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#2 剣と盾が導く先

セーブデータ2

幼少期からあったのか、歳を重ねて得たのか。
どちらにせよ、生き延びていくために身につけたもの。
守りぬくための盾と、立ち向かっていくための剣。

ゆうしゃの場合、手にした剣と盾は笑い属性だった。
それに隠密行動スキルをカスタマイズした装備。
どんなに辛くても、笑って気丈でいること。
誰にも心配かけぬよう隠し通すこと。
辛い悲しい悩み怒り…そんな感情なんていらない。
消し去るように、また笑って。
そう、わたしはたのしいんだ。きっと。ぜったい。
慣れない装備と操作で、一生懸命だったころ。

《物語が進むと、耐久性が高いものを手にできるように。》

経験値が上がるにつれて、無意識でも剣と盾を構えられるようになって。
それなりに形もサマになって。
身体にも馴染んできたのか、苦にも感じなくなっていった。
それどころか、プレイスタイルに自信すら持てるようになってた。
みんな、自分自身の熟練プレーヤー。きっとそう。

《性能が上がれば、もちろん代価も高くなるように。》

強い装備ってだんだん価値が高くなる。
買えるやつもあるけど、あれもどんどん高くなるよな。
そりゃその分強いから仕方ないのだけれど。
ちなみに代価はこころ。
それでも自分は強くなれるとひたすらに思い込んで
剣を、盾を、育てていく

《レベルが上がれば、倒す敵も強くなっていく。》

でも、ある時とんでもない強い敵が目の前に現れて。
そいつは、ゆうしゃが頭の中で何度も殺し続けてきた「ゆうしゃ」にみるみる形を変えて、前に立つ。
殺しているつもりで、生き残っていた自分の裏側。
かなしみ、苦しみ、辛さ、悩み、怒り、、、消し去れていなかった感情が塊となって襲ってくる。

ドウシテ ワカッテ クレナイノ ドウシテ ドウシテ

ゆうしゃは構わず剣と盾で闘う。
しかし、その代償で強くなった武器は「ゆうしゃ」に呼応するように、敵の手に吸い込まれていく。

ゆうしゃは、「ゆうしゃ」に、自分が育てた武器で、斬られた。

そのまま、自分が手にかけてきた自分の真っ黒な感情の渦に飲み込まれ落ちていく。

ここはきっと、やみのそこ。
誰の声も、日の光も届かない、闇の底。
もう何も持ってない、どうやってここから出るのかもわからない。


そうか、こうして暗闇に落ちてきたんだね。
大丈夫。今のきみはゆうしゃなのだから。
一緒にここから出てみよう。

さあ、たって。
もういちど、あたらしいたびにでかけよう。

ーーー

命の数だけ、生き方の数だけ、身につけている装備って違いますよね!たぶん!
皆様は何属性ですか?笑
もし誰かに否定されたとしても、皆様が生き抜くために身につけた力、そして生き方は誰かがとやかく言えるものではありません!よね!
わたしもどん底やみこちゃんになった時、否定されたり笑われたりもして、いぎーーー!!ってなりました!笑
みんな誰しも戦いながら生きていて、生きる術を身につけて、必死に日々を生き抜いて。間違いか正解じゃなく、お互いが認め合って、ねぎらいあっていけたらいいな、と思うばかりです。

ゲームの進め方が違ったって、戦い方や選ぶ武器が違くたって、苦手な敵が違くたって、へぇそうなんだーって普通に受け入れられるように。ただそれだけの違い。
みんな自分自身の熟練プレイヤー!胸張って生きたいものですね…!
今日も生き抜いた皆様に盛大な拍手と敬意を。

ーーー

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