業績を伸ばし、会社がBIGになり、騒ぎもBIGになってしまいましたが、今後どうなっていくのか引き続き、観ていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。