CES2025に行ってきた🧠 【Neurotech編】
Las Vegasにて、年明けすぐの1月の第二週あたりで毎年開催される世界最大規模のテックの展示会であるCESに行ってきました。そこで見聞きした話などを簡単に紹介したいと思います。
私自身、Neurotech JPというneurotechに特化したウェブメディアに在籍しており、その取材として今回は参加してきました。ですので、主にNeurotech系のプロダクトを中心に見てきました。
Neurotechのセッション
毎年、CESではプロダクトの展示だけでなく、様々な分野に特化したセッションが開催され、その分野のエキスパートの方々によるパネルディスカッションや講演会が開催されています。その中でも、今年CESでは初めてとなるNeurotechに特化したセッション「Neurotech@CES」が開催されました。
このセッションは、テックやAIに関する知見や教育的コンテンツをイベントやウェビナーなどを通して共有するという事業を行うModev社により主催されており、CEOのPete Erickson氏も登壇していました。特に、今回のセッションは、彼の家族がALSになってしまい、闘病生活を側で見てきたことからNeurotechによりこのような神経疾患と闘う患者の方々並びに、自分と同じように看病をする家族の助けになるようなプロダクトが発達していくことを目指して開催したそうです。
セッションの中では、現在のNeurotech技術がどのようなものなのか、簡易脳波デバイスによるソリューションや、医療用途としてのBMI開発など、登壇者が研究開発するプロダクトの説明が行われた。また、現在の社会課題に対して、これらのNeurotechがどのように解決できるのか、そのためには政府などによる規制とどう接点をもっていくべきなのか、どのような技術開発が必要なのかなど、未来に焦点を当てた議論もされていました。特に、筆者としては、Neurotechの倫理問題にも関心があり、Usha Jagannathan博士によるNeurotechの技術開発に対して、より安心安全な利用を目指すための取り組みが重要であるという提言には同感していました。
現在、セッションの一部が動画としてCESのHPにて公開されていますので、ご興味あればぜひご覧ください(こちら)
セッションの後には、登壇者並びに参加者によるレセプションが開催され、様々な方々とお話しさせていただきました。特に、登壇者の企業において研究開発されているプロダクトのデモを公開している方も多くいらっしゃり、実際に実機に触れながら、どのようなプロダクトの開発を目指しているのかお話を伺うことができました。
その中でも、Kernel社が開発しているFlow2を、CEOであるRyan Field氏が持参しており、筆者も体験して見ました笑。このデバイスは、部類としてはfNIRSであり、ヘッドセットの内部には血中酸素を測定するためのセンサーが複数種類まとまった取り外し可能なユニットにより構成されていました。
ちなみに、Neurotech JPでは過去にRyan Field氏に取材をしており、その際の記事が公開していますので、ご興味あればそちらも併せてご一読ください。(Making brain measurements mainstream: Interview with CTO of Kernel | Ryan Field)
Neurotech関連のプロダクト展示
簡易デバイス
CESの目玉としてはやはり、各企業による展示だと思います。Neurotechという括りではまだセクションがないものの、様々なエリアにて関連するプロダクトが存在していました。その中でも数多くあったプロダクトとしては、簡易脳波計デバイスなどが展示されていました。
また、睡眠に関連したプロダクトも多く存在しており、睡眠の質を改善という点に特化したプロダクトも多かった印象でした。その中でも、NextSense社からスピンアウトした、Tone社による完全ワイヤレスのイヤホン型EEG計測器デバイスの展示が行われていました。
IDUN Technologies社のCEOを務められるSimon Bachmann氏ともお話しをさせていただき、既存のデバイスであるGUARDIANに加え、最新のプロダクトを見せていただきました。また、Neurotech産業に対して彼が持つ思いなども熱く語ってくださいました。
また、Neurotech JPでは、Simon氏との対談をポッドキャストにて配信しています。こちらも併せて、ご視聴ください。
また、すでにX (旧Twitter)の方にも掲載しましたが、Thinkie社による認知機能の向上を目的とした簡易fNIRSデバイスを用いたプロダクトも展示されていました。
侵襲型BMIプロダクト
このようなデバイスだけでなく、侵襲型BMIの開発を行う企業も展示を行っていました。その中でも韓国の企業であるGbrain社では、パーキンソン病患者における運動機能の改善を目指したBMIの展示を行っていました。このプロダクトは、韓国において3月より治験が開始されるそうです。
ちなみに、Gbrain社のChief Device Officerを務めるSung Q Lee博士は、筆者が所属する研究所のBMI開発などを行う研究室とも交流があるそうで、仲良くお話しさせていただきました笑
Neurotech系の医療機器
上記のデバイス以外にも様々な医療用途のNeurotech系のプロダクトも数多く展示されていました。中でも、VRとニューロフィードバックを組み合わせたデバイスを提供しているMeditrix社の医療機器が展示されており、筆者も体験して見ました。VRでは壮大な自然の中を10分程度旅をしながらニューロフィードバックが行われ、ストレスなどの低減が見込まれるそうです。ちなみに、このMeditrix社はSamsungのC-Labスタートアップだそうです。
Neurotech JPの宣伝
本記事では、筆者目線でそれぞれのNeurotechプロダクトの概要を紹介しましたが、より詳しい内容に関しては「CES2025レポート」として発売する予定です。基本的には企業様向けとなりますので、ご希望の方がいらっしゃいましたら、こちらのサイトよりご連絡をいただけますと幸いです。これまでも、「CES2023レポート」など、様々なNeurotechに関連する市場調査や学術調査レポートを販売していますので、併せてぜひご確認ください🙇。
最後に:とLas Vegasの夜景
今回、私自身として初のLas Vegasということもあり色々と体験させていただきました。また、来年もCESに参加できるように頑張りたいと思います💪
最後までご覧くださりありがとうございました。
Neurotech JPでは、このようなブログやレポート販売だけでなく、日本におけるNeurotechを盛り上げるためにNeurotech Tokyoというイベントなども開催していますので、ご興味あればぜひご参加ください!🙇