大人になるということは。
子どもの頃に想像していた大人は「ちゃんとしている」だった。しっかり働いて結婚をして適度に遊びながら貯金もして自制ができて泣いたり怒ったりしなくて完全で完璧。
だけどだんだんと大人も子どもなことを知る。大人だから完全で完璧なわけじゃないことを知る。大人も怠惰になること、大人も泣くことを知る。周りの大人も自分と同じ人間だったことを知る。
だけど、それでも誰もがみんな、社会の中でしっかり「大人」を生きているのだと知る。
そんな中で自分がどうやっても「大人」を生きれていないことに気付く。
ちゃんとした職についていないことや結婚をしていないこと、貯金が全然ないこと、そんなことは抜きにしたとして、精神の面で、「大人」をやれていない。
私は昔から一度の失敗で全部がダメになった気がして、全てを手放す傾向にある。それまで懸命に頑張っていたものも、手放してしまう。
中学生の頃、通知表がオール5から1つ4になっただけで、勉強をするのを辞めて、学校にあまり行かなくなった。
出かける日も例えば前髪が上手く出来なかったら、もういいと出かけるのをやめてしまうことがあった。
働き始めたときも、1度休んでしまったらそのあと行けなくなった。何度も何度もそういうことがあった。休んだ=こいつダメだって思われている気がして。出来ない奴だとバレるのが怖かった。だから仕事も長続きしない。
1つ失敗をすると、自分の人生が全部ダメな気がして、自分が全部ダメな気がして、それならとことんダメになろうって自暴自棄になる、その繰り返しで。
何度失敗しても続けられたのは、10年続けた陸上と、音楽だけだ。
「誰でも失敗はする。その失敗をどうリカバリーできるかを考えられるのが大人だよ」と先日言われた。なるほどと思った。
寝過ごして終電を逃してしまったとき、失敗した!じゃあどうしよう、カラオケ、ネカフェ、タクシー色んな選択肢がある、その中で最適なのを選ぶ。そんなことが出来るようになりたい。
私は「なんで寝過ごしちゃったんだろう」ってそのことばかりに頭がいってしまって、選択肢を考えるまでにすごく時間がかかる。自分自身への怒りと、また失敗してしまったっていう悔しさと悲しみと、色んな感情が一気に湧き上がって動けなくなる。
大人になるのって難しい。
なにやってんのなにやってんの
クソみたいで弱いアタシは
なにやってんのなにやってんの
大人になれへんアタシは
なんで息してんの。
それでも、この「丸裸」という曲を書いた頃よりは、自暴自棄になることが減った気はする。少しは大人に近付けていたらいいなと思う。
失敗をしたときにそれじゃあここからどうしようとそんな風に考えられるようになることを、しばらくの目標にしてみようと思う。
ちゃんと生きれなくていいよって思ってるけど、ちゃんと生きれるようになりたいとも思ってるから。
大人になるのにはまだまだ時間がかかりそうだけれど、少しずつ、少しずつ。
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