【防犯の話】世に情けがあるように

初めに、僕の年齢も性別もご想像にお任せします。元々出す気が無いのと、これは全ての人が関係する話だからです。

僕が防犯ブザーを持ち始めたのは今年の一月でした。

ある夜、どうしても買わなければいけない本があり、コーナーに駆け込みました。でも残念なことに無かったので、せっかくだから店内一周して帰ろうかと思ったら、

僕より遥かに大きな体格のふくよかな男がこちらをジトリと見てるのが分かりました。

獲物を見つけたような異様な眼差しに、僕は直感で「やばい話通じない人だ」と思って、咄嗟にその場を立ち去ろうかと思ったのですが、足が棒のようになって、極度の緊張状態で声も出ず、自分の意思に反して完全に身動きが取れなくなってしまいました。他にお客さんは居たので幸い何事も無かったものの、しばらく周りをぐるぐるされ、監視されていました。近くの人に助けを求めようという勇気すら出ずに、やむなく親に連絡しました。辛うじて家の最寄りの本屋だったので、母が走って来てくれました…。去り際に母が男を睨むと、一転して怯えたような様子で本を読むフリをしていたそうです。

僕はすごく情けない気持ちでした。

帰宅後、父には「近くに人がいるならなりふり構わず助けを求めなさい」、母にも「次は自分で何とかしなさい。どこでこんな事があるか分からないから」と言われました。本当にそうだよなあ、何でそうしなかったんだろうと自分で自分に悔しくなりました。

ですが、両親は僕の生まれて初めての恐怖を分かってくれたようで、

1週間後に防犯ブザーを2個

プレゼントしてくれました。

前置きが長かったですが、それが僕のお守りです。持つのは小学生以来。ですが防犯機能は本当に高く、大人の僕にとっても大切なアイテムとなりました。体験談を書くうちに思い出して手汗が止まらなくなったのですが、僕はちゃんと半年このブザーを持ち続けてやっと不安を忘れる事が出来ました。

本当にこれは大した体験記じゃないです。僕は暴力を振るわれてないし、体を触られてもいない。「大袈裟に書き過ぎ」と言われても何も言えません。

でもこの体験を通じて僕は

①自衛の大切さ
②助けてくれる人がいるその有り難さ
を知り、加えて

③どんなSOSも見逃さない
という決意を固められました。

ブザーを鳴らしても、誰も来ない情けの無い世の中にはさせたくない。だからまず僕がやるんだ。

これが、僕が未来の為にすること。






















#未来のためにできること

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