八木夕菜さんの個展『NOWHERE』を観た(2018/7/7)
見る角度によって風景が変わる透明なアクリルのキューブに組み込まれた写真
水面の様に床に置かれた写真
太陽神である天照大神を祀る日向大神社の写真であらわした表裏一体の光と影
まるで記憶の集合体のような作品展示。
作者の八木夕菜さんは元々建築事務所に勤めていた方で、建造物の写真を元に立体的に作品を造り上げている。
個展タイトルの『NOWHERE』は
Nowhere=どこにもない
Now Hear=今ここ
のダブルミーニング。
妙に澄みきった空気で、建物からは生活の痕跡、人の気配を全く感じないのに、かつてはここに人は居て、もういなくなってしまったんだ。という雰囲気が不思議だった。
写真を立体的・多角的に展示する事で一つの作品の中に過去も現在も、在るも無いもあらわしていて、鑑賞者も自然と色々な姿勢で魅入ってしまい、見えない隙間からも想像をかきたてられてしまう。凄く緻密に計算されているんだろうなあ。
とても美しかった。
会場:POLA MUSEUM ANNEX
期間:2018年6月15日~7月8日
入場料:無料
※写真撮影可・動画禁止