【囲碁】詰碁はなぜ必要か?【自作詰碁】
囲碁の上達に欠かせないトレーニングの一つが詰碁です。
詰碁というのは部分的な石の死活を問うものです。
囲碁は全体の陣地のやり取りをするゲームですが、なぜ陣地になっているのかという所では石の死活の理解が重要になってきます。
死活を理解する事が陣地の理解
こちらは右側が黒の陣地、左側が白の陣地で終局した形です。
陣地の境界線が端から端まで決まれば陣地が確定し終了となるのですが、最初の頃なかなか理解できないのが「なぜ陣地なの?」という所です。
囲碁のルールは
1 交点に置く
2 陣地が大きい方が勝ち
3 石は縦と横を囲んだら取れる
4 着手禁止点
5 コウ
最初に覚えるのはこの5つですが、「なぜ陣地なの?」という考え方を理解するには4つ目のルール着手禁止点に目を向ける必要があります。
着手禁止点というのは打ったら取られる場所の所です。
例えば×印。 白は×の所には打つとすでに囲まれている状態となるため、置けません。と、ここまでは囲碁のルールを少しかじった方だとわかる所ではあると思います。ですが、ここで気をつけておきたいのが着手禁止点があるからといって右上の黒石は取られないわけではないのです。
例えば周りの白石が全部詰まると今度は白に×の所に打たれると黒は縦と横を全部囲まれてしまい、取られてしまいます。
少し空間を作ってみました。こちらだとどうでしょうか。
実はこの図でも黒石はすでに取られています。
打ち進めてみればわかるのですが、空間の所にお互いが石を打っていくと、黒の石はいずれすべての縦と横の所が埋まってしまい、最後には取られてしまうのです。
着手禁止点が一ヵ所だとまだ取られる可能性があるというのがわかってきます。では取られない石はどういう石なのか。
それがこの形が基本となります。着手禁止点が二ヵ所あります。囲碁は当然のことながら、1回に1手しか打てないため、着手禁止点が二ヵ所ある以上は打つ事ができません。この状態が「生きている石」とされ、陣地になるという事です。
ここで終局というのはお互いが黒の陣地の中では白は生きない。白の陣地の中では黒は生きないという事を理解し、了承している事と言えます。
囲碁を始めたばかりの人が多く悩む「終局がわからない」というのは石が活きているかどうかがわからないという所にあります。
その理解を深めるために必要なのが「石の死活」でありその上達の為の問題が『詰碁』となります。
上級編
さて、ここからは上級編。
この白石は生きているでしょうか死んでいるでしょうか?
この死活がわかるとある布石では良い効果が生まれます。
1~7の構えは小林流と言われる形です。地を稼ぐ有力な戦法として人気の高い打ち方です。今ではAI流が流行していて、見る事が少なくなったのが残念ですね。さて、15まで黒は右辺と下辺に陣地を稼ぎにいっています。白としては下辺の黒地を減らしていきたい所です。
白1からの仕掛けが考えられます。黒は白を狭く狭くしていきます。黒16となった形で気づいた人もいるでしょうが、先ほどの白が生きているか?と聞いた問題と同じ形になっている事がわかります。
この白石ですが、死んでいます。取られている形です。
それがわかると、この布石がなぜ良いかという所の理解も深まるという事です。
「これくらいの幅だと生きているかな?」「手が残っているかな?」「ここを許すと相手に地を許してしまうな?」「相手のこの石は後々危なくなるからそれを利用していこう」などなど
死活の理解が深まれば深まるほどその後の進行のすべての判断に繋がっていきます。
ここまでくれば死活の重要性と詰碁のトレーニングが効果的という事がわかってくるかと思います。
自作詰碁
さて今回は有段者向けに僕が日頃作っている詰碁をご用意しました。実はこれまでたくさんの詰碁を作ってきました(1000問程度)。上達には欠かせない詰碁のトレーニングです。有料とはなりますが、ぜひ楽しんで頂けたらと思い、これから少しずつ公開していければと思います。
今回は30問 全問黒先。解答は正解図のみ載せています。
問題によっては細かい変化が知りたいという事もあると思いますので、その場合は気軽に聞いて頂けたらと思います。
それでは最高に楽しんでいきましょう。
ここから先は
¥ 300
ここまで読んで頂きありがとうございます!サポートを頂けたら今後の活動の励みとなります。ぜひ一緒に囲碁を上達していきましょう!