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【囲碁】工夫して取り組んで上達を楽しもう

囲碁の勉強といえばそんなに多くの事を言われることはないかもしれません。

・実戦

・棋譜並べ

・詰碁や手筋

一般的に言われるのはこれくらいなものです。

それらに取り組んでいるにも関わらず

今一つ身についていなかったり、なんだか楽しくないなぁと感じているのは

取り組み方が間違っていたり、無理に面白くない事をしているかもしれません。

ちょっとした工夫で囲碁の取り組みはとても楽しい時間になってきます。

という事で色んな勉強法を今日は見ていきましょう。



細分化する

囲碁を見た時に

「何をすればいいかわからない」という方はとても多いです。

ルールがあまりにも少なすぎて自由度が高すぎる為、

どうすればいいかわからないという状態になってしまうのです。

その為、囲碁では着手をする時にある程度考え方のベースを作る事が大切です。


それらは勉強法でも同じことが言えます。

「とりあえず詰碁やればいいよ」

と言われても、ただ問題を解いてもなかなか解けず身につく事も少なかったり、それが何にどう繋がるかも不透明なままこなす事となります。

ただやるのではなく

細かく分けて、はっきりとした目的意識を持って取り組んだ方が

しっかりと力を身につける事ができます。

それらをしっかりと見ていきましょう。


詰碁

強くなるのに手っ取り早いのはなんといっても詰碁です。

なぜか?

囲碁は陣地を取るために

生き死にの理解を深める必要があります。



図① 生きの形(着手禁止点が2つ) つまり絶対に取られないので黒の陣地として認められる。

図② 死にの形 黒が取られという事は白の陣地として認められる。


なぜ陣地になっているかも、その判断も

すべて生き死にから行われる為(でないと陣地になっているかどうかわからない)

その精度を高めれば高めるほど

碁の質も上がるという事です。

詰碁は生きるか死ぬかの問題の事です。

したがってまず強くなりたいのであれば詰碁。

問題を解くだけというとそうでもありません。

その詰碁の取り組み方も細かく見ていきましょう。


・基本パターンを掴む

まずはここになるでしょう。

いきなり自分にとってレベルの高い問題を解き始めてつまずく人は多いです。

簡単な問題から基本的なパターンを覚える事が必要です。

詰碁には中手という急所があります。

白1がその中手となります。黒は5目ある形なので5目中手と言いますね。

詳しくは 詰碁 中手と検索すればいくらでも出る事でしょう。

まずはこの5目中手の形をしっかりと理解すると良いでしょう。

例えば、この形。

白1、白3とすることで5目中手の形を目指せます。

最終的に中手の形に持って行くというベースができると

詰碁も解きやすくなってきますね。

他にも「欠け眼」であったり、「ダメヅマリ」などパターンは色々とあるものですが、それらを理解していけばだいぶ解きやすくなります。


反復練習

意外にもここが抜けている方が多いです。

1冊の詰碁の本を一周したら終わりにしてしまう。

しばらくして、同じ問題を解いてみてもわからない、

実戦で出たとしてもなんだっけ?となってしまったり

もったいないですよね。せっかく解いたのに身についていないとは…

1問1問に印象付けが上手い方であれば、1回解いてもなかなか忘れなかったりしますが、詰碁自体には物語要素が少ないので記憶するまではなかなか大変です。

どちらかというと体で覚える手続き記憶の要領で行った方が良いでしょう。

自転車や水泳みたいなイメージですね。

何度も何度も失敗しながらも同じ事を繰り返す事で、正しい動きに近づいてきます。完全に身についた時には一生ものとなります。

完全に身についた問題数が多ければ多いほど、次に新しい問題を解く時もそのベースとなる力があればスムーズにこなせるようになるので

とても大事な練習法と言えます。

毎日繰り返し同じ問題を解いてみると大きな力になっている事に気づく時がありますよ。


・発想を身につける

正直な所、いきなり問題を解けと言われても

解き方の発想がなければわかりません。

数学で見知らぬ問題を出されても暗号にしか見えないのと一緒です。

詰碁を解くにはある程度、筋だったりパターンだったりを経験していく必要があります。そうする事で発想として思い浮かんでくるのです。

発想は経験した事から出てきます。

であれば、最初から答えを覚えるというのはとても良い勉強法となります。

思い浮かばないんだから、その材料を増やせばいいわけです。


問題集として本を手に入れると、問題を解くという事に使いがちですが

使い方はいくら工夫してもいいわけです。

つらい時間を増やすよりも、あっさりと答えを覚えてしまって

次の問題集でしっかりとチャレンジというのも良いでしょう。


・基本死活

基本死活を覚える事は囲碁の上達においてとても重要な取り組みとなります。

定石からの変化や布石の基本的な組み方、地を荒らす時など

最終的に出てくる形が「基本死活」と言われるものです。

詰碁の問題集とは違い、「基本死活」という確立されたものであります。

これから色々勉強する上で理解を深めるために大きな役割を果たしてくれるので基本死活は覚えてしまって良いでしょう。


・詰碁が好きな人はいくらでも解いてください

詰碁好きという人は羨ましいです(笑)

僕は正直ちょっと苦手でしたので工夫して取り組む事で楽しさを見出す事ができました。

大きな力になる事なので

存分に楽しんでください。

僕自身も詰碁はたくさん作っているので

もし解きたい人は

僕にお声掛け頂ければと思います。


棋譜並べ

石の流れを良くするには棋譜並べと言いますが

実際プロの対局を見てみると

何をしているかさっぱりわからない

という事もよくあると思います。

正直な所、上達を目指す上で一番上達を実感しにくいのは棋譜並べと言えます。

ですが、せっかく囲碁を始めたのですから、プロの対局も楽しく見てみたいものですよね。

棋譜並べも色々な工夫が考えられます。見ていきましょう


・特徴を見る

棋風というものがあります。

その碁の特徴ですね。攻めが好きとか地を稼ぐのが好きとかゆっくり打つのが好きとか人それぞれ違いはあると思います。

そういった特徴的な所から自分の好きな打ち方をするプロの碁を見ても良いでしょう。

そういった棋士は、現在よりはちょっと前の時代に多いようです。主に平成初期~昭和の時代

例えば、加藤正夫先生であれば「殺し屋」というニックネームがありました。見た目はとても優しそうな先生ですが、碁は恐ろしそうです…

高川格先生はよくおススメする棋士でもあります。

ゆっくりとしたバランス型というイメージの碁ですが周りからは「ハエも殺せない碁」と表現されたこともあります。

ただ、それでいて本因坊9連覇という凄まじい記録を持っているのですから、いかに相手に力を出させないかという所でしょう。

僕はこどもの頃、最初に並べていたのが趙治勲先生でした。

目一杯地を稼ぐ頑張りなどが魅力的でただひたすらに地を稼いでいたように思えます。真似をすることでその事を考える時間が多くなり結果的には自分の特徴として力をつけるようになりました。

ただ、力がなかったため、碁が薄くとても打ちきれなくなりました。

その後影響を最も強く受けたのが藤沢秀行先生です。

秀行先生からは直接教わった事もありますが、すべての感覚において研ぎ澄まされていて、特に厚みに関しての発想は「これが碁か」と思ったものです。それ以来は秀行先生の碁をずっと並べるようになり、今の自分の碁のベースにもなっています。

そういった特徴を見る事で、自分の好きな打ち方を学び、そういった展開になると気づきも多くなってきます。プロの碁を見るのも楽しくなりますね。


ただし、現代の碁はかなり布石が定石化されていて、戦いが多いです。

その為棋譜並べで上達を目指すのであれば20年前~昭和の碁をおススメしたいかなと。


・勉強したい所を意識する

布石を勉強したいのであれば布石

戦いを勉強したいのであれば中盤

ヨセを勉強したいのであればヨセ

と、決めた方が吸収しやすくなります。

1局の中からすべてを吸収していくには

情報量があまりにも多すぎて

自分の中に落とし込めません。

テーマを決めて、意識して並べる事で

より多くの事を身につける事ができます。

部分を理解する事で、全体像も理解できるものです。

ぜひ試してみてください。


・好きな棋士はとことん応援

囲碁ファンが楽しい所の一つはやはり好きな棋士の応援をする事ではないでしょうか。

どういった打ち方をするのかなぁと、想像を膨らませながら楽しく碁を見れると良いですよね。


布石、定石の勉強

このあたりが大切なものとなってきます。

布石は碁を進める上で骨組みとなる部分ですので

作戦を決めておくと有利に運べます。

また、パターンを決めておくという事が

効率よく石の働きを理解する上でスムーズなものとなります。

定石は布石の中で出てくる、最善のやり取りみたいなものですが

判断の材料として使うものです。

また定石そのものに手筋など多く含まれているので、石の形の急所などを学ぶにはとても良いでしょう。

ただし、定石が正しいと思い込むと碁では失敗を招く場合もよくあります。気をつけていきたいところですね。


・布石を決める

囲碁には二連星、三連星や中国流だったりミニ中国流など

名前のついたものから、小目+星+大ゲイマシマリなど名前はついていないですが、多く打たれる布石のパターンなどがあります。

その打ち方をまず一つ決めて

そこからその布石の理解をする事で、石の働きをより深く理解する事ができます。

何でも打つというのは上達を考えた時にはなかなか難しいもので

一つの石の働きが身につかないまま中途半端になってしまう事がよくあります。

布石をまず決めて一つの事から枝を広げていく方が結果的には効率よく石の働きを理解する事となります。


・定石は必要な時だけ覚える

定石自体は膨大な数があります。

定石をただ覚えても実戦で使う機会のないままというのもよくあります。

しかもなんとしてでもその定石にしてやろうという打ち方をすると

全体のバランスを崩してしまいます。

布石を決めた次は

その布石で出る定石を見ていくと良いでしょう。

そしてその定石はどんな使い方をするのかという所を意識してみてください。

必要最小限の事だけをやる事で無駄を省いた上達ができてきます。


・自分だけの作戦を考える

楽しいですよね。

周りが考えない事をどんどん編み出していく感じ。

もちろん自分のレベルが高くなれば、対応もされていくのですが

オリジナルを考えて挑戦してみるのも良いでしょう。

好きなように打つのが碁の醍醐味です。


実戦

究極の取り組みといえばやはり実戦でしょう。

ですが、負けるのが嫌、失敗が怖いなどの

ちょっと苦手意識を持っている人も少なくはありません。

実戦では姿勢の面を中心にお話できればと思います。


・すべての勉強が一度にできる

実戦のなにより良い所は

今まで勉強してきたことを出す場でもあり、

また反省をその場でできる事でもあります。

今自分に必要な情報がすべて盤上に詰まっています。

実戦ほど見えやすいものはありません。

実戦機会の多い人はやはり上達が早いと言えるでしょう。


・反省をしっかりとする

対局の時はテーマをつけておくといいでしょう

そうする事で、対局が終わった後も反省するポイントがしっかりとしているため身につきやすくなります。

打つだけだと何を得たのかもわかりにくいですし

反省するといっても1局全体をざっくりやってしまうのは、中途半端な形となりがちです。しっかりと意識して反省していきましょう。


・石を取られるの怖いよね

石を取られるのが怖く、縮こまってしまい

陣地を大きく取られて負けてしまう。

囲碁を取り組む上で上達がストップしてしまう中で一番多い原因とも言えます。

そういった事を繰り返していくと、完全にその打ち方が身についてしまい

なかなかそれを外す事は大変になります。仮に勉強していたとしてもその打ち方をしてしまうものです。

怖いんですよね~。

他の事でも同じような事はありますよね。英語を話したいけど、いざ外国人と話すというのはなかなか勇気のいることです。全然喋れなかったらどうしようみたいな。

ですが、1回喋ってみると意外にも気が楽になって喋りやすくなったりするものです。(僕も日本に囲碁の勉強にきた海外勢15人くらいと飲みに行ったことがありますが、ノリと勢いで喋ってました。日本人は僕一人で不安でしたが)

失敗はするんですよ。たくさん石も取られます。残念ながら。最初からできるわけないじゃんって(笑)

ただしその失敗に飛び込む勇気を出せたら、碁はめちゃくちゃ面白くなるものです。

実は分厚い壁だったものは薄い紙一枚だったりします。

たまには相手の石をおりゃーと取りにいってみてはいかがでしょう。


・負けるのが嫌で打ちたくない

ここだけは厳しくいきます(笑)

負けた数だけ強くなるのです。

負けた自分を認められる人が強くなるのです。

そんなにかわいくみせても残念ながら

碁は強くならないのです。

これが現実です…

そもそも勝負ですので

必ずどちらかは勝ちます。

ただそれだけの事なのです。

同様に負けて、いつまでもうじうじしている人も同じです。

その時間があったら勝つためにどうするかという所に時間を使った方が良いと思うのです。

その事に気づくまでは、もしかしたら時間がかかる事かもしれませんが

できる事からコツコツやっていけば姿勢も変わります。

好きでやっているのですから、どんな結果になろうと堂々としてればいいんです。


上達は自分の成長を見る事

上達のスピードは人それぞれです。

ついつい誰かと比べてしまい、

自分には向いてないとか、努力が足りないとか思いがちですが

そういったことではないのです。


例えば僕は将棋、その他ボードゲームの強くなるスピードは囲碁をやっていたおかげもあり早いかもしれません。

全然だめな事もたくさんあります。例えばPC関係だったり、絵を描いたり、歌だったり

もし興味があれば取り組みますが、それでいて上達が早いとか遅いとか、誰かと比べて劣っているとかはそんなに関係ありません。

昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分が成長している事が楽しいのです。

やりたくない事はやらないですし(笑)

世界一を目指すわけでもないでしょ?


好きでやっているんでしょ?

それであれば自分自身をもっともっと

見てあげると良いと思うのです。

外側ばかりに目がいきがちです。


上達の大きな喜びは自分自身の中にあるものです。

ぜひ自分自身の1歩1歩の成長を楽しんでみてください。


楽しい事、好きな事をすればいい

正直な話

この一言に尽きるかなって。

上手くなりたかったら色々考えて実践してみますが、

最終的には楽しむものです。

その心だけは忘れずにいきたいですね。


まとめ

もっともっと詳しく知りたい

上達したいという方は

僕と話すと良いと思うのです。

てきと~に楽しんでいきましょう。

ここまで読んで頂きありがとうございます!サポートを頂けたら今後の活動の励みとなります。ぜひ一緒に囲碁を上達していきましょう!