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交響曲「空海」ロンドン公演
ロンドンで一番有名な観光地と言っても良いWestminsterにあるCentral Hall Westminsterで行われた交響曲「空海」のヨーロッパ初演を聴いてきた。
高野山金剛峰寺の開祖である空海の生涯をもとに作られた交響曲。空海は弘法大使という呼び方の方がわかる方も多いかもしれない。唐から真言密教を持ち込み広めたことで有名な平安時代の僧ということ位の知識しか持っていない自分だが、歌に対し英訳字幕も表示され、情景などが理解できた。
特に第3楽章と第6楽章が良かった。ホールの特徴かもしれないが木管の音がとても良く聞こえた。また特に第3楽章はホルンがとても格好いい響きで私が個人的に気に入った。また、曲全体を通じてコーラングレがここまでソロを取る曲は珍しいかもしれない。今日の彼女の音はとても素敵な音だった。コーラングレ、久しぶりに吹きたいな。
空海の作曲は中国人のYe Zou氏であり、歌は中国語であるが、今回のロンドン公演はスコットランド出身のデリック・モーガン氏が若い奏者の多いオルフェウス・シンフォニアを率いて行われた。日本の仏教文化を中国から1250年前に持ち込んだ空海の人生を中国人が壮大な交響曲に描き、それを英国の交響楽団が演奏する。この多国籍な文化交流だけでも不思議な感動を得た。
最近、仕事のトラブルで週末も頭の中が散らかっていつもザワザワしている毎日だが、今日空海の曲を聴いて「出家して煩悩を取り払いたい」と感じてしまった。50代中盤に差し掛かり会社でも周りが毎月のように誰かが定年退職していく日々だが、時に自分はこの年になって異国の地で一体何をしているんだろうと感じる日々でもある。1時間強の時間、いろいろと考えてしまった。
演奏会が終わり外に出たらウェストミンスター寺院がライトアップされていた。夜のWestminsterもいいな。
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